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転生勇者が世界を救った300年後、荒廃した世界で傭兵少女は強化人間少女と出会う  作者: B・T
第一章 子供嫌いの巨人

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ライトニングチーム 中編

 レッド率いるライトニングチームは、アーシャ達とは違う進路で進軍していた。

 しかし三人の足並みが揃う事は無く、足の速いレッドは独断で先行した。

 置いて行かれたオセロットとラケルタは、追いつけるように砂上を猛進していた。


「チ、相変わらず無茶しやがるぜ……ラケルタ!もう一隻の方は任せたぞ!」

『押忍!そっちも死ぬな!』

「分かっている!」


 無線でラケルタとのやり取りを終え、オセロットは自分の目標へと狙いを定める。

 敵艦を含めた地上部隊からの弾幕を掻い潜り、舞い上がる砂塵をかき分けながら進軍する。


「サーバルとフィリアの為だ、手っ取り早く終わらせてもらう!」


 思い起こす人物達の守護を行う為にも、オセロットはホバー移動の速度を上げた。

 白を基準としたスタイリッシュな外観の機体シュネーヴァイツは、レッドの物と異なり堅実で平均的をモットーとした機体だ。


「道開けな!!」


 展開する地上部隊への牽制を行うべく、オセロットの機体は両肩のミサイルを斉射。

 ミサイル群は弾幕に一部防がれるも、残りは着弾して敵部隊の守りに穴を開ける。

 相手が持ち直す前にオセロットは敵艦の護衛部隊へ突っ込む。


『ここから先は通さんぞ!』

「押し通ってやるよ!!」


 その途中で、腕利きと思われるアーマードナイトが立ちはだかった。

 オセロットは地面を蹴り飛ばして大ジャンプを行い、両手に装備しているマシンガンへ魔力を集中。

 二門の砲身の先に、巨大な水の塊を出現させる。


「魔水銃・霧雨!!」

『ゴアッ!?』


 魔法の名前を叫ぶと共に、水の塊を発射。

 立ちはだかったアーマードナイトを押し潰し、形成の崩れた水は濁流のように周囲の部隊を蹴散らす。

 そこから間髪入れる事なく、オセロットはもう一発同じ魔法を放つ。


「次だ!!」


 先ほどより巨大な水の塊を放出し、敵艦の横腹へ命中させる。

 しかし、敵艦の装甲は少しへこむ程度で損傷までは至らない。


「チ、やっぱ水魔法じゃ、アイツの防御魔法と相性が悪いか」


 早く終わらせたいがために遠距離魔法を使ったが、やはり相性の差は埋められなかった。

 正攻法に切り替えるオセロットは敵陣のど真ん中を突き進み、次の一手を打つ。


「魔水銃・夕立!」


 次の魔法によって、両方の砲身の周辺に水の塊が出現。

 機体の姿勢を低くしつつ、回転しながら引き金を引く。

 陣形の崩れた敵部隊へ、強化弾と水の弾丸の両者をばらまいた。


「どけ!どけ!こっちは時間が無いんだ!!」


 愛妹のサーバルとフィリアを脳裏に浮かべるオセロットは、更に速度を上げる。

 大量の水の弾丸で周囲を制圧し、オセロットは敵艦の足元に到着する。


「(これだけ近づければ)」


 二丁のマシンガンを腰に格納したオセロットは、太刀に装備を切り替える。

 突きの体勢をとり、意識を集中させる。

 オセロットが狙うのは、船内に収納されている敵艦の艦橋。

 アーシャ達と同様の能力で、クルー達の気配からその場所を割り出す。

 そこへ攻撃をいれるべく、太刀全体を水の刃で覆う。


「そこ!」


 気配を感じ取ったオセロットは、機体の脚部を限界まで強化。

 地面に小さなクレーターができる程の踏み込みによって、一気に距離を詰める。


「惨刺水明!」


 技名と共に放たれた突きによって、オセロットと機体は敵艦の横腹を貫く。

 外部装甲を突き抜け、艦の内部へ侵入、途中で艦橋を貫き、そのまま外へと飛び出していった。


「手間かけさせやがって」


