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 次の日の朝、城水はいつものようにベッドから抜け出た。その日は日曜だったから雄静ゆうせいも家でくつろいでいた。小学1年の彼の寛ぎ方はバタバタと家の中を走り回ることだった。

[ふむ? 活発に動く人間もいるものだな…]

 クローン[1]はいぶかしげに首をひねった。早朝の暗い頃、クローン[1]は城水の家の庭に現れ、すでに観察していたのである。彼等に食事の必要はなかった。錠剤仕立ての固形食糧を一粒飲めばこと足りた。

にぎやかだな…」

 キッチンを走り回る雄静を見ながら城水は洗面台へ向かった。すべての会話がクローン[1]の耳に入っていることなど、城水は知るよしもなかった。

「ゆうちゃん! ちょっと、静かにしなさいっ!」

 雄静の騒々しさには馴れた里子だったが、ついに声を大きくした。城水が口走ったひと言がきっかけだった。雄静は里子に注意され、走り回るのをやめてキッチン椅子へ座った。

[こういう場合、母親はしかるのか…]

 声音分析したクローン[1]は冷静な顔で腕組みし、つぶやいた。

 城水の体内で眠り続けるクローンは、この時点では目覚めていなかった。ただ、起動をうながすタイム・アラームは、静かに城水の体内で時を進めていたのである。問題は、地球初期化の指令が下される前に目覚めるかどうかだった。アラームが眠るクローンを呼び覚ましたとき、城水はクローン化し、初期化の指令は停止される場合もある。事態は一刻を争っていた。

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