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転生勇者が世界を救った300年後、荒廃した世界で傭兵少女は強化人間少女と出会う  作者: B・T
第一章 子供嫌いの巨人

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謎の敵

 足音を殺し、最小限の動きで路地裏を走る。

 アーシャ追跡者の気配で位置を特定し、最適な位置とりを行う。


「(全部で七人か、包囲されたな)」


 追跡者たちの気配は、この路地を包囲するように展開している。

 ケフュレス達のように気配を誤魔化せる者が居ないかぎり、全員アーシャ一人で十分片づけられる。


「(バカな連中だ、ここが私達のキルボックスって事も知らずに)」


 把握している地形と敵の気配を元に、最寄りの敵へと接近。

 速度を落とし、曲がり角の近辺で座り込む。


「(……二人、か)」


 透し能力とまではいかないが、明らかに銃を構えている姿勢の人間を二人認識。

 耳に入って来る音からして、相手はメイジギアを装着していない。

 どんな装備を身に着けていてもいいように覚悟しながら、数秒同じ姿勢で待機。

 安全装置を解除し、引き金へと指をかける。


「(……そこ!)」


 チラリと足が見えた瞬間、アーシャは引き金を引いた。


「グア!」


 黒いインナースーツとヘルメットを被った人物が被弾で転び、立て続けにアーシャは引き金を引く。

 頭部へ銃弾を2発撃ち込み、立ち上がりながら身を乗り出す。


「ガ!グア!」


 心臓部分に2発、頭に1発。

 もう一人へと至近距離から撃ち込み、倒れ込んだ。


「……」


 二人仕留めた。

 そう思った瞬間、アーシャは息を飲みながら一歩下がる。

 先ほど倒した筈の二人が、フラフラと立ち上がったのだ。


「……あ?」


 撃ち込んだ銃弾はパラパラと落ちる姿に、アーシャは一瞬硬直。


「チ!(どうなっている!?)」


 すぐに我に返ったアーシャは、戦闘を再開。

 片方へフルオート射撃を叩きこみつつ、もう片方へは打撃を入れた。


「な、何だコイツ!?」


 鉄でも殴ったような衝撃を感じながらも、アーシャは更に強い打撃で相手を殴る。


「ゴハッ!!」


 今度は確かな手応えを感じ、怯む敵の後ろへ回り込んだアーシャは首の骨をへし折る。

 連続射撃で倒れたままのもう一人へは、愛用の手斧を心臓へと叩きこむ事で止めを刺した。


「……はぁ、はぁ」


 肩で息をしながら相手の魔力の消失を感じ取り、アーシャは斧を引き抜く。

 そして、すぐに身を隠しながら空になった弾倉を交換。

 その際に、込められている弾丸を目にする。


「……この弾なら、問題無い筈」


 中身は魔力による強化を施した、いつもの強化弾。

 至近距離からであれば、インナースーツとヘルメットを貫通できる。


「いや、けど、あの硬さなら……そう言えば、前にも」


 拳に伝わって来た感触は、いつもと違う物だった。

 だがフィリアと初めて会った時に、似たような相手と戦った事を思い出す。


「……いや、どんな相手でも、やる事は変わらない!」


 呼吸を整えたアーシャは別方向からの三人分の銃撃から退避し、反撃で数発撃ち返した。

 銃弾は当たるも、少し怯む程度で効果は無かった。


「チ、守ったら負ける、ふざけやがって!!」


 次の標的二人へ走るアーシャは、陰から身を乗り出した兵士へと銃撃を放つ。


「銃は効かなくても!」


 サブマシンガンの攻撃は相手を怯ませる程度で、装填されている30発の弾丸はすぐに無くなる。

 代わりに斧を手に取り、片方へと投げつける。

