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【開いた口がふさがらないけどとりあえず労う】

 【開いた口がふさがらないけどとりあえず労う】

 「それはお疲れ様」

 魔王がいやそうな表情を見せたので、相当不服かつしぼられたのだろう。朝から問題生徒の指導とはカオルもご苦労なことだ。

 「なんで勇者共のファンクラブは良くて、ワシのは駄目なんじゃ」

 「度が過ぎてんだよ。もうちっと考えろ」

 現に生徒会長や副会長のファンクラブは一般的な盗撮混じった生写真の交換会やどこが好きかの談義などの活動のほか、忙しい本人達の仕事の補助やボランティア活動でその好意を示そうとする者が多い。それが一番本人たちと触れ合い、話せる機会があるからでもある。

 「ま、過激派もいなくもないけどね」

 「マジでいんのか?」

 タカシが訊くものの、ミツルはただ「夜道は怖いよね」とつぶやいただけで流した。

 「で、罰則はすんだのか?」

 「……ああ。何とかな。今回の件で追加もされなかったのが幸いだな」

 釈然としないタカシがひと息()いた。


 【昨日の下校時刻間際】

 科目資料室整理をすませたタカシは鍵を返しがてら、生徒会室へ報告に行った。それから副会長と生徒会長が確認しに行き、タカシの整理具合をチェックと同時に各教科担当の先生に提出する報告書原案が出来上がった。

 「麻島タカシ。ご苦労だった」

 「お帰りになってよろしいですよ」

 それにかかった時間はおよそ10分。あの2人の手際の良さは異常だ。

 ―――おれがやるより、生徒会長様達でやった方が手間かかんなくていーだろ。

 カオルとセイが原案の推敲(すいこう)をしている間にタカシはひとつ息を吐いた。

 「それでは罰則にならないだろう」

 「……」

 心を読まれたのか、表情で察したのか。どちらにせよ、タカシはこれ以上いることもないのでそのまま部屋を出るのだった。

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