ここから
お待たせしました。
どれくらい待っている方がいるかは分かりませんが。
そして、お婆さんを見るとアルメ。
「チィ婆! 聞いてたの!?」
アルメがお婆さんを見てから言う
「シャル、お主らの話全て聞かせて貰ったわい」
「アルメさん、チィ婆って、何やってる人?」
架衣はアルメにチィ婆と呼ばれる人物の事を聞く。
「チィ婆はこの里の長だよ。あ、分からない事があるなら聞いて見ると良いかも」
「なるほど、ありがとうアルメさん」
アルメはチィ婆の事を架衣に教えてくれた。
そして、架衣は分からない事があるためチィ婆見て聞こうと思った。
「すみません、何と呼べばよろしいですか?」
架衣は最低限のマナーを守って聞いた。
もしかしたら、何故架衣がここにいるのか、分かるかもしれないからだ。
機嫌を損ねられて、聞けない状況になったら架衣は困るから。
「ホッホ、チィ婆で良い、で? 青年、何が聞きたいのだ?」
「ありがとうございます。ではチィ婆、何故俺がこの世界にいるか分かりますか?」
架衣の質問にチィ婆は考えていた。
「……」
「……」
時間が止まったかのように静かな沈黙だった。
そして、何か分かったのか、
「多くありすぎて、良くわからんのじゃ」
「と、言うと?」
「歪でこっちに落ちた、召喚による呼び出し、事象現象での影響で飛ばされた……、など、色々あるのじゃよ」
「そうですか……。やっぱり、大きな街に行って情報収集か……」
「それが一番じゃろ」
「はい、チィ婆ありがとうございます。でも、行くとしてもまた襲われたら……、どうしたもんか……」
悩みの種はまだまだ架衣にはあった。
これらをまず、どうかしないと先へは進めない。
「先程も言ったようにシャルや、お主がこの青年を街まで送ってあげなさい それなら安全じゃろ?それに明日学校じゃないのか? 早めに出た方が良いと私は思うんだがねぇ」
架衣の言葉を聞いたチィ婆は、アルメを見ながら言う。
「――! はい! そうですね! じゃあ準備して来るから待っててね。安藤さん!」
そう言ってアルメは部屋を出て荷物の準備を始めた。
「さて、俺も今出来る事をやろうかな」
架衣はベッドから降りて柔軟運動を始める。
これから大きな街に行くんだ、少しでも体を温めて置こうと思う架衣。
そして、体を動かしながら架衣は思った。
チィ婆って何か――。
「獣人っぽく無いかの?」
チィ婆は架衣を見て言ってきた。
「えっ? あ、まぁ……」
てか、人の心で言おうとしてた事を先に読んで言ったよこの人……!
そう思うとホッホと笑いながらチィ婆が笑う。
「ホッホ、若いの~……しかし、お主は優しく、心が強いの~青年よ」
「? 何故、俺が優しく、心が強いんですか?」
分からなかった。何故、そんな事がわかるのか、架衣自身そんな事感じた事ない。
それなのに、チィ婆は架衣を見透かす様に言ってきた。
そして、そんな事を思っているとチィ婆がまたホッホと笑う。
「普通の人間ならわしら獣人を見て、化け物扱いをするのじゃが……」
真剣な表情を浮かべチィ婆は言った。
「…お主は自分と同じように話す、これは凄い事だ」
「そうですか? 見た目が違うだけで、皆生きてることには変わりないと思います。俺だって生きています、アルメさんも、チィ婆も、だから差別する必要は無いと思います」
架衣はチィ婆に本心から思った事を言った。そこにもう一つ加える。
「それに、もう最初の魔物のせいで気にしなくなりました」
俺は笑いながら言う。
「もしも、お主が化け物って言った瞬間お主の喉をカッ切っていたよ。そんな心配は要らぬよじゃったな。やはりお主は優しく、心が強い……。いつまでも、それを忘れないでおくれ」
最初は真剣な表情を浮かべていたが、最後は笑顔で言うチィ婆だった。
本当に何かを見透かされて言われた架衣であった。
「安藤さんお待たせ、さて、行きましょう」
ちょうど話が終わった頃にドアの前でアルメさんは架衣に言う。
架衣はいつでも行ける準備が出来ていた。
「うん、お願いします」
「任せて下さい!!」
アルメが元気よく言って架衣は部屋を出ようとした瞬間、
「おっと、青年よ」
チィ婆が架衣を引き止めた。
「これを持っていきなさい」
架衣はチィ婆から短剣を貰った。
なんの為に渡せれたのか分からず架衣は戸惑う。
「チィ婆、これは?」
「護身用じゃ、無いよりマシじゃろ?」
架衣は短剣をポケットにしまってチィ婆を見る。
「ありがとう、チィ婆。何から何まで」
「気にしなさんな、お主みたいのが久しぶりでな。嬉しかったんじゃよ」
「本当にありがとう。短い間だったけど、お世話になりました」
「うむ。またの、青年」
架衣とアルメはチィ婆に見送られ、アルメの家を出た。
そして里の出口に着いたところでアルメが架衣の前に立つ。
「じゃあ、安藤さん、私から離れないで下さいね」
「了解、ちゃんとついて行くよ」
架衣はアルメの後ろに付いていく。さすがに、架衣はもう追われたくは無かったから。
絶対に後ろに付いていこう……。と思う架衣だった。
そんな事を思っていると、アルメは弓矢を取り出す。
「それじゃあ、行きましよう」
「あいよ」
そう言って架衣たちは森に入った。
つづく
清書する時間と、欠超を進めなければならない。
ほか、時間があまりないので、遅い更新になり申し訳ないです。
さて、欠陥と超能力者もよろしくお願いします。