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TRIPLE-私の知らないあいつは私の知ってるあいつ-  作者: EPO


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第037話-4 競技大会中盤前半戦 9回戦目2

タケルSide

 ビルの柱にビームキャノンをぶち込んで回っているが、まだ全部ではないがかなりの数のビルにはぶち込んだ。

 1回では無理でも何回か柱を壊したビルにケスカが乗れば倒れるだろう。

 ダメなら追加するが。


 罠を張ったビルからスナイプ出来る位置にクサナギを移動させ、一旦停止する。来てくれればいいのだが。

 それ以外の場所にあるビルはこちらでチェックして、来れば直接スナイプして牽制する。

 ………………

 …………

 来た。


  バシュッ  カンッ


 クサナギに当たったがシールドバインダーが弾いた。

 射線はあのビルがある辺り。そちらに向けてこちらも応戦する。

 当たらなくてもいい。とにかく動くようにさせる。



ケスカSide

 またクサナギが止まった。警戒しているビルとは別のビルに移動した。

 まだ動かない。スナイプしてみる。

 シールドが弾いたみたい。


 次のビルに移動だ。

 移動してクサナギに照準を合わせる。

 んん?何か傾いてる?垂直に立ってる向こうのビルが斜めになってるんだけど。

 って、こっちのビルが傾いてるんだ!他のビルに移らないと。

 でも、どういうこと?ケスカはそんなに重くないから、今の所どのビルに乗っても倒れなかったんだけど。

 あれ?これも傾いてきてる。え?


 もしかして、このビルってクサナギが逃げ込んだビル?何かやったの?



タケルSide

 よしっ。なんとか倒れるようだ。

 あの辺りのビルは大体柱を壊してる。あの辺りで追い込みをかける。


 移動しながら、倒れるビルから別のビルに飛び移ろうとしているケスカを狙う。

 直撃はないが掠る程度が数発。まだまだだ。

 移動した先のビルがどんどん倒れ、こちらからのスナイプを恐れ細工したビル群の内側の方へ移動を始めた。

 外への移動を阻止しつつ出来ればダメージを与えたいところ。相変わらずこちらから隠れるように移動してはっきりと姿を見せようとはしない。

 とにかく他のビル群へ逃げられる前にケスカに接近して捕まえないと。



ケスカSide

 飛び移ったビルがどんどん倒れていく。

 クサナギは何をやったの?簡単にビルが倒れるような細工は出来ないよね?

 ビルからはすぐに出てきてたし、そんな時間じゃあアサルトライフルやスナイパーライフル程度で壊せるとこなんてたかが知れてる。

 ケスカの重量が急に増えるわけはないし。

 大丈夫なビルはないの?



