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害獣王子から姉様を救う方法~腹黒5歳児奮闘記

作者: 笑田

浮気ばかりの姉の婚約者。その尻拭いで疲弊する姉様を救うため腹黒く暗躍する弟(5歳児)

あぁ、5歳の時から13年ずっとずっと私の頭痛の種だった婚約者の殿下

言うことも、やることも幼少のころから周りを振り回すことばかり

成果はすべて自分。

失敗はすべて周りのせい

王妃様にも、苦言を呈してきましたが、伴侶になるものが支えて導きなさいのいってんばり

正直、弟がこの国にいなければとうに国ごと見限っていた。

年の離れた弟は、7年前に再婚した義母様の子供

残念ながら日々、王子妃教育で時間の無い私と義母様との関係も良好とはいえなく

家の中でも、外でも息が詰まる毎日だった

程なくし、義母様が弟を出産。

弟はなぜか私に懐いてくれた。私を見るたび満面の笑顔で声を出して笑い

私の後をひよこの様について回った。そんな13歳も離れた弟が可愛くないわけがない

弟が懐いてくれてから、接点が増え義母様との関係も改善

兄さまも弟に甘すぎると言われるが

あの笑顔の前では私達は無力なのです。


さてそんな私の心をいっぱい占めている弟。イデオシース 5歳

イディーの前に膝をつい項垂れる殿下

目の前の光景が信じられずにいた。


ーーーーー

※イディー視点


今僕は目の前で何を見た

あいつは・・・姉様の婚約者だ。

その婚約者が、令嬢の腰に手をまわし一流ホテルに一緒に入っていった。

密着しホテルに入っていく=浮気だ。


僕と一緒にいた、侍従と護衛騎士も唖然としていたが、動かぬ僕を見て気づかわし気に帰宅を促してきた。

今日は姉様のプレゼントを買うために侍従と護衛を連れ街にでかけ…先ほどの浮気現場に遭遇してしまった。


僕の姉様は美人だ。

しかも王国一の才女と言えば

ライトライ侯爵家のリントス嬢と言われる有名な僕の姉様。

頭も良く、美人だからと言って鼻にかけることなんてしない

父様のお仕事のお手伝いを学園に通う傍らこなし

王子妃教育のための勉強も怠らない努力の人だ

そんな姉様の婚約者•••

この国の第一王子 クソバカ•ルクデューク•ハインデル

世間では、品行法制、文武両道、社交にもたけ完璧王子ともてはやされているが、そのうらでは

姉様や、側近達が必死になって、フォローして、補佐して、隠蔽してる。

ぶっちゃけ、回りに迷惑かけまくりの害獣王子だ


そんな糞王子。

婚約者の姉様がいるにも関わらず浮気と言う大罪をおかした。あり得るのか、あんなに献身的に支えてもらっておいて浮気。

害獣の癖に

あり得ない

害獣なんて死ねば良い

物理が無理なら

社会的に......

うん。

害獣は害にしかならない物だ

王子とかって言う、国家権力に守られてる害獣。

その権力剥ぎ取って社会的に殺そう

そうしよう


糞王子の事はすぐに色々集まった。

僕は頭を抱えた。

あの害獣の浮気は学園に入ってからずっとだったそうだ。

学園に入る前にも色々•••主に女絡みの揉め事を起こしていた。学園に入ってからはそのトラブルは学園内だけに収まった。 つまり 身近な人間にてを出していたっていうこと。

そう、浮気という婚約者の尊厳を踏みにじる行為を糞王子がしたという事実を、姉様がしっていると言うことだ。


姉様の心中が慮られて心が痛い

マジ害獣だ糞王子。

せめてもの救いは姉様が政略的な意味でしか王子を見ていないことだ。

いやまあ、惚れる要素が皆無だから仕方ないのだろう。


さて。手始めに考えるのは

糞王子有責での婚約破棄

姉様を納得していただくため説得しなくては。


まず

用意するものは


糞王子好みの貴族令嬢!!!

もちろん、姉様と対照的な可愛い系。

ふふふ丁度野心がありアリのありの男爵令嬢を用意することが出来ました。

もちろん成功報酬はガッチリ用意済。

今後が楽しみだ(笑)



