第040話-6 旅行 昼食からの
時間も時間なので昼食を食べに行く。
昨日は昼食も夕食も豪勢な料理だったから、今日の昼食は庶民的な料理を食べる事にする。お好み焼き、焼きそば、たこ焼きを。
テーブルに鉄板のあり調理は自分でするお店を選んだ。お好み焼きと焼きそばは俺が作る。たこ焼きは焼いて出来上がったのを持ってくる。
たこ焼きを食べてもらってる内に先ずはお好み焼きを。
生地を鉄板に流し薄く広げる。そこにキャベツをたっぷり乗せ、揚げ玉、豚肉を乗せる。中華麺を鉄板に乗せ、出汁をかけほぐす。その中華麺を生地の上に乗せる。
焼いている途中、セイラがたこ焼きを「あ〜〜ん」と口元に持ってきたのでかぶりつく。
鉄板に生卵を割り、その上に生地をひっくり返しながら乗せる。
いわゆる「広島風」というタイプのお好み焼きだ。
適度に焼けたところで生地をひっくり返し、ソース、マヨネーズをかけてから切り分けて、セイラ達の前に出す。
お好みで青のりやかつお節をふりかけて完成。
割り箸で食べるもよし、コテで食べるもよしだ。
この後、牛肉、キャベツ、人参を炒め塩コショウをかけ、中華麺も出汁をかけてほぐした後塩コショウをして炒める。
中華麺が程よく焼けたところで具と混ぜ、焼きそば用のソースをかけて混ぜ味を馴染ませる。
最後に青のりやかつお節を好きにかけて完成。
焼きそばを焼いている間も、今度はアリーシャがお好み焼きを切り分けて「あ〜〜ん」をしてくれた。
ここで一旦、お好み焼きと焼きそばを食べ終わるまで調理はお休みだ。
「『広島風』も美味しい。バラけやすいけどこっちの方が好き」
「セイラ、『広島風』って?」
「お好み焼きは名前にあるように好きに焼いて食べてたから地域性があったんだけど、今は広島風と関西風の2つに分かれてる」
「今作ったみたいな広島風と生地に具を混ぜて焼く関西風って感じですね」
「関西風に中華麺とかうどんを乗せるとモダン焼きになるけどな。
今度家で関西風を作るよ。食べてみると違いがよく分かるから」
他にかなり違うけど東京の方発祥らしい「もんじゃ」なんかもある。
同じ具材を使って調理の仕方が違う料理だ。
日本は狭いけど、言葉や料理に地域性が濃い。言葉はもう世界的に共通化されたけど、料理はまだ結構その土地の料理が残ってる。
そういうのを記録に残している人もいて、調理の参考になって面白い。
お好み焼きは更に3枚豚肉を牛肉や海鮮に替えたのを焼き、焼きそばは中華麺からうどんに替えて焼きうどんを1皿作ってみんなで食べた。
家ではお好み焼きを出していなかったから、アリーシャが面白がってひっくり返したいとチャレンジした。多少崩れ慌ててはいたけど、鉄板が大きかったからはみ出したりはせず修正が効いた。
エリーも知識としてはあってもあまり食べたことはないようだった。ましてやこんな鉄板のところで食べるような事は今までもほぼ無かったのだろう、楽しそうだ。
セイラはもうがっつりと食べてお腹いっぱいにしていた。
しばらくお店でゆっくりして厳島神社の方に戻っていく。
大鳥居や砂浜の方から本殿、祓殿、拝殿、幣殿等を見る。中から見るよりは違った見え方がする。
潮の満ち引き次第で見れるか分からない床下の状態とかがアリーシャは気になっていたようだ。海水があったりでいくらでも近寄れるわけではないけど、ちょっとした冒険感があってセイラものぞき込んでいた。
ほとんど年中海水に浸かっていて表面が腐食したりフジツボとか貝が貼り付いていたりするのじっくり観察し、すぐに腐らず家屋を支えている事にアリーシャは感心していた。
今日の観光はこれで終了だ。
それは砂浜に座って対岸の町並みやフェリーをぼぉーっと眺めていた。
明日は家に帰ってから、いろいろとエリーが住むための準備をしないといけないなぁと思うと忙しくなりそうだ。生活必需品はあらかじめ注文しておいたので、明日帰った頃に着く予定だけど、他の荷物がどうなっているのか心配だ。
「ヤマト、どうしたの?ぼぉーっとして」
「帰ったらエリーが住めるように片付けないとなぁと思って。
一応一部屋空いてるし、掃除すれば一通り荷物を入れられるだけの広さがあると思うんだけどな」
「それなら大丈夫だと思うわよ、もう。お父様が叔父様から許可をもらって、掃除して荷物を入れているはずだから」
「はぁ?いつの間にそんな話に?」
「旅行に行く前には決まってたわよ。聞いてない?」
「……聞いてない……」
父さん、ちゃんと教えてくれよ。将来的に結婚するかは別として、同居くらいはいきなり反対はしないんだけど。
遠縁とはいえ親戚ではあるんだし、伯父さんが言うように寂しい思いをしてるなら別にうちで生活することに反対はしないよ?