タケルSide

 よしよし、ケスカの周辺のビルはあらかた倒れた。飛び移れるビルはない。

 瓦礫と化し高く積もっているから、まだ油断は出来ない。

 それでもビルの上ではない分、距離は近いし手が届く。


 瓦礫の上をホバーリングで走りながらケスカに近づく。

 ケスカは倒れたビルの壁面を駆け上り、未だに高い位置を確保してこちらを見下ろし降りてこない。

 始めてかなり近くでケスカを確認したが、改めてその小ささに驚く。

 クサナギ<改>が標準サイズよりやや大きい程度だが、ケスカはそのクサナギの3分の2以下くらいのサイズだった。

 しかも、機体形状も小動物のような可愛い感じにまとめられて、とてもスナイパーやアサシンといったものではなかった。セイラやアリーシャなら可愛いと言うだろう。

 この大きさなら装甲も厚くないし、一発食らえばもう終わりが見えてきそうだ。これなら姿を見せたくないはずだ。俺でも見せないで戦う方法を選ぶ。


 とりあえず手の届きそうな所にまで引きずり下ろしたが、まだこれからどうするかだ。

 ここはまだ平地というわけではない。倒れたビルの基部や壁面が残っている。

 クサナギより遙かに高い位置にいるケスカに対して射撃で対応するしかない。アサルトライフルの銃口をケスカに向け連射する。


 当然ケスカも銃口が向いた時点で回避を始め、周辺の壁やガレキを使って飛び回り猿や猫のように動き回る。

 縦横無尽に動き回り、俺はその動きを把握しきれなくなった。



ケスカSide

 まだクサナギに近付くつもりはなかったのに……

 回りのビルが皆崩れてるから、高いビルがある所まで移動する前に掴まりそう。

 ここはもう覚悟を決めるしかないかな。

 まだ早いけど高さのある建物や壁、隠れられるガレキが無数にある。まだなんとかやれそう。


 でも……掴まったらもうお終い。今までも何度もそうだった

 ただ今日はまだ隠れるところや逃げる場所がいっぱいある。掴まらない間に相手を弱らせなきゃ。


 相手がこっちの動きに対応出来ていない今の内に、隠れながら狙撃しながら斬り付けるしかない。

 クサナギを上空や背後に回り込んで射撃をしながら斬り付ける。


  バシュッ  バシュッ  バシュッ  ガキッ  ガキッ


 とにかく動け!動け!今まで極めたスキルを全てここで出す。



タケルSide

 なんとか地面に引き摺り下ろしたけど、これまで以上に動き始めた。それだけ動ける機体なんだろうか?

 上から背後からスナイパーライフルで銃弾を撃ち込んでくる。

 反応できないからほぼ避けられず当たってしまっている。

 それでも頭部とバックパックを優先的にシールドバインダーで防御しているから、銃弾と剣戟は弾かれダメージはない。

 いつまで続けるのか……


 マガジン交換のタイミングすら分からない連続射撃。全ての方向からの剣戟。

 パーツの装甲の厚さで保っているが、関節に入ったらダメージがでかい。


 脚部のピックを地面に刺し、ホバーリングでその場を動かず機体を高速回転させながら、アサルトライフルを全包囲に撃ちまくる。

 ケスカの動きに対応して狙って当てられる状況ではないだけに、周囲に弾をばらまく。

 当たれ!当たれ!当たれ!


  ドガッ  ガスッ


 偶然にも当たったようだ。しかし、ケスカはすぐにどこかに逃げ込んで隠れた。



ケスカSide

 当たっちゃった。弾が当たっちゃった。

 スナイパーライフル持ってた腕が壊れた。右脚にも当たって反応が悪い。どうしよう……

 追ってこられたら逃げられない。とにかく隠れなきゃ。


 どうする?どうする?隠れて背後から狙う?

 でもさっきもスナイパーライフルもヒートソードも全然効いてなかった。もう1回狙っても効果がないんじゃあ……

 もう逆転のチャンスなんかほとんどない。最後の一撃を……



タケルSide

 いきなり姿を消した所を見ると、ケスカにいくらかダメージを与えたようだ。いつまで隠れてるかは不明だが、隠れ続けさせるわけにはいかない。

 終われないから。夕食を作る時間までには終わらせたい。


 隠れられる範囲は広くない。虱潰しに瓦礫の山や建物の壁を探していく。

 いくらも隠れるような場所はないのだが、ケスカのスキルならこちらの死角に入り込むくらいは出来そうだ。

 それでも俺は探し続け、動き回らなければならない。


 しかし、しばらく探し回ったがやはり見つけられない。

 細かく俺の死角に逃げ回っているのだろう。

 どうする?ビームキャノンでこの辺一帯焼き払うか?

 そうしよう。

 周辺の瓦礫に向けビームキャノンを撃ち込み、横へ薙ぎ払った。


  ドガァァァァァァァ


 瓦礫を溶解しながら周囲へ弾け飛び、更に砂埃を巻き上げ、一気に周囲の視界が悪くなった。

 これだと回りからケスカが仕掛けてきても見えないだろう。

 これも完全に自分を囮にしているようにしか見えない。たまたま偶然なのだが。

 仕掛けてくるか?仕掛けてこないのか?



ケスカSide

  ドガァァァァァァァ


 急に凄まじい音がし始め、砂埃が巻き上がってクサナギが見えなくなった。

 これならこっちも見えなくなるはず。

 これが最期の一撃。

 隠れていた建物の壁の陰から飛び出し、クサナギに襲いかかる。



タケルSide

 こないのか?こないのか?

 今は待つしかないのだが……


 しかし、俺は気付かなかった、背後の瓦礫の壁の向こうから何かが飛び出してきた事に。


 飛び出してきた何かは赤く光る物を手にしクサナギに襲いかかって来た。

 俺は反応が遅れた。

 ビームキャノンの掃射に気を取られ、砂煙が充満した背後には気を回していなかった。

 ただ、シールドバインダーは別で、背後に接近する何かに向けてパイルバンカーを打ち込んだ。


  ドガッ


 砂埃が落ち着いた頃、パイルバンカーに串刺しにされた何かが姿を現した。

 ……ケスカだった……

 胴体の中央に杭が刺さった状態でぶら下がっていた。

 は?なんで?