余談だが



我家の庭師はとても良い仕事をする人で、今年新種のバラの交配に成功


そのバラのお披露目と言う名の我が家のお茶会の会場では

糞王子の怒鳴り声が響いていた。


いつもは、虫でも見るかのように、つまらなそうに 一瞥するだけの婚約者の弟の僕に、今は 悪鬼の如く 眉を上げ顔を真っ赤にして罵声を浴びせている。


その横にはピンクのふんわり可愛いドレスを見に纏った

ひまわり色の髪をハーフアップにしてピンク色のリボンを装着している野心家男爵令嬢。

うん見た目すんごく庇護欲をそそる

僕の人選に間違いはない。よし


まあ何で王子が怒っているかって言うと

野心家令嬢のピンクドレスに今みどりのシミが広がっているからで

そのシミの犯人が僕。

ちなみにドレスは僕が用意した小道具のひとつである。


さて5歳というのは子供だ

成長してきて、少し背伸びしてお兄さんになったんだよってアピールしても、失敗してもまだ許される時期だ。


そう。僕はライトライ侯爵家の次男イデオシース 5歳だ。

何かあっても父様や、お母様

姉様に泣いてすがっても許される。

ふふふビバ!5歳

子供という武器を最大限に利用したいと思う。



僕はプルプルと震えながら、今にも泣きそうな表情で言った

「アイリス孃、本当にごめんなさい。可愛いドレス台無しにしてしまって•••あの••••」

僕の表情を見て、周りのご婦人たちはあらあらと微笑でいる

「エスコートしようとしていたのね」「まだ、お小さいから失敗はしょうがないわ」と擁護する声が上がるが


「まだ、バラのひろめも終ってないのに お前は客人であるアイリス孃を帰らす気か!!」

バカ王子が大声を上げて僕を怒鳴る。

子供の失敗に大声を上げる狭量な王子の出来上がりだ。


野心家令嬢改めてアイリス孃よりも

殿下がご立腹の意味が分からない

会場の皆様も不信感を抱いたのかヒソヒソとお話ししているもよう


今日のお茶会はお母様の友人である王妃様と姉上の婚約者の第一王子が王家から出席している。

もちろん上位貴族の方々も参加しバラの愛好家などの下級貴族のかたも、新聞社のかたも商会のかたもとイロイロ。そうイロイロ紹介などがあり招待している。

ちなみにアイリス孃を招待したのはお母様。


お母様に買い物に出た時転けた僕にハンカチを差し出してくれた令嬢がいて、その方のバラの刺繍がとても素晴らしかったんです。と報告しておいた。(買い物に出て一芝居打ったので本当の事である)

お礼にと今回の招待になったわけだ。

そうして僕と彼女は再会した。

今日のアイリス嬢のエスコートは僕が受けたお仕事だったんだけど、殿下はそれがスゴーーーク不快だったようだ。


ちなみにアイリス孃は殿下と少し前に夜会で出会っている。(仕込みである)


そんな会場のど真ん中で声をあらげる殿下

「ハインデル殿下、イデオシース様は私の事を気遣って下さって、ジュースを持ってきてくださったのです。 キチンとお受け取りできなくて申し訳ありません イデオシース様」


アイリス嬢は王子をなだめながら、王子の腕を軽くさわり制止させた後に、僕を擁護し優しくて健気な感じを王子にアピールしている。最後の俺に向ける慈愛に満ちた表情上手いな。


バカ王子は被害かぶった本人が謝罪する姿勢になってしまったので、それ以上言葉を飲み込んだ

まあ、僕めっちゃ睨まれていますが

会場の皆様も5歳時に威圧的ににらむ王子さまの図にドン引いてるよ殿下

そんな僕らを囲んでいた人垣が割れて姉様が急いでやってきた

バカ王子が大声を上げていたので状況を理解できているみたいで

姉様は、アイリス嬢にしんしんと頭を下げ

「ガジェット男爵令嬢の愛らしさに目を奪われたみたいで、愚弟がこの度大変ご迷惑をおかけして申し訳ありません。お着替えを用意出来ましたので、控室にお願いいたします。」


「お気遣いありがとうございますライトライ様。」


アイリス嬢は姉様に礼をして、困り顔でお礼を言った。

そして、お姉さまの後ろから出てきたメイドがアイリス嬢を控え室に案内して行った。


会場には苦々しい顔の殿下と対峙する、姉様と今にも泣きそうな顔の僕。そしてそれを固唾を飲んで見守る招待客一同

凍るような空気の中 最初に声を出したのは


「 今回は アイリスが優しかったから 受け入れてくれたが、令嬢のドレスを汚す とは 男として終っているな。侯爵家の教育はどうなっているんだ。」


殿下は、大声で僕のことだけではなく、我が家自体を罵り始めたが、姉様は微笑を浮かべ静かに肯定して見せた。


「 そうですわね、 今回のこの件を教訓に 弟には令嬢のエスコートの仕方 を 我が家できちんと教育 いたしますわ。出来るわねイディー。」


「はい。 今回は アイリス嬢に大変な迷惑をかけてしまい•••ご来場の皆様も、お騒がせしてしまってホントに申し訳ございませんでした。 次 皆様の前に立つ時はきちんと エスコートを 学んで 失礼な振る舞いにならぬように精進 いたします。」

