表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TRIPLE-私の知らないあいつは私の知ってるあいつ-  作者: EPO


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

94/248

第044話-3 競技大会中盤後半戦 14回戦目2

タケルSide

 今まで受けに回っていたテュポーンが積極的に攻めてきた。

 ヒートソードで斬りつけて来ながら、こちらの逃げ道を塞ぐようにアサルトライフルを撃ってくる。俺の攻撃より精度が高い。

 逃げるよりシールドバインダーで銃弾を受け、受け止めたヒートソードごとをテュポーンを押し返す。


 パワーではテュポーンを少し上回っているからか押し返せる。

 しかし、そのまま押し切ろうと更に押した瞬間、後ろに下がり右に避けた。


 クサナギが押した力のまま前に姿勢を崩してしまう。

 ……これでは倒れかねない……

 一気にバーニアを吹かて前進し、安定したところで急旋回しまたテュポーンと対峙した。


 はぁはぁはぁ、相手の力をそのまま利用するか……やっぱり俺より上手い。


 今度はテュポーンの方から距離を詰めてきた。その速度を利用して全力でヒートソードを叩き付けてくる。

 更にそこからヒートソードの連打だ。

 こちらは防戦一方で、下手に押し返せばまたさっきの二の舞になりかねず、なかなか手が出せない。向こうの剣戟に合わせてこちらもヒートソードを当て打ち返す。

 しかし、テュポーンが剣戟の速度を上げてくると、こちらがヒートソードを振り回すことが出来ず、常に受けに、ヒートソードとシールドバインダーで受けに回らざるを得なくなった……


  ガン  ガン ガン ガンガン ガンガン ガガン ガガン


 シールドバインダーや腕部に多くの傷がつく。いつまでも受けに回っていては勝機もない。

 一旦離れよう。



テュポーンSide

 あらあら、引きましたか。こちらのスピードについてこれないとは……

 まだ、ファントムを活かしきれていませんね。

 次はどうするのかしら?



タケルSide

 今の状態だとジャイロディーンと同じように手も足も出ない。

 最後のとっておきの大型ビームサーベルを使うしかないか。これが効かなければもう手はない。それこそオーバークロックを使うしかない。

 意図的に使えるかは試したことがない以上、テュポーンの方に言った通り起動するか運に任せて試すしかない。

 ただ、勝手に動かれるのは嫌だ!


 ヒートソードを片付け、大型ビームサーベルを取り出す。


『あら、ビームサーベルを使うのかしら?もうそれが最後の手ですよね?オーバークロックを使ってもよいのですよ?』

『オーバークロックは起動するかどうか分からない。そんなのを今あてには出来ない』

『起動の仕方をお教えいたしますよ?といっても「オーバークロックフルブースト」と唱えるだけですけど』

『切羽詰まったら唱えさせてもらう』

『私としてはそうなっていただきたいのですが』


 くそっ、こっちが負けているから余裕があるのだろう。確かにこちらは全然余裕なんかないけどな。

 ビームサーベルがどの程度効果があるか試してみるしかない。


 距離を取ったままの状態から、一気に距離を詰めテュポーンに接近する。まだビームサーベルは励起させない。

 アサルトライフルの連射で牽制しつつ、背後に回る。テュポーンもこちらに機体を向ける。まだまだビームサーベルは励起させない。

 更に加速して側面に狙いを定め、通常のヒートソードでの間合いでビームサーベルを励起させ横薙ぎに振るう。


  ブゥオン ザシュッ


 通常のヒートソードの倍はあるビームの刃がテュポーンに襲いかかるが、テュポーンは予期していたかのように大型ビームサーベルの間合いで避けていた。

 ただ、少し足りず左肩のシールドバインダーが上下に分断された……


『何で?避けられる?大型ビームサーベルだと知ってたのか?』

『それはそうでしょう?ファントムの事を調べれば「大型ビームサーベル」を装備していたことは公開されているのだから』

『このクサナギが装備しているかどうかなんて分からないだろう?』

『いえ、あなたなら装備していると信じてましたよ?それでも間合いを計り損ねて、シールドバインダーが破壊されてしまいましたけど』

『なっ!?』


 何でそんなに俺の事を知っているんだ?



テュポーンSide

 フフフ、不思議に思っているみたいね。

 ヤマトの事はいろいろ深く知ってますよ?ヤマトは私の事を深く知らないみたいですが。

 そろそろ終わりにしたほうがいいでしょうかね?

 まだまだヤマトには強くなってもらわないといけませんので。


 テュポーンを全速で飛行させ、クサナギの背後を取った……

 クサナギは全然後ろに居る事が分かっていないようね。ピクリッとも動かない。

 スッとヒートソードを背後からコクピットに突き刺した。

 ごめんなさいね、ヤマト……


 <<<Battle End>>>



タケルSide

 動揺していた一瞬で勝負がついた。負けた……

 ジャイロディーンの時と同じで全然手が出なかった。ほぼファントムなのに。


 実際テュポーンは、俺が欲しかったファントムを今のパーツで作ったようなアーマードギアだった。ビーム兵器は使えるし、空も飛べる。シールドバインダーもある。

 無いのはパイルバンカーくらいか。あるのかもしれないが。

 あの加速も読んだファントムの話にあったイメージ通りだ。

 どれだけ金を注ぎ込んだのか知らないが、形を除けば俺の理想の機体……


 ファントム vs 現代のファントムといったところか。

 結局の所、プレーヤーのテクの差が一番の敗因だな。俺がエレボスに全然追いついていない。

 どうすればいい?




