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TRIPLE-私の知らないあいつは私の知ってるあいつ-  作者: EPO


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第040話-1 旅行 旅行に出かけよう

 文化祭のお化け屋敷は大成功で終わった。

 演出の妙とおばけ役の演技力でデジタル空間なのに恐怖を感じ、悲鳴が止まなかった。トイレの花子くんズのおかげのあってか、おばけ役の女子に手を出そうとする客は皆無だった。

 子供向けの方は、可愛くアレンジした衣装とおばけ役の女子のおかげで泣く子は1人もいなかった。お菓子のギフトも喜ばれみんな笑顔で出口を出ることになり、外で様子を見ていた人には違和感があったようだ。

 最終的に入場者数が全クラスで1位になったそうだ。




 文化祭も終わったなぁ。みんなが頑張ってくれていいものになった。

 メタバース内の事だからそれほど疲れないはずだけど、意外に疲れた。気疲れだな。

 プロジェクトリーダーをやることになって、みんなの進捗やトラブルの確認がいろいろ大変だった。人数を割り振るのも俺の役割だったから、上手くいかないと俺の責任だったしな。


 さて、一般のお客さんのために休日を文化祭に充てたから代休が3日間ある。どうしようかと事前に話していたけど、旅行に行こうって事になった。。

 前に言ってた厳島神社に行く事に決まった。ついでに原爆資料館もアリーシャが見たことがないということで行く事になった。

 宮島の方にある旅館を予約した、父さんの伝で。アリーシャが好む古い建物の旅館で、歴史もあるそうだ。その分出るとか出ないとか、そういう話はあるそうだ。

 ちなみに旅行代金は父さん持ちである。まぁ、セイラとアリーシャとの旅行だからというのもあるみたいだけど。


「ヤマトとセイラは原爆資料館に行った事があるみたいだけど?」

「この辺に住んでると、小さい頃から広島や長崎の原爆の事を教えられて資料館に行く事になってるんだよな」

「そうそう、小さい頃に行ったら怖かったよ」

「そうだったな、セイラが怖くて泣いてたな」

「ぶぅ~」


 かなりショッキングな映像を見ることがあって、子供心にもうこんな事をしたらダメだって思ったもんだ。

 そういう教育方針だったんだろうけど、泣くような小さい子に見せるのはちょっとなぁとは思った。


「アリーシャは原子爆弾の事はどれだけ知ってる?」

「戦争が終わる前に広島と長崎に落として、たくさん人が亡くなったくらいかな」

「それだけなら映像を見て泣いちゃうかもね。ね?ヤマト」

「泣くかどうかは分からんけど、あんな兵器を使うもんじゃないとは思うようになると思うよ」

「そうなんだ……」


 そのまま厳島神社や原爆資料館の辺りの話を軽くしていると、そろそろ寝るのにいい時間になった3人で寝る事にした。

 文化祭の間は家に戻っても夕食の後、遅くまでパッケージの調整をしてたりしてたからあまり満足させてあげられてなかった。

 今日は文化祭も終わったから、ゆっくり心行くまで2人を満足させた、2人の神聖な胎内を俺の聖なる液で満たすまで。




 朝はゆっくり起き出し、3人でお風呂に入ってから朝食だ。

 今日は中華粥に揚げパンにしてみた。

 だいぶゆっくり起きることが予想出来てたから、下準備は昨日のうちにしておいてタイマーで時間に出来上がるようにしておいた。たぶん、ゆっくり起きるだろうから、昼食まであまり時間が空きそうにないから。

 せっかく海に近いとこに行くからには、昼食も海鮮料理でいいのを食べたい。

 ただ、セイラがボリュームが足りなくて不満を言ってきた。

 アリーシャも物足りなさそうだけど美味しそうに食べていた。


「昼食はいいもの食べるから。だから朝はさっぱりしたもので我慢してくれよ」

「む〜、どんなもの食べさせてくれるの?」

「魚や海老、貝とか海鮮料理だな。刺身や焼いたりフライにしたり」

「たくさん食べていい?」

「蟹とかないの?」

「蟹はシーズン的に早いからなんとも言えないな。軍資金はいっぱいあるからたくさん食べていいぞ」


 アリーシャはカニカマが好きなんだよな。でもそのせいで本当の蟹と間違えていて、年中食べれると思っているらしい。まだ時期的に早いから、この辺で捕れる大きくないガザミとかくらいしかないと思うんだよな。