僕は回りを見回してから深々と頭を下げた


間があって回りからは拍手がおこった

そして口々に「ご成長楽しみにしております」

「5歳と思えないお言葉だ、これからが楽しみですな。」

等とお言葉を頂いた。

僕は笑顔で元気に皆様に返事をした。

そんな僕を苦々しく 睨みつける 殿下

そんな殿下を見て回りからは疑問の声が出てきた


「 殿下はなぜアイリス嬢のことを 婚約者でもないのに アイリスと呼んでいらっしゃるんですかね? 」

招待客の中で高位の公爵夫人が扇子で顔を半分以上隠して呟いた。

「そうですよね、婚約者のリントス嬢がいるのに失礼すぎますわ」

公爵夫人の友人で一緒に来られた伯爵夫人も扇子で目の下全部隠して呟いた。

そこからは、もう止まらない

「やはりそうですよね、リントス嬢の婚約者は殿下ですよね」


「私夜会でアリス嬢と殿下が親しげにお話ししていたの見かけましたわ」


「私も見かけましたは、お二人でダンスしていましたわ」


「ねぇ、王家の夜会でもリントス嬢とのダンスお見かけしたことありませんわよね」


「おかしいですわねぇ」、「浮気ですかねぇ」、「あの一流ホテルの常連ですからねぇ殿下は」、「あぁ街中で女性と一緒の所をよくお見かけしますわ」等々出るわ出るわ


ざわつく会場の一角に美しい立ち姿の女性が二人

顔面蒼白の王妃様とニコニコと笑顔ですが凄く圧のあるお母様

「ねぇ、友人として、リントスの母としてアーシャリーに言うわ。」


ニコニコ顔の母様 息を呑む王妃様


「今の話が本当のことだったら娘の婚約は破棄させていただくわよ。構わないわよねぇ、アーシャリー」

蒼白の王妃様が口を開こうとしたところで


「実家の公爵家の影に調べさせるから、安心して。嘘偽りのない調査報告書になるわ」


ニコニコ母様のダメ押しボディーブローおぉぉ母様怒ってる

そうだよね、王子妃教育で疲弊している姉様を見ながらもなにもできないと歯痒く思っていたものね母様

そんな忙しい中で姉様ったらバラ好きの母様の誕生日に綺麗な薔薇の刺繍をしたストールをプレゼントされて「大切なお体ですからご自愛ください」なんて照れながら渡されて胸撃ち抜かれてしまって、仲良くなりたくって

僕をダシに姉様とお友達みたいな、親子関係気付いたんだよね。

そんな母様は知らない………

実は…教育とは名ばかりの王子の尻拭いに疲弊していたんだよ姉様は

あとでこっそり僕の報告書、母様のお部屋に置いておこう。ふふふ


クソバカ王子は母様の今の言葉でようやく自分の立場がやばいことに気づいたのか、辺りを見回しだした、王妃様と目があったのか縋るような眼差しを向けている

え?ここに来て母親に頼ろうとか思ってんの。

もしかして、マザコンとか?

ほんと勘弁して害獣王子


ニコニコ顔してそんな王子に聞いてやりましたよ

「あー大通りのあの大きなホテルに女性と入って行くの僕も、従者も、護衛騎士も見ましたよ

姉様には全然笑顔見せない殿下が、一緒にいる女の人にニコニコ笑顔だったから覚えてます。あの方伯爵家の……何嬢でしたっけ?綺麗なピンクブロンドの髪の方です」ニコニコニコニコ

会場はどよめいた。

伯爵家、ピンクブロンドと

殿下は目を見開いて僕を見たあと

錆びた機械人形のようにギギギと王妃様を見て

王妃様は無言で首を振りました。

それを見た王子は崩れ落ちてしまいました……

まあコレで自分の後見を一つ…いや、母様の実家も含めて2家は確実に無くしたな。

僕の前で項垂れる殿下は王太子にはもうなれないなろうなぁ


あーーーーでも18歳になっても王太子指名されてないと言うことは、そう言うことなのかもしれない

ギリギリの理性は王家にもあったんだな。よかった。


いろいろあったけど、我が家のバラのお披露目は無事?に終り

後日、人でも殺せるのでは?と言うほど分厚い報告書が王家に届き

王様は頭を抱え王妃様倒れて寝込んだそうだ。

お話しあいの結果害獣王子は病気と言うなの幽閉になり婚約円満解消になりました。

王子有責の婚約破棄とそこは納得いかないまでも、

解消できたので良しとする。


今回の件で協力してくれた方々に

アイリス嬢には報酬と言うなの我が家の兄上との橋渡しをして

話の膨らます切っ掛けになった公爵夫人(おば様)には新品種のバラの株分けを

そのご友人の伯爵夫人には、ピンクブロンドの問題児の娘を修道院入りの手伝いをと。

新品種のバラの花を咲かせた庭師には準男爵位を、これで貴族しか入れなかった植物園に行けることになり歓喜していた。


そしてずっと悩みの種だった殿下との婚約が解消された姉上は、毎日僕と母上と一緒にお茶をしたり、観劇に出掛けたり、買い物に、ボランティアに、と今まで王子妃教育(害獣王子の尻拭いきかん)でできなかった楽しいを満喫しながら、送られてくる釣書を処理していた。

しばらくは男はこりごりなんだそうだ(笑)

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― 新着の感想 ―
あまりにも多いのでコピペ なんでジャンル分けがロー(現代風)ファンタジーに? 最近はやりらしいジャンル分け詐欺? それとも実はアメリカのノースダコタ(日本の埼玉や千葉くらいの立ち位置らしい)が舞台?
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