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TRIPLE-私の知らないあいつは私の知ってるあいつ-  作者: EPO


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第040話-7 旅行 おやつから

 セイラの言っていた喫茶店に行く事にする。

 セイラとアリーシャが俺の腕を引っ張り、エリーが俺の背中を押してくる。

 その様子を見ていた俺達よりも年下の男の集団が羨ましそうに見ている。


 土産物屋の一角にある喫茶店に入り、でっかいパフェを注文した。

 セイラ達は季節のフルーツを使ったパフェを、俺は秋限定のさつまいもや栗を使ったモンブラン風のを注文した。


「さっきはエリーと何話してたの?」

「う〜〜ん、家に帰ったらエリーの部屋や日用品とか準備しないとなぁ、と思ってたんだけどな。

 なんかエリーお父さんがもう家の方にはいろいろ運び込んでるらしい。どうなってるかが気になるんだよ」

「大丈夫。夜はヤマトの部屋で4人一緒に寝ればいいんだから」

「セイラ、それだけじゃねぇ。っていうか、さらっと夜は4人でって言ってるよな?」

「うん。嫌なの?」


 他の客に聞こえるようなこんな所でする話じゃないんだがな。

 彼女連れの男達がこっちを見て羨ましそうにしてて、彼女に怒られてるんだけど。まぁ、彼女がいるのに羨ましそうにこっちを見てるのが悪いんだけどな。中には「今日の夜は頑張るよ」とか言ってる男前な彼氏も居た。

 そんな事はどうでもいい。俺は3人を満足いくまで可愛がるだけだから。


 その後もこれからエリーが一緒に住むために必要な物とかの話をし、次の週末、もう3日後になるけど買い物に出かける事になった。

 ある程度は日用品を手配してるけど、俺には分からない必需品もあるからな。それらを買いに行く。


 今週末の予定を決めているとパフェがきた……何これ?

 デカいのが4つともなると壮観というべきか、4人席のテーブルが小さく見える感じだった。


 それからはパフェを食べるのに集中する事になった。

 ……パフェが見た目より意外に多かったから。

 最初は「あ〜〜ん」とかしながら食べていたがなかなか減らず、お腹が冷たくなってきて食べるスピードが落ちていった。お店の人に熱いお茶を注文して身体を温めつつ、ようやくなんとか食べきった。

 お店の人曰く、一つで2〜3人で食べるのが普通と言われた。

 夕食までまだ時間があるが、食べられるだろうか……




 パフェの食べ過ぎで少し身体が冷えたまま旅館まで帰る。

 あのまま土産物屋を回る元気はなかった。

 旅館の部屋に戻り、まだお腹が冷たいからお風呂に入り温まろう。


「3人共先に風呂に入って温まってきな」

「ヤマトも一緒に入ろう、いつものように」

「そうだよね。ヤマトもお腹が冷たいでしょ」

「そうよね。私は昨日初めてだったんだから…………今日も……ね?」


 そうか、まぁ俺もまだお腹が冷たいからな、一緒にお風呂に入るか。どのみち今は冷えて息子も元気ないから無茶な事はできない。

 とにかく温まろう。寒くてみんなが出てくるのを待ってはいられないか。


 いつものようにとはいかず、2人横に並んでシャワーを浴びながら身体を温める。セイラが我慢できず俺に抱きついて一緒にシャワーを浴び始めた。

 ……冷たい……

 セイラの身体もパフェで身体が冷めてたから、温まり始めた身体には冷たかった。

 これを見ていたアリーシャとエリーも同じように俺に抱きついてきた。やっぱり冷たい。

 みんなで抱き合ってシャワーを浴びる事になり、それで多少は身体が温まってきた。シャワーをなしにすれば雪山遭難状態なんだけどな。


 ようやく身体が温まってきたからいつも通り体を洗い始める。今日は特に身体が冷えてたので、セイラ達3人の身体を念入りにマッサージをする。もう、それだけで昇天するくらいに。

 その後は逆に俺がマッサージされた。特に念入りに息子が。


 それからお風呂に入りゆっくりする。


「ふぃぃ~」

「ヤマト、おっさんくさい」

「勝手に出るんだよ。そういう反応があるんだよ」

「知ってる。名前は忘れたけどあるわね」


 急に昨日からエリーが一緒にお風呂に入るようになったのに、もう夫婦みたいにイチャイチャしてる。

 伯父さん、なんかごめん。

 よろしくと言われたけど、もういきなりこんな事してるとか怒りそうだよな。


 十分みんなでいろいろして温まったから、もう上がろう。

 夕食まではまだちょっとあるから一眠りしてようか。




「あらあら、皆さん仲がよろしいですわね。羨ましいですわ」

「「「「へぁ??」」」」

「夕食の時間ですよ。これから準備しますので、起きてくださいね」

「「「「はいはい」」」」


 そんなに寝こけてたか。みんな、さっさと起きろ!

