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いつまでも友達じゃない

 バレンタイン過ぎてますね。

 でもバレンタインに合わせた投稿です。

――――――――

甘さ:★★☆☆☆

苦さ:★★☆☆☆

長さ:★☆☆☆☆

絡み:★☆☆☆☆

――――――――

 評価の通り、中身は短いです。その上ちょっと特殊な書き方をしています。

 本当は後一つあるのですが、無念、テスト期間なので来週末にでも投稿させて頂きたいと思います。

 友人の関係がいつまで続くのか。

 気持ちを自覚した時に、自問した。

 そして直ぐに答えを出したのは、友人のままでいたくなかったから。

 バレンタインに告白する。

 例えどちらに転がっても、きっと友人ではいられないから。



「なぎさはチョコ持ってきてるの?」

「うん! 買ったやつだけど、皆も持ってくると思うし」

「持ち物検査無いと良いね」

「有ったら全校生徒が暴動を起こすよ……。 さやは?」

「持ってきてないよ」

「えー、バレンタインなのに!」

「うん、……まぁ、良いかなって」

「友チョコ皆配ると思うよ? 良いの?」

「良いよ、だって私なぎさほど友達多くないもん、貰えるかすら怪しいよ」

「好きな人とかは? いないの?」

「いないって。 学校見渡しても好きになれそうなやついないじゃん」

「えぇ……そうでもないと思うけどなー」

「そういうなぎさは、本命持ってきてるの?」

「うん、持ってきてる」

「…………は?」

「持ってきてるよ、本命チョコ」

「……うっそだ、だってなぎさに好きな人がいるなんて聞いてないよ」

「うん、秘密にしてた」

「………そうなんだ」

「……………さや?」

「……ううん、喜んでくれると良いね」

「………うん、きっと、喜んでくれるよ!」



 友人の関係はいつまでも続くのか。

 彼女には好きな人がいた。私が告白してしまえば、きっと困惑させてしまうだろう。

 今日で決着をつけるつもりだったのに。

 鞄の中にひっそりと忍ばせた内緒のチョコが、押し潰されて割れてる気がした。



「さーや、チョコどぞ!」

「あ、あはは……ありがと」

「本命だよ? 私のも本命チョコだよ?」

「はいはい……ホワイトデーにはお返しに熱いキスしたげるから」

「あははっ、期待してる!」

「はぁ……チョコ、ありがとね」

「ううん、味わってね!」

「はいは……うげっ!」

「あ、あのっ! さやさん、チョ、チョコっ……です! 受け取ってくださいっ……!」

「……そのキャラ何?」

「わ、私のも本命ですっ……! あ、あ、あの、たくさんチョコ……ハーレムですねっ! ぶははっ!」

「は、ははは…………ホワイトデーは恥じらいながら振ってやるわ」

「あはは、あははははははっ! じゃあ私は恥じらいながら泣きだすからね、楽しみにしとくっ! あはははっ!」

「期待しないで良いわよ」

「ね、さやっ、私からも――」

「要らない」

「……まだ何も言ってないのに」

「もう十分だって言ってんのよ! 大体何で皆私にチョコ渡すのよ!」

「私チョコ渡さないよ!」

「え、あ……そうだったんだ」

「うん、だから替わりにキスしてあげる!」

「要らない」

「ひどっ!」

「はいはい、涙で枕を濡らしてちょうだい」


「……さや、チョコ沢山貰ってるじゃん」

「全部本命ですって、ありがたい限りよ」

「羨ましいねー……ね、なぎさ様から、チョコは欲しい?」

「……そうね、本命なら、貰ってあげないことも無いわ」

「…………」

「……なぎさ?」

「……ううん、はい、友チョコ」

「………」

「……さや?」

「………ううん、何でもない」

「ホワイトデーのお返し要らないかな」

「……そ」



 友人の関係をいつまで続けるか。

 辛いだけだ。今日ではっきりした。

 一人のチョコを今すぐはお返しできないからホワイトデーにと冗談交じりで受け取れば、あっという間にクラス中の女子が面白がって『本命』チョコを渡してきた。なぎさは笑ってそれを見てたけど、私に本命チョコを渡してはくれなかった。ただ、その場だけでも良かったのに。言葉の上でも良かったのに。それなのに、友チョコと言って渡してきたなぎさだったから、ありがとうを言えなかった。

