【その授業が終わった休み時間】
【その授業が終わった休み時間】
魔王は色々と詳しいミツルにイズシ教師について聞いた。そういえば転入したばかりの魔王は今日初めてイズシ教師の授業を受けたのだ。あの授業中の空気、気にならないわけがない。
「武島先生ねー。真面目でいい先生だよ。―――ちょっとカタいけどね」
「ちょっとじゃねーだろ」
タカシがツッコむが、ミツルは「そうかな」と首をかしげた。
「ミツルの言う通りだぁあぁぁぁああっ! イズシ先生は厳しいけどいい先生だぞぉおっ!」
「朝からやかましいっつーの」
例によって現れたアンナにタカシは注意するが、聞くわけもない。タカシが幸せが逃げるというため息をひとつ吐くと、また頭痛の種が教室に飛び込んできた。
「麻島とやら、魔王様から離れろ! ハァハァ」
「そうとも! われらの許可なしに魔王様に近づくなっ!」
例の敬い隊が現れると、いっそうやかましくなった。荒い息遣いも暑苦しい。
「あァ?」
タカシがひとにらみすると、敬い隊の勢いが急にしぼんだ。それからビシッと姿勢を正し、魔王に向かって敬礼をして見せた。
「で・では、魔王様! われらは廊下で待機しておりますので」
「いつでもお呼びくださいっ! ハァハァ」
「うむ」
敬い隊が駆け足で廊下の方へ出て行くのを見て、ミツルがにやにやと笑った。
「さっすが不良の眼力。あいつらもうまく逃げたなぁ」
「言ってろ。魔王の傍に居続けて倒れられても困るからな」
「じゃから、言うほど貰っておらん。それより、イズシとやらの話を聞かせんか」
魔王がそう命じると、ミツルはハイハイと承諾した。
「あの先生の評価は減点式で、加点は一切無し。出来て当たり前だからだってさ」