 別に全裸というわけではないから良かったけど、家と同じ状態だったら大惨事だった。


 みんな端によって、旅館のスタッフがテーブルのセッティングをして料理を運び込んでくれた。

 今日はしゃぶしゃぶをメインに、煮物や焼き物、鯛飯などが出された。

 しゃぶしゃぶの具は鯛やカンパチや松茸、後豚肉だった。


「私、お肉食べる」

「セイラは野菜も食べろよ。鯛とかも美味いからこっちの鍋でしゃぶしゃぶしろよ」

「ヤマト、魚やキノコもしゃぶしゃぶ出来るの?」

「アリーシャ、白身魚や野菜のしゃぶしゃぶは有りだ。レタスのしゃぶしゃぶもいいぞ」

「お魚のしゃぶしゃぶはカロリーが少なくてオススメじゃない?」

「お肉も脂がいくらか落ちるから多少カロリーが減る……はず、たぶん」

「ならお肉だけでいい」


 セイラ、お前は、もう。野菜も食べないと肌が荒れるぞ。

 無理矢理セイラの器に野菜を放り込んで食べさせた。ぶう〜たれてたけど。

 その放り込んだ野菜を俺に「あ〜〜ん」してきた。仕方なく俺はそれを食べたが、その倍セイラに野菜を「あ〜〜ん」としてやった。流石に断らないことが分かってるから。

 それからはアリーシャやエリーからの「あ〜〜ん」も始まった。


 野菜やキノコも美味しく、煮物や焼き物も美味しかった。魚のしゃぶしゃぶも松茸のしゃぶしゃぶも美味しかった。シメのうどんとおじやも美味しかった。

 仲良くみんなで食べさせあって、楽しい夕食の時間が過ぎてしまった。

 その夕食という家族のというか恋人達の団欒なんだけど、ちょっと嫁が多いんだよな。喜ばせてやりたい娘が多いのはちょっと大変だ。




 そんな夕食も終えて、この後どうするかと話をする。

 いっぱいになったお腹を少しこなすために、ライトアップされた庭を散歩する。昼間に見た庭園に楓など紅葉している木々を中心に照らされていた。

 ややオレンジ色の光が更に紅葉の雰囲気を際立たせていた。

 更に向こうの対岸の街の灯りが星のように煌めき、天の川の様な雰囲気を醸し出していた。


 その中を4人でゆっくり見て回る。

 出る時に会った女将に「庭園の暗がりで女の子達を可愛がっちゃあダメですよ」とこっそり言われた。いや、言われなくてもそんな事しないだけの分別はありますが。それとも「やっちゃいなよ、You」的な振りなのか?

 女将も母さんから何か聞いてるのかもしれない。


「昼間の紅葉も綺麗でしたけど、ライトアップしたのも綺麗ですわね」

「うんうん、夜の黒に赤い葉が映えるよね。昼間とは違う空間みたい」

「もみじ食べてみたい」

「「え?セイラ、何言ってるの?」」

「もみじの天ぷらは本当にあるぞ。食べた事はないけどな。

 昔、何かの番組で見たんだよな?1年くらい塩漬けにしたもみじを天ぷらにするらしい」

「「へぇ~」」


 今もそれを作ってるのか知らないけど、古い番組を父さんとセイラと一緒に観た時に出てきた。

 父さんが説明してくれたんだけどセイラが興味を持っちゃって、紅葉の時期にもみじを食べようとして止めるのが大変だったんだ。

 まぁ、花より団子のセイラだから今も変わらない。


 時折落ちてくるもみじを捕まえたりしながら、庭園をゆっくり歩いて回る。

 セイラ達3人と過ごす、この穏やかな時間が止まればいいと思う……学校に行ったら何が起きるか分からないから。絶対にまた追いかけられそうだ。


 そういえばじいちゃんにもエリーの事を連絡しておかないとな。向こうで住み始めるために改築してくれるって言ってたし。


「エリー、11月に俺のじいちゃんの所に大根と白菜の収穫に行くけど大丈夫だよな?」

「挨拶しておきたいし、収穫とか初めてだから行きたい」

「「収穫は楽しかったよ」」

「だそうだ。後、卒業したらじいちゃんの跡を継いで農家になるけどいいか?」

「いいわよ。私は手伝うかメタバースの方で仕事をするか出来るし」

「そうだな。後、言っておく事は……3人共幸せにするつもりで頑張るからな?」

「うん、信じてる」


 きちんとエリーにも俺の行く先と覚悟は伝えた。

 3人が俺に付いてきてくれるなら、みんなで幸せになろう。そのためにはいくらでも努力しよう。

 でも…………明後日の学校が一番心配だ……


### 続く ###


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