第四話
次から話しのテンションが上がる予定です。
(早めに用意しとくか)
勇は着替え始める。学校指定の半袖ポロシャツ、ズボンを履く。
(暑いな)
すぐに脱ぎたくなるが、そこは我慢する。
部屋を出ると日差しが差し込み明るい八畳程の居間が出迎える。
勇は窓を開けると体に陽を浴びた。
(今日も暑くなんなぁ)
洗濯機に洗剤を入れ電源を入れる。中には二人分の洗濯物が無造作に放り込まれている。
(飯でも作んべ)
勇と優子は二人暮らしだ。優子は高校を卒業後一人暮らしを始めたいと親に言った。しかし親は許可を出さなかったのだ。
だが勇となら大丈夫だと言われ二人で住んでいる。
優子は男勝りな所もあるが一応女子。親は心配していたのだった。
食事の用意を済ませ優子に朝を告げる。
「マジクソだなコイツ」
優子は目玉焼きの白身を箸で切りながら細い眉を吊り上げ毒を吐く。
居間にあるブラウン管テレビに向かい怒りを露わにしている。
ニュースでは連日ある事件を特集していた。
母親を死姦した後、傍らで泣き叫ぶ赤ん坊を殺害した事件。その残虐性と犯人が当時少年だった事もありよくニュースで取り上げられていたのだ。
「私が父親だったら殺してるわ」
「朝から物騒だわ優子姉ぇ、あと顔怖い」
勇は優子を一瞥してテレビに視線を戻す。
「怖いだと…?貴様」
勇に視線を向ける優子。その表情は怒気に満ちている。
「だからそれが怖いっつの!」