 銃弾以上の威力で相手ヘルメットと顔を破壊し、もう片方には接近戦を挑む。


「コイツでやれる!」


 怯みから立ち直られる前に地面へ投げつけ、ヘルメットを何度も踏みつける。


「はぁ……けど、この装備でメイジギア並みの硬さとか、ふざけんな」


 そんな愚痴をこぼしながら、アーシャは転がっている死体を被る。

 それと同時に、先ほどの三人の銃撃が繰り出されてくる。


「こうすれば、便利だな」


 相手の防御を逆手に取って死体を遮蔽物として扱い、アーシャはリロードを開始。

 反撃に転じようとした時、アーシャの左腕に痛みが走る。


「痛って!?」


 痛みの走った個所を見ると、銃弾が撃ち込まれていた。

 幸い打撲で済んでいるものの、そこは死体で守れていた筈だった。


「クソ!使用者が死ぬと、防御も死ぬのかよ!」


 死体の穴に気付いたアーシャは、早急に攻めへと転じた。

 この路地へ攻め込んで来たのは、次で全員だ。


「お前らで最後だ!」

「居たぞ!」

「撃て!」

「来やがれ!この野郎!!」


 一本道で敵と遭遇したアーシャはすかさずサブマシンガンの引き金を引き、数発ずつ相手へと撃ち込んで行く。

 当然撃ち返されているが、散弾の類はない事はありがたい。


「あ、当たらない!」

「クソ、どうなってるんだ!?」

「銃弾位避けられるようになってから挑んで来い!!」


 明らかな無茶ぶりを言いつつ、弾の無くなったサブマシンガンを真ん中の敵に投げつけた。

 左手に拳銃、右手に斧を持ち換え、左右の二人へ拳銃を放ちながら接近。

 真ん中の怯んでいる敵に対し、アーシャは手斧で頭をかち割る。


「この!」

「甘いな」


 右の男は銃を用いて刺突してくるも、その銃を掴んだアーシャは投げ飛ばしながら強奪。

 投げ飛ばした相手が立ち上がる前に、強奪した銃が壊れる勢いでもう一人を殴り飛ばす。


「くらえ!」

「ッ」


 先ほど投げ飛ばした右の敵は、ナイフを引き抜きながら襲いかかってくる。

 身体は自然と訓練で染みこんだ通りの動きを取り、ナイフを敵の手から弾き飛ばす。


「フン!」

「ゴフッ!」


 間髪入れずに全力で殴りつけた敵のヘルメットを変形させ、隙間から拳銃を撃ち込んで制圧。

 そして、銃で殴った事でダウンする最後の一人へ狙いをつける。


「お前で、最後だ」

「ガ!」


 仰向けの敵のヘルメットを剥ぎ取り、相手のナイフを奪取。

 すぐに喉へ刺してやろうとするも、当然相手は抵抗してくる。


「ギ、グゥ!ア!」

「コイツ!」


 アーシャの腕を掴む最後の敵兵は、ナイフを離す力を強めだす。

 すると敵の筋肉の強さに比例するようにスーツも肥大化し、アーシャを引き離して来る。


「ッ、どういう手品か知らないが、いい加減、くたばれ!」


 先の被弾で痛む左腕には力を入れたくなかったが、ナイフを力いっぱい叩く。

 その衝撃でナイフを少しずつ近づけさせ、ようやく喉元にナイフを立てる事に成功する。


「……あー、もう」


 腹いせに周りの死体から財布を取り、別の敵に刺さったままの斧も回収する。


「後は、治安維持部隊の連中に任せて、アイツ等と合流するか」


 先ほど投げた自前の銃も回収し、ホホを伝う汗を手で拭いながら路地の外を目指す。


「ッ!」


 疲れを見せるアーシャの耳に、エンジン音が入り込む。

 それは、装甲車のエンジン音だった。

 違和感を覚え、不意に音の方を振り向く。


「……あ?」


 アーシャが路地から出て来る事を予期していたようなタイミングで、装甲車は死角から全速力でアーシャへ襲来。

 次の瞬間、鈍い衝突音が鳴り響いた。


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