 地面に足を付けたオセロットは、太刀を軽く払うと保持する為のアームに格納。

 武器を持ち換え、残存兵力を視認するべく、撃破した敵艦の上に立つ。


「……ラケルタの奴、まだやってんのか」


 オセロットの目が捉えたのは、大量の重火器で敵を制圧するラケルタの姿だった。


 ――――――


 オセロットと別れたラケルタは、最後の艦へと攻撃を続けていた。

 二人よりも強固な装甲を活かして距離を詰め、地上に展開する部隊と敵艦へ攻撃を続ける。


「悪いが、勝たせてもらう!」


 狙いを定めると、ラケルタの駆るランドドラゴンの全身に搭載された武装は全て展開。

 普通の倍以上の火器による一斉砲火はコックピット内に強い振動をもたらし、大量の空薬きょうを砂の上に転がせている。

 それら火器に加えて、ラケルタの周囲に形成されている岩石も敵艦へ攻撃を加えている。


『ラケルタ、援護は要るか?』

「オセロットか、必要は無い、もうじき片が付く」

『お前の魔法は防御魔法と相性がいいからな』


 繰り出される岩石達は敵艦の装甲に次々と命中し、大きな窪みを作ると元のパーティクル粒子として霧散する。

 ダメージを受けた箇所へ追加の岩石を叩きこみ、今度は内部にまで攻撃を加える。

 敵艦の内部へ格納された艦橋を見つけると、ラケルタは別の魔法を用意する


「これで最後だ」


 自分の周囲を漂わせていた岩石達を収束させ、一つの巨大な岩石を形成する。

 これだけでは終わらず、魔力を大量に供給させる事によって、岩石を形作るパーティクル粒子は増殖を開始。

 岩石は更に大きく、重く、そして強度を増していく。


「ロック・キャノン!!」


 アーマードナイトより遥かに大きくなった岩石は、目にも止まらぬ速さで艦内へ直撃。

 耳を殴りつけるような轟音を響かせる衝撃で敵艦は全体的に曲がり、少し押し出されてしまう。

 岩石による一撃で、ラケルタの担当したナイフヘッド級は沈黙する。


「はぁ、はぁ……」


 二人に比べて保有する魔力の絶対量の少ないラケルタは、全身に重量感を覚えながら肩で息をしてしまう。

 特に最後の一撃は消費が大きく、オセロットのような攻撃を羨ましく思える。


「ふぅ、やはり、お前のように、スマートにはいかないな」

『言う程スマートじゃねぇよ』

「謙遜するな、それより、妹さん達の救援に行ったらどうだ?ここは、俺とレッドだけで十分だ」

『……良いのかよ』

「ああ、心配なんだろ?」

『……悪いな』


 オセロットを妹達の援護へ向かわせたラケルタは、敵の残党へと目を向ける。

 それ程戦意の有る物は居ないが、一人分抜けた穴を塞ぐべく、ラケルタは睨みを利かせる


「さぁて……ッ!?」


 攻撃を仕掛けようとしたタイミングで、聞き慣れない爆音が響き渡る。


「なんだ!?」

『新手か!?』


 聞こえて来た爆音からして、レッドの攻撃ではない。

 その事に気付いたオセロットも、通信を繋げて来る。

 反射的に視線を向けたラケルタの視界に、巨大な影が映り込む。


「あ、あれは」


 ――――――


 少し前。

 先行していたレッドは、先に地上部隊を壊滅させていた。

 向かってくる者が居なくなるなり、レッドは甲板へと上がる。


「っと、もうちょっと歯ごたえのある奴が居るとおもったんだが」


 少ししょんぼりとしていると、レッドの頭に電流が走る。


「よッ!」


 明確な殺気を感じ取ったレッドは、即座に飛び上がった。

 その瞬間、先ほどまで立っていた甲板が爆散。

 回避に成功したレッドは、口角を上げながら機体を上へ向かせる。


「へへ、どうやら、当たりを引いたようだな」


 レッドが視界に捉えたのは、アーマードナイトの倍以上の体格を持つ人型兵器。

 タイタンバスターが、握る刃を妖しく輝かせながら彼の目の前に佇んでいた。


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