【武島教師の成績評価】
【武島教師の成績評価】
仮に入学時にそれぞれ100点ずつ与えられたとしよう。これはその個人の課題提出やテストの点、出席や授業態度などで引かれ続けていくだけだ。それらがきちんと出来ていても引かれないだけで、後からは一切加点されない。そして、1年の終わりに残った点がそのまま評価となる。これが武島教師の成績のつけ方なのだ、とミツルが簡単に説明した。
「ほうほう。そして、それはあの閻魔帳とやらにすべて書かれておるのじゃな?」
「まおーさんスルドイっ」
ミツルがおどけるようにポージングを決め、魔王の推測を裏付ける。タカシが「相変わらず元ネタがわからん」とぼやいた。
「武島先生が肌身離さず、常に持ち歩く閻魔帳。そこには過去数年間の減点とかのデータが全部詰まってるんだって」
「まぁ、素行も勉強も優秀なワシには無関係か」
「さっき減点されてたろ」
イズシ教師から注意勧告をされた後にタカシと同時に舌打ち。間違いなく減点対象に入っているだろう。そのことを思い出した魔王はうぐと詰まり、考えた。
「……いざとなったら、ワシだけ減点を取り消してもらうかのぅ」
「オイ」
タカシはとりあえずツッコんだというだけで、魔王の発言や減点自体を気にしているようには見えなかった。
「へー、具体的にはどうするのさ?」
「閻魔帳を改竄するのが簡単で良かろう」
「それはやめた方がいいぞぉおっ! 魔王ぉおっ!」
眉をひそめ「何故か」と聞く魔王に、アンナに代わってミツルが意地の悪い笑みで応えた。
「肌身離さず持ってるもんだし、閻魔帳に書いた内容は先生自身がぜーんぶ覚えているそうだから、すぐ気づかれるっていう単純で凄い話」
過去に数回ほど、閻魔帳に書かれているデータを改竄しようとして、気づかれ、逆に減点され自滅した生徒がいたという話はあまりに有名だった。その時の話によれば、閻魔帳は高度な暗号かまったく見たことのない外国語で書かれていたそうだ。




