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【高校生にもなって】

 【高校生にもなって】

 「送る必要は無ぇよな」

 「私はミツルがいるから大丈夫だぁあぁあぁぁぁあぁっ!」

 「うん。俺には勇者がついてるから」

 ミツルという愛の前には無敵を誇り、魔王ですらしりぞけるという、これ以上ないボディガードウーマンだ。

 「そりゃそうだな」

 「じゃ、また学校で」

 「おやすみなさいぃいっ!」

 アンナが元気よくブンブンと手を振り、ミツルと一緒に居間を出て行った。そのかけられた挨拶の声量は寝起きには良さそうだが、安眠を促すものではなかった。

 「さて、タカシよ、一緒に風呂に」

 「入らねぇつってんだろ。いい加減あきらめろ」

 まだミツル達が家から出てないのに、堂々と誘いをかける魔王にタカシはうなり声をあげた。ミカコはその2人を眺め、何事も無いようにお茶をすすった。


 【ははっ】

 「苦労してるなぁ、タカシ」

 アンナと揃って靴を履いている玄関先まで聞こえてくる言い争いに、男女関係よりも大変そうな関係にミツルは苦笑した。

 「喧嘩するほど仲がいいってことだなぁあっ!」

 「そうだね」

 目の前の扉を開け、外に出た。それでもまだ聞こえてくるのに、再び苦笑した。

 「私達は喧嘩しなくても最高に仲いいけどなぁあぁぁあぁぁぁああぁっ!」

 「はいはい」

 腕を取るアンナをミツルは更にぐいっと自らの方へ引き寄せ、寄り添って歩いた。今夏の終わりを月夜の外気で、その肌で感じ取った。

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