いろいろ準備くらいこっちでもするし、セイラやアリーシャも協力してくれる。その協力が子作り方面に行く可能性は高いけど。
「嫌だった?」
「うーーん、嫌ではないが事前に話をして欲しかったな。やっぱり、覚悟とかあるだろ?
セイラとアリーシャの時もほぼ即断だったし、これだと俺は美少女だったら誰でも拒まないとか思われそうだ」
「巨乳……付きの?」
「うがぁぁぁ、それも言われるなぁ。別に誰でもいいって事は無いからな?」
「ふふふ、分かってるわよ、付き合いは長いんだし。……それに優しいって事も」
エリーSide
ヤマトとは学校に通う様になる前からの付き合い。
お父様と叔父様が仕事で一緒になる事が多くて、会社のパーティーでヤマトと会うようになった。
ヤマトもご両親が忙しいから独りになる事が多かった事もあって、パーティーには一緒に来てたの。
その時に親戚の子と紹介された。
他に子供がいなかった事もあったし、ヤマトも独りで寂しかったからなのかパーティーで会うと一緒に居るようにしてくれたわ。兄妹みたいに。
「向こうのデザート食べようぜ」
「うん」
「こっちのサンドウィッチ、美味いぞ」
「ほんとだ」
「ほれ、こっちのジュース、オススメだ」
「そうなの?」
いろいろパーティー会場で面倒を見てくれた。
お母様が具合いが悪くて入院していて、家では寂しかったけどパーティーの時はヤマトがいて楽しかった。
たぶんこの時にはもう好きだったのかも。
学校に通うようになる前くらいに、あまりパーティーに来なくなって……
どうしたのかなぁって思ってたら、隣に越してきた子の面倒を見てるって。
ヤマトが優しいのは分かるけど、私が寂しかったよ。
…………
……
学校に通うようになって、ヤマトと毎日のように会えるようになったよ。
会えるのは嬉しかった。
一緒に面倒を見てるって子とも会うようになったけど、確かに面倒を見てあげたくなるような放っておけない感じの子だった。
結局私も面倒を見る事になったんだよね。セイラは素直ないい子だったし。
……でも、私もヤマトと一緒に居たい……
…………
……
「ん?何?エリー」
「何でもない」
エリーが最後に何を言ってたのかはよく聞こえなかった。
流石にこれ以上増やすなと言ったのだろう。
俺としても増やす気はないし、結婚とかするとなるとやっぱり身近な人であることは必須だと思う。突然現れた全然接点もない人に結婚して下さいとか言われても断る、断固として。
でも、明後日学校に行くとまたうるさくなるんだろうなぁ。それについては憂鬱だ。
そんな事を考えてるとアリーシャが厳島神社を見るのに満足し、セイラと一緒に戻ってきた。
セイラは見るからにお腹が空いてそうだった。さっき結構食べたはずなんだけどな。
「「ヤマト、何か食べよう!」」
「そうね。ヤマト、甘いものを食べに行きましょう」
「そうだな。パフェでも食いに行くか。どっかにあるよな?」
「向こうにでっかいパフェ飾ってたよ」
「いくらすんだよ。まぁいいか。みんな1人ひとつな。ちゃんと完食しろよ」
「「「は〜〜い」」」
### 続く ###




