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白い奇跡

作者: 北こういち

 その朝は、何だかとても、とてつもなく嫌なことが起こるような、そんな気がしてた。

 いつものように目覚め、いつものように身仕度を整え、いつものように会社に向かう途中でそれは始まった。

 家を離れ数キロ。

 突然、視界が白く靄がかかったように感じた。そして足元の地面がゆらゆらと、やがて、立っていられないほどにぐにゃぐにゃし始めた。

 いつの間にか、周囲に人影はなくなっていた。

 暫くすると、空の青みも雲の白みも、くすんだ色の建物群も、景色がぐるぐると渦を巻きだした。

 渦の行き先は、空の、ある一点に向けて吸い込まれるように見えた。

 

 周りを見渡すと何も残ってなかった。


 真っ白な空間にポツンと自分が存在しているようだった。


 三次元に存在していたと思っていた自分は平面における単なる一点となり、ふかんした景色はもはやその一点すら認識できなくなっていた。


 やがて、総ては「白」に帰依していた。

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