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今の城水は、家計にまったく疎かった。覚醒してクローン化するまではひと月、どれほどの生活費が必要かは、おおよそ分かっていた城水だが、今は皆目、見当もつかなかった。だいいち、すべての値段が分からないのだから、乳飲み子同然だった。かろうじてテレパシーの交信により必要な情報は入手していたが、訊ねられれば即答は出来ず、この話も危うかった。
「少し高くつくと思うけど、いい?」
[仕方ないだろうが…]
口では渋々(しぶしぶ)、そう言った城水だったが、内心では高くつこうが、どうでもよかった。それより、一刻も早くあらゆる情報を認識せねば…と思えていた。
「よかった…」
[あなたの服は、ポーナスにするわね]
[それでいいよ…]
了解した城水だったが、ポーナスの意味を知らず、ポーナスという安い服になったんだと思った。
[ははは…ポーナスは、いいよな]
「えっ?! は? で、でしょ?」
[んっ! ああ、そう。で!]
城水は危うく難を避けた。避けはしたが、気分はしょぼく萎えた。当たり障りない会話というのも案外、難しいものだ…と、城水は冷静に判断し、口を開くのを最少にすることにした。




