【伝家つってもまだ麻島青果店は2代目までで浅い】
【伝家つってもまだ麻島青果店は2代目までで浅い】
「でもさー、結局は同棲じゃん。ホームステイとか言っても」
「親の監視があるじゃん」
「親公認とか。実は許嫁とか」
「あー、あったあった」
「ワシとタカシが? ありえるか、愚民め」
「呼び捨てだし」
「外国にいたからファーストネームで呼ぶくせがあるんだよ」
魔王の地や性格が誤解を生み、やはり一筋縄では納得してくれない。納得しない内は丹下と迫はどんどん勝手な想像を続け、話を膨らませていく。仕方なしにタカシは使いたくも言いたくもなかったとっておき、すべてを収める宝刀を抜くことにした。
「……。ウチの生徒会長様公認つってもか」
たった一言で、丹下も迫も2人の世界と会話をやめて「そうなのか」と納得したようだ。
「あの生徒会長が言うならなー。そうなんだろ」
「麻島をかばっても仕方ねーしな」
丹下や迫は納得はしてくれたが、逆にタカシや魔王は納得出来なかった。特に魔王は不満げな表情を隠さずあらわにしていた。
「これが信頼の差だよ」
と、ミツルがタカシの耳元でささやいた。この2人を納得させられたのは、紛れもなくあの無敵の生徒会長に寄せられる絶対的な信頼だ。
「もし裏切ったら、過激派に何をされるか」
「……いや、だからマジでいんのか?」
ささやくミツルにタカシは尋ねるが、やはりHAHAHAHAHAと笑ってごまかされた。副会長といい、ミツルといい、これでは生徒会長の信頼と人望の裏には暗躍があると勘繰りたくなる。しかし、ミツルはそれを読んだかのように言った。
「大丈夫。彼女は本物だから」
タカシは肩をすくめ、気にすることをやめた。話や事情を知らない者がどれだけ語っても、その真実を知る者にはかなわない。ミツルや副会長が知る者かはわからないが、タカシにとってはどうでもいいことだった。




