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story of 8

変な夢を見た。なんとも言えない苦い感じが口の中に残る。もどかしい何かが俺の体を起こす事をためらわさせる。しかしカビ臭いマットは下にはひかれておらず白くふかふかとした保健室のようなベッド。埃の落ちてくる天井は飄々とした無機質な白いコンクリートがずいと目に入る。蛍光灯がなかなかまぶしく太陽の光らしきものが見える窓はない。こりゃまるで実験場だなぁ…寝ぼけながら思って 、どうせ保健室にでも歩いて行っていたんだろうきっと。

ぶるっと体を身震いさせる。コンクリートのせいで余計寒々しく感じさせられる。

「伶。起きろ…もー朝なんじゃないか?」

「おきてるわよ…起きないほうがよかったようだけど」

一瞬なにが何なのか全く理解できずとりあえず俺は取り敢えず呆然とベッドに座ることにした。

いやぁよく見ると伶もやっぱしかわいい方だ。恋心とまではいかないがかわいいと思える。特にあの警戒したような凛とした表情…

警戒…警戒!?

「おっ!!おい!!なんだよこれ誰なんだあいつら!!」

そう。よく見たらってゆーか、自然と視界に入ってくる奴ら。白い白衣を纏い、ガラス越しに冷たい目でこちらを覗いてくる。

「なんだよ…これ」

「多分…多分だけどここは与志夏」

与志夏って言うと高校と同じ名前…よく理解できない。

相変わらずこちらを機械のように監視し続ける白衣を脇目に、怜は辺りを見渡しながらこう言った。

「ここは…与志夏体育専攻に入る前の身体検査をする実験室。私も一回だけ来たことがある…なんでまた検査を受けなくちゃなんないのよ…!」

「…」

正直、これでもあまりよくわかっていなかった。

ここは実験室でー、体育専攻の場所であってーあ?

俺は特に頭の機能が遅いとかそう言うものではないのだが、やはりパニックになると頭の思考も遅まるってゆーのは本当ならしい。これが、所謂、頭が真っ白になった状況と言えるのであろう。

「えっとー…要約して言ってくれない?」

苦笑い気味に問うと、怜はいかにもなため息をつき

「つまり、私たちは今監視されてるってこと。実際に何されるか分かんないし、これから起こる事は私達は知るよしもない。ただ、今わかってることは監視されてるってこと」

「なるほど。つまりは、お前も何も分からないって事だな」

「うるさいわね」

怜が取っ掛かろうとした瞬間!

―――あ、あーーあーー。聞こえまーすかー?

突然の間抜けな声。全くいったいどうなってるんだ。いい加減こんな夢も覚めてほしい。つまらない冗談だ。美少女はやたら強いし、アナウンスは間抜けだし、馬鹿にしてるのか?

―――え?ああ、聞こえてるよね?聞こえてない?いや、聞こえてるだろ。ははっ笑えねーよって。ごほん。んーー!うぅん!あーー、私のぉぉぉお墓のおぉぉまーえでーぇぇーーー。うぅん!えー、少年少女、突然の事態に驚いているだろう。はっはっはっ愉快だ愉快。

「あんた誰よ」

話す内容も間抜けな事ばかりだ。怜は呆れて、グングニルのように鋭く、冷たい突っ込みを入れた。だが実際、名前も名乗らず愉快なことばかり言われても困るばかりだ。

―――ちょっと!あんた!まだあたちがしゃべってるじゃないの!んもう!

いきなりのオカマ口調。気持ちが悪い。

―――ごほん。私は…私は、c-赤対抗武力代表取締役。取ちゃんって呼んでね!ハート


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