 ラウンジにポツンと独りでいる。負けた反動でぼーっとしていた。

 ぼーっとしてると目の前の誰かが来た。ヴァルトラウテか静御前辺りか?

 目の前の誰かに意識を向けた。

 黒髪に程よく胸の大きい妖艶なアバターのプレーヤーが居た。


「誰?」

「はじめましてでいいかしら?タケルさん

 先ほど対戦したテュポーンのプレーヤー、エレボスですわ。以後お見知りおきを」

「負かした相手に何か用か?」

「顔合わせをと思いまして。ファントムをお持ちですよね?先ほどのクサナギもほぼファントムでしたね」

「……何故知ってる?」

「企業秘密ですわね。いろいろ情報網があるんですよ」


 企業秘密って……マンガやアニメじゃないんだが。

 だけど実際どうやって調べたんだ?誰にも一切話してないのに何処から漏れた?


「それで?」

「今は特に用はないですね。ただ、あなたにはもっと強くなってもらいますよ」

「は?なんで俺なんだ?」

「私のパートナーになっていただきたいのですよ。あなたのファントムと組んでダブルスの大会に出ていただきます」

「拒否権は?」

「無くはないですけど、ファントムもエンプレスと組んでましたでしょ?ソロとは違う面白さがありますよ?」


 確かにファントムの話にエンプレスが組んで戦う話がある。ナム・サンダーの相棒が乗っていたから。夫婦関係だった説もあったりするが。

 だからといって、俺が同じように組んで戦わなければいけないわけではない。

 何か狙いがあるのか?宇宙戦艦に残ってるエンプレスか?


「何か狙いがあるのか?」

「いえ、そんなものは特にないですよ。強いていえばあなたが欲しいだけですよ?」

「はあ?何だそれは?」

「その辺はいずれということで。今日はここで失礼しますね。では」


 エレボスが何やらよく分からない事を言って去っていった。

 何なんだ?それは。訳が分からない。

 強い奴なら俺以外にもいるだろう。ジャイロディーンとか上位プレーヤーとか。

 単純にファントム狙いなら、俺というよりファントムが欲しいと言えばいい。それに俺が強くなる必要はない。

 どういう事なんだ?



 エレボスの言っていた事に頭を悩ませていると、ヴァルトラウテ達が現れた。


「さっき居た美人のプレーヤーは誰?また、ナンパしたのか?」

「は?今日の対戦相手だよ。テュポーンのプレーヤー、エレボスだ」

「なんで負かした相手の所に来てるんだ?」

「俺を強くするんだと。だん吉、よく分からないだが?」

「なんだそりゃあ?お前がヴァルトラウテを鍛えてるみたいな事をする気なのか?」


 確かにヴァルトラウテを俺並みに鍛えて対戦相手としたいという意図があるが……

 大会出場のパートナーにとは考えていない。

 ただの親切心と俺が楽しむためだ。


「ダブルスの大会に出るためとは言ってたが、俺より強い奴と組んだ方が手っ取り早いよな?」

「大会に出るだけなら普通そうするな。パートナーを鍛えるところからやるなんてのは時間がかかり過ぎるだろ」

「俺も出るならマッカーサーの言うように今強い奴と組むな」

「という事は純粋にタケル狙いだな?対戦中にナンパしたんだろ?」

「してねぇよ。それに弱い奴がナンパしたって意味ないだろ」

「「確かに。ハハハ」」


 やっぱりわけが分からない。

 ファントムと宇宙戦艦以外に気に入られる要素はないはずだ。なのに俺が欲しいとか理解に苦しむ。


 少し離れた所でヴァルトラウテと静御前が何やら悩んでいるようだ。難しい顔をしてこちらを睨んでる。

 何だ?


「これはタケルがエレボスとやらに逆ナンされたということか?」

「タケル、私というものがありながらどういうことですかっ?」

「ないだろ、そんなもの。俺はソロでやってるんだぞ?」

「私達、捨てられるんですか?」

「お前は何言ってんだ。捨てるとかそんな関係ですらないだろうが!」


 何故か恋愛関係的な話に静御前が持っていこうとしやがる。迷惑な。

 俺は基本的にソロでしかやる気はない!


 とりあえずわけが分からない話は何処かに置いていかれ、馬鹿な話に移ってしまった。

 まあ、それで気分が変わって良かったともいえなくはないが。

 今の所エレボスの事は無視しておこう。悩んでも仕方がない。それより強くなる事の方が先だ。

 とにかく目標が出来た。エレボスに勝てるだけ強くなる。




エレボスSide

 やっとゲーム内でヤマトに接触できた。

 リアルではヤマトともういい関係になってるけど、ここでは接点がなかったから。

 ヤマトは私の事が分かっていないようですけど、今後はここでもいい関係になりますわ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