【貰う貰わない以前に意味不明】
【貰う貰わない以前に意味不明】
魔王のおかしな提案にカオルは少しだけ眉をひそめた。
「それはどういう意味かな」
「おぬしが隠したところで、どうにもならんぞ」
「……何か勘違いしているのかもしれないけれど、別に麻島タカシと私はいち生徒といち生徒会長以上のものではないよ」
「そうかそうか」
魔王がしたりという顔をするのを、カオルが見つめる。その時、店の奥から何かが勢いよく飛び出してきた。
「ミツルは渡さんぞぉおおぉおおぉおおっ!」
がしっと魔王の首を取り、後ろから羽交い絞めする。ミカコはびっくりしてそれを見ている。
「日向アンナ?」
カオルが「じゃあ、今いる男というのは……」と店の奥に目をやった。アンナが飛び出した障子戸の向こうで申し訳なさそうに顔をのぞかせているのはミツルだった。
「こらアンナ、店に迷惑だからちょっと黙っ」
店の奥でくつろいでいたミツルと店の外にいるカオルのぱちっと目が合い、申し訳なさそうにミツルが目をそらした。
「甲藤ミツル……」
魔王はしてやったりと言わんばかりに笑っている。
「ワシはタカシがなかにいるとは言っておらんのぅ」
「本当に何を考えているのかな? これが引っかけに値するとでも?」
確かにこの家の一人息子がタカシが不在で、アンナとミツルが遊びに来ていたということはわかるわけもない。この2人が遊びに来るという約束は昨日したばかりで、決行も今日の帰り道でと急なものだった。カオルは憮然としていると、魔王は嬉しそうに小躍りする。
「ワーシーはーターカーシーがーなーかーにーいーるーとはーひーとーこーともー」
「……魔王、本当に何を考えて」
「騒がしいぞ。お前ら」
カオルの言葉をさえぎるように、配達から帰ったと一目見てわかるタカシが現れた。愛チャリを押して、店の前にそれをとめた。このタイミングに帰ってきたタカシを見て、ミカコは大笑いをしている。