 <<<Battle End>>>


 やっと終わった。

 スナイプ合戦に時間がかかり、接近戦はケスカが最後隠れ回ったために更に時間がかかった。

 今までで一番時間がかかっている。

 ケスカがファントム並みに装甲が硬かったら勝てなかったよな。


 しかし、ケスカのプレーヤーの立体機動はよくあんなに動けるものだ。

 それだけ執念で操縦スキルを習得したのだろう。

 最期の奇襲もあの状況になるまで我満した精神力も尊敬に値する。

 これまで何度も負けて、尚あの機体を使いたいから身に付いたものなんだろう。操縦スキル同様執念の結果か。


 宇宙戦艦にあんな小さい機体のパーツはないよな。

 せっかくなら……


「お疲れ、タケル。なかなか凄い戦闘だったな?」

「ああ、だん吉か。あれでもっと装甲が硬い機体に乗ってたら、更に時間がかかってたよ」

「そうだな。にしても相手の操縦は凄かったよ。俺は勝てねぇな」

「だろうな。スナイプだけでやられるかもな」

「うっせぇ。でも、どうすればあそこまでになるのかね?」

「よっぽど酷い負け方を続けたんだろ。それでもあの機体を捨てられなかったから……」

「真似出来ねぇな?」

「ああ」


 俺はファントムに執着はあるけど、ファントムなら負け続けない。機体性能がいいから初心者でもある程度勝てる。

 でも、あのケスカで俺はプレーし続けはしないだろう。勝つために完全に組み替える。



「ちょっといいかしら?クサナギのプレーヤーよね?」

「ああ、そうだが」


 目の前に長身の女性プレーヤーが居た。

 胸は薄い、いわゆるモデル体型のロングストレートの銀髪というキャラだった。

 誰だ?


「ケスカのプレーヤーよ。今日はいい勝負をさせてもらったわ」

「そうだな。こちらの機体性能と運で勝たせてもらった」

「戦略も良かったでしょ。ビルに細工をされるなんて思わなかったわ」

「他に手を思いつかなかった、時間をかければ勝てただろうが」

「何をやったの?」

「そうだ、何やった?運営のモニターにもはっきり映らなかったし」


 映ってない?それは助かる。まだなるべくビーム兵器を使ってる事を知られたくない。前回もはっきり映ってなかったしな。


「あれはビームキャノンで柱をいくつか壊した。倒れるかは調整が必要だったが」

「タケル、ビームキャノンが使えるようなジェネレーターを使ってるのか?」

「企業秘密だ。って言ってもビーム兵器を使ってるって言ったから分かるだろ」

「そういう事。パワーがある機体はいいなぁ……」

「大きい機体に乗り換えればいいだろう?たぶんしないだろうが」

「分かってくれてるようね、私はあんな小さく可愛い機体に乗りたいのよ。そして勝ちたい」

「こだわりがあるのはいいんじゃないのか?それがこのゲームの売りの一つだし。

 小型軽量で高性能なジェネレーターが出るかもしれないし、それまで装甲を強化する方向で検討すればいいと思う。

 ただ、金がかかるけどな?」


 条件のいいパーツは当然高い。小型軽量で装甲が硬かったりジェネレーター出力が高いパーツとなればそれなりに高いだろうな。

 手持ちに何かいいのがあれば支援してもいいのだが。


「そうね。考えてみるわよ」

「こちらも何かいいパーツがあればやるよ。小型のパーツは俺は使わないし」

「??」

「こいつ、この間遺物を見つけたらしくてさ。いろいろパーツがあったんだと。

 俺ももらったけど面白いパーツだった」

「使わないパーツもあるから、そちらの希望と合えば使ってくれていいから」

「そう、何かいいのがあれば頂くとしましょう」



 あるかどうか分からないが希望するパーツについて話をした。

 やはりパーツにこだわりがある分それで苦労したようだ。

 そんな話をしている向こうでヴァルトラウテと静御前がこちらをじーっと見ているように見えた。何かあるのか?

 使えそうなパーツが有れば渡す約束をしてケスカのプレーヤーと別れ、疲れたので今日はもう落ちた。


### 続く ###


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