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Poison Chocolat  作者: ミルク・ショコラ
エピソード1
2/8

ココアパウダー

なんと復活!

詳しくは活動報告にて♪

「さあ、今日も始めるか」

 ガナッシュが手帳を片手で閉じながら言った。これは始まりの合図。ミーティングが終わった後に、リーダーが言うことになっている。その声にこたえるように、4人は席を立った。


 普段、ポイズン・ショコラは仕事を二手に分けて行っている。

 ガナッシュとタルトは薬品づくりそのものを。ティラミスとミルフィーユはそれを覆い隠す菓子類の製作を。それを最後に調合して、やっとひとつ完成する。

 その日は、手前の薬品室でガナッシュたちが、奥にある製菓室(ティラミス曰く、『おかしルーム』)でミルフィーユたちが作業をしていた。


「まず、ウサギタケとリーフリンを0.3gずつ混ぜるぞ」

 薬品室では浅香夫人に依頼された、主人を暗殺するための毒薬を調合していた。手帳を確認しながら、ガナッシュはタルトに指示を出してゆく。

 タルトは黙って薬品棚に移動すると、正確にグラムを計ってビーカーの中へ入れてゆく。そのビーカーは先祖代々伝わってきたもので、もう相当な年季が入ってる。だが、特注で作られたその黒いビーカーには、白い文字で『Poison Chocolat』の文字が入れてあり、ガナッシュは密かに気に入っている。

「次は……」

 次の指示を出そうとしたガナッシュの耳に突如、どさーっ、という音が響いた。ガナッシュの動きがぴたりと止まる。

「……奥ね……」

 ガナッシュの心を読んだかのようにタルトが呟く。額に青筋を浮かべたガナッシュは、ずんずんと大股で製菓室へと歩いて行った。

「何してるんだお前たち!」

 レースのカバーやティラミスのアクセサリーで飾られた派手なドアを思いっきり引っ張る。(反動でフックに懸けてあった赤いペンダントが吹っ飛んで行った。)

「なっ……!」

 息をのむガナッシュ。そこには……。


 ココアパウダーを頭からかぶった二人がいた。


「お前ら……」

「ちっ、違うの!」

 怒鳴ろうとしたガナッシュに、ティラミスが必死に弁解する。

「し、新発売のココアパウダーの味見ないとねーって言って、普通にやったらつまんないから、かくれんぼして勝った方が先に食べようっていう話になったの! で、ミルちゃんが最初パウダーの棚の下に隠れて、そしたら棚がぐらぐらってなって……あれ?」

「ティラちゃん! 全然フォローになってないよ!」

 ん? ん? と頭の中を必死に整理するティラミス。小声で突っ込みを入れるミルフィーユ。二人を見ていたガナッシュのこぶしがわなわなと震える。

「言いわけはいらない!」

 ガナッシュの大声で、がっしゃーんと軽い棚が一つ倒れる。

「お前たちはいつもいつも寄ってたかって下らないことばっかりやりやがって! 一人だけでも十分下らないのに、二人集まるとどうしてこうも下らないパワーマックスにしちゃうんだ! 今日は朝まで説教だ! 正座しろ、正座!」

「「えー!?」」

 そのとき、静かにドアが開いた。

「盛り上がってるところ悪いけれど。ガナッシュ、ミス・アールグレイがいらしたわ。お説教は後にして、応対してちょうだい」

 タルトが顔をのぞかせて、ガナッシュにそう告げた。

「ああ。わかった」

立ち上がって部屋から出ていくガナッシュ。出て行き様に振り向いて、二人をにらむ。

「説教は終わってないからな!」

あまりの執念深さに、ミルフィーユとティラミスはがくがくと肯いた。


「……さて」

ガナッシュが出て行ったあと、タルトはぐちゃぐちゃになった製菓室を見回した。

「お掃除しましょうか。ミルフィーユ、薬品室から掃除機持ってきなさい。ティラミスは雑巾とバケツ。……うるさい店長さんが帰ってくる前に、片付けちゃいましょう」

少し微笑んでいったタルトに、二人は目を輝かせた。

「手伝ってくれるの!? あとでチェリーパイ作るね!」

「アップルティーも淹れてよ」

こうして、3人は仲良く掃除を始めた。





どうでしたでしょうか……?

私、ショコラはミルクに任せっきりです☆←

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