 正月になら大きいのを準備するんだけど。

 良さそうな店は母さんに聞いてるから、その辺りでいい感じの店に入る予定だ。



 なんとか2人の機嫌をとって朝食を済ませ、出かける準備をする。

 いつも通り2人に歯磨き、洗顔をさせて保湿ケアをする。最近は特に俺がする洗顔や保湿ケアが気持ちいいのか、ホニャっとした緩んだ顔になってる。

 気持ちいいのかもしれないが、自分で出来るようにして欲しいのが本音だ。


 今日のコーデは、ここの所日中でも随分涼しくなってきているので、少し厚手の物がいいだろう。

 セイラはデニムのロングスカートに、ニットのトップスに袖の長いシャツにしてみた。暑かったら袖と前を開けて調整すればいいだろう。

 アリーシャはレギンスにデニムの短パンに、トップスはダボッとした大きいサイズの長袖のニット。ゆったりとして通気性が良さそうだから、熱も籠りにくいだろう。

 セイラは少し大人っぽく、アリーシャは少しポップな感じにしてみた。それに宮島には鹿が放されていて近寄って来たりするので、ボトムスは動きやすかったりガードされる物にしている。


 出かける準備も終えて、エアーモビリティのポートへ向かう。

 朝食が軽かった分、移動中食べれるように2人に作っておいたパウンドケーキを渡しておいた。無くなるほど食べないといいのだが……

 地元のエアーモビリティのポートから宮島に近いポートに移動した。同乗してる人も結構いて、同じ所で降りる人は割といた。

 昔から人気の観光地なので、他からも来ていてポートには普段リアルでは見ないくらい人がいた。


「うわぁ、人がいっぱい居るね。メタバースのショップなんかよりは少ないけど」

「観光もリアルよりメタバースになってるからな。アリーシャやアムロさんはリアルに触れたりする方が良いだろ?」

「うんうん、リアルはいいよね。やっぱり質感とか違うからね」

「そうなもんなの?アリーシャ。私はどっちでもいい、美味しいものがあれば」

「まぁ、美味しい物もまだリアルでしか食べられないからな。メタバース内だと美味しいものを食べてても、実際何食べてるか分からないからな」


 そこがメタバースのネック。長くメタバース内に居る人向けに栄養剤を自動投入するタイプのPCもあるけど、味とかが考慮されてるわけじゃない。死なないだけだ。

 それは料理じゃない。薬と一緒だ。美味しくある必要もないし、味もごまかせる。人が作る必要は一切ない。


 だから、セイラにはちゃんとしたものを食べさせたい。どっちでもいいというものではなく、リアルの美味しいものを。


 まあ、いい。ポートで荷物を預けて、昼食を食べに行こう。

 エアーモビリティのポートは宮島に近い所にあったから、近くに海鮮料理のお店がいくつもあった。

 母さんのオススメの店もあったのでそこに行ってみる。


 程よく空いていたので、そのままそこで昼食にする。

 俺は刺身定食で、セイラはエビフライ定食、アリーシャはアジフライ定食にした。あとは単品で刺身やサバ味噌、焼き魚、お寿司を分けて食べる分で頼んだ。

 お店の人は「そんなに食べれるの?」と思ってたみたいだけど、皆朝食が軽かったからどんどん食べていった。


「お刺身って美味しいね。あまりなま物って得意じゃなかったけど」

「うちだと鮮度の問題でほぼ出さないもんな。熟成というのもあるんだけどな、歯ごたえが変わるけど味は良くなるぞ?

 アリーシャは慣れてなさそうだったから刺身は出さなかったけど」

「ヤマトが出してくれるのはどっちも美味しいよ」

「そうなんだ。時々出してもらおうかな」

「いい魚があったらな。あの店長の仕入れ次第な」


 お寿司もアリーシャはお気に召したようだった。でも流石に寿司は上手く握れる自信はないんだよな。

 煮物、焼き物は大丈夫なんだけど、これも仕入れ次第。

 大昔はスーパーにいっぱいいろんな魚が並んでたらしいけど、今はほぼ養殖出来る魚だけ。天然ものはかなり高いから、スーパーに並ぶより料亭とか飲食店に直接流れる。

 でも、2人のためにチャンスがあれば天然ものを俺が腕を振るって食べさせたいと思う。


 もう少し食べ足りなさそうだったから何か頼もうかと思ったら、お店の方からサービスだって天ぷらが出て来た。

 事前に母さんから息子が美少女の嫁2人を連れて行くかも、って連絡があったそうだ。それでチェックしていたらしい。

 会話から俺が料理をするみたいだし、よく食べるから辺りを付けてたそうだ。

 お礼を言ってハゼの天ぷらを食べ始めた。


「「「美味しい」」」


 ちょうど旬になる頃だったし、プロの技術でさっくり揚がって美味かった。

 2人共顔がとろけていた。俺もこのぐらい出来るようになりたいな。


### 続く ###


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