 友人のままでいられるだろうか。

 辛いだけだ。きっと、辛いだけ。



「さっ、……さやっ! ……はぁっ、……先に帰るっ、なんてっ……、はぁっ……思わなかったよ……ふぅっ、……」

「……走って追いかけてきたの?」

「ふぅっ、はぁっ……うん、全速力でっ!」

「…………何でよ」

「ふぅ、……ふー、……追い付かなきゃいけなかったの」

「何でよ! 貴方には本命チョコを渡す相手がいるんでしょ! こんなところでぐずぐずしてないで、さっさとその人に渡して来なさいよ!」

「うん、本命チョコを渡したい人がいるの」

「じゃあさっさと行きなさいってば!」

「うん、分かった」

「なっ………」

「………どうしたの?」

「…こんなところまで追い駆けてきてそれだけ?」

「こんなところまで追い駆けてきたから、これだけ」

「そう! じゃあ大事な大事なその人にチョコ渡す為に、走ってまた戻れば良いじゃない!」

「うん、大事な大事な人にチョコを渡そうと思うの」

「っ……! ワケ分かんない、なんなの!? なんでこんなことするのっ!? 勝手にチョコ渡して来たら良いでしょっ!!」

「うん、勝手にチョコ渡そうと思うんだ」

「だから行きなさいよっ……!! 言っとくけどね、後押しなんかしないからっ、もう友達なんかじゃないからっ!!」

「うん、もう、友達じゃなくなるよ」

「………………っ」

「友達じゃ、なくなる」

「………そ、う。 そうっ、そうなんだっ!! もう友達じゃないのね! ……それなら教えてあげる、たった今、あんたの元友達は失恋したんだよっ!!」

「ううん」

「なぎさのことがっ――、…え?」

「ううん、今の話、二つ間違い」

「………何、言ってるの」

「まず一つ目ね、さやは失恋なんかしてない」

「………………」

「それと二つ目。 ……ごめんねさや、私、さやのこと友達として見てたこと、一度も無い」

「………………そう、そう、……そうっ……………そう、なんだ………」

「うん、そうだよ」

「……あははっ、………許したげる。 私も同じよ、なぎさのこと、友達として見れたこと、……一度も無い」

「おあいこだね」

「ホントに。 ……待って、私も渡したい物が有るの」

「…………持ってきてたんだ!」

「うん。 ……私もね、なぎさに内緒で、好きな人がいたから」

「あはは、考えること同じだね」

「ホントに。 ……もう、どっちから言うんだか分かんなくなっちゃったじゃない」

「私から言いたい」

「……そう言われると私から言いたくなる」

「私ね、ずっとさやのこ――」

「ストップ! 私ずっとなぎさのこ――」

「止めるの無しだよ! ずっと――」

「ずっと! ――」

「「好きでしたっ!」」

「……ぷっ」

「……しまった、皆驚いてるじゃん」

「あははははっ……良いの良いの、見せつけよーよ」

「ふふっ……そうね、見せつけよっか」

「……ねぇ、さや」

「うん?」

「喜んでくれた?」

「……はいはい、嬉しかった嬉しかった。 そういうなぎさはどうなのよ」

「うん、嬉しい」

「……ねぇ、なぎさ」

「うん?」

「こっち向いて」

「? ……――っ!」

「…………見せつけただけよ」

「……………あはは、顔真っ赤」

「うっさい」



 友人の関係はいつまでも始まってない。

 二人共、お互いを恋愛対象として見ていたのだから。

 交換し合った本命チョコは、二人で半分こして食べた。

 もう友達じゃない。その言葉が、とても嬉しかった。

 いやぁ……短編集ではありますが、ホントに短く済ませました。え、会話文だけで構成するのは楽にするため? 違いますよ! 会話文だけで成り立たせるのも難しいんですから! ですから、もしも意図が伝わって無かったらごめんなさい。ちなみになぎさが友チョコと言って渡したのは、つまり本命はちゃんと別に取ってるからです。

 こんなカップルを目撃できた人達はきっと幸せになるんだと思います。遭遇してみたいですね、告白シーン。あぁ、唐突に始まらないかな……。

 ともかくも失礼しました。

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