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【閑古鳥はどう鳴くの】

 【閑古鳥はどう鳴くの】

 「しかし、ヒマじゃのぅ」

 裏手でも聞こえてくる魔王のため息に、タカシは「うるせーよ」とツッコんだ。まだ昼前の時分、人通りもまばらで呼び込む客がいない。

 「これならまだ授業とやらに出ていた方が身の為じゃのぅ」

 「勤勉なこって」

 タカシが皮肉るが、魔王に鼻で笑われ「妬みか?」と返されたのでこづいた。すぐに魔王の力でやり返してこない辺り、この頃になって魔王も成長したのだろうか。

 「魔王の力の節約じゃ」

 「そうかい」

 魔王の力は魔王が生きていくことに必要な支配している平民から得るエネルギーを消費する。無駄や多用は避けていくべきなのだろうが、今までの行動からではその説得力は皆無だった。

 「しかし、こうも野菜が売れぬと困るのぅ」

 「まーな」

 珍しく平民側に立っての魔王の発言にタカシは同意した。資金を出して仕入れた野菜が売れなければ店や生活は貧窮(ひんきゅう)する。麻島青果店は食い扶持(ぶち)が1人増えたのだから、それは切実な問題だった。

 「何故売れぬ? 検証したか。売れる努力はしとるのか」

 「してるさ。出来る限り値段を安くしたり、野菜を使った惣菜レシピを教えて・その材料を勧めたりな」

 地道な努力をつみ重ねて、地元との交流を深めていく。それがこの客商売の基本といえた。

 「ま、今じゃ地元のおばちゃん達との付き合いで保ってるとこが大きいな」

 「そんなことでは売り上げ増加はのぞめんぞ」

 「……そうだな」

 タカシがひと息ついてから、何かぶつぶつとつぶやいている魔王に語りかけた。

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