第031話-2 競技大会 2回戦目
1回戦はノーダメージでしかもほぼ動かなかったから、メンテもほぼ不要だった。
一応宇宙戦艦の方でメンテをして、フレーム等の調整は行った。
といっても疲労もほぼなく、そのまま次の対戦に使用出来る。
構成は次も同じでいいだろう。
今回は相手に合わせて、その上で叩き潰そうか。
2回戦目当日、E.G.G.にダイブして、ラウンジにいる。
対戦のなかった昨日もここに来ていたが、この先対戦するだろう相手の偵察をしていた。
今日も時間まで対戦をチェックしておこう。
そうしていたらマッカーサーがやって来た。
「よう、タケル。1回戦は凄かったな。相手が1度もクサナギの姿を拝まずに勝ったんだからな」
「あれは相手が隠れないからだろう。
スナイプされてるんだから、岩場に隠れて様子を見るのが普通だろ。それに弾道計算すれば射線がすぐ分かるはずだ。目視戦闘ばかりしてるからあんなところに立ち尽くして狙われるんだよ」
「まあそうなんだけどな、容赦なさすぎだろ。あれだとE.G.G.止めんじゃないか?」
「どのみち今後誰かにやられてたよ」
チュートリアルもそこそこに始めてるんだろ。射撃戦のイロハがちゃんと学べるのに。
一応静御前に何度もやらせて鍛えてる最中だ。
今の所2回戦突破できれば御の字ってとこだが。
「この間言ってたパーツやるよ。グレネードランチャー付きのアサルトライフルだ。
グレネードがなかなか面白い火器だ。内容はフレバーテキストを確認してくれ」
「Thanks、面白い火器だな。使い方は考えるよ」
「おう、使いこなしてくれ」
渡したアサルトライフルのグレネードは「氷のグレネード」となっていた。
フレバーテキスト曰く、氷の炸裂弾を射出し、着弾した所を凍らせるそうだ。機体を停止させたり、着弾した地面を敵機ごと凍らせたり出来る。
凍った後どうなるかは知らないが、そのままヒートソードで斬るなりアサルトライフルで蜂の巣にするなりどっちでも出来る。
炸裂弾は通常のE.G.G.で購入出来るものが使用できるから問題ない。
ただ、相手次第でレジスト出来るというから、効かない条件を把握しておく必要がある。
まぁ、頑張って使いこなしてくれ。
今日はヴァルトラウテが先に対戦しているから、ラウンジでその様子をマッカーサーと観ることにする。
前回は大剣の一撃で一刀両断して終わった。今回はどうなるか……
流石に対戦相手も警戒しているわけで、離れて射撃戦というのが当然だろう。格闘戦に持ち込もうなんてのがいれば、余程格闘戦に自信があるか、何も考えていないバカのどちらかだ。
さて始まった。
やはり対戦相手は離れて射撃戦に持ち込むつもりだ。
ステージも市街地だから建物がいい障害物になる。序盤は逃げながらアサルトライフルを撃ち込んでいる。
ピアレイは盾でそれを受け被害はない。
見失った敵機を捕捉しないと始まらない。ピアレイはアクティブスキャンで先ずは建物の配置を探っているようだ。
「冷静に戦えるようになったんだな」
「まぁ、それなりに経験積んできたみたいだからな。素人みたいに慌てたりしねぇよ」
「相手の位置を把握出来れば、まぁ楽勝か」
相手の位置を確認したのか、ピアレイは建物を壊し始めた……
壊しては次の通りに移動し、更に建物を壊しては移動し、敵機に向かっていった。
対戦者はピアレイが建物を壊しながら接近しているとは思いもよらず、目の前の建物が倒れた時ようやく動こうとし始め背を向けていた。
『見ぃつけたぁ』
『!!』
ピアレイは逃げようと背を向けていた敵機に向かい急加速で接近、横薙ぎに大剣を振るった。
敵機は腹部から上下に分かたれ、動き始めた下半身だけ前に動き、上半身は横に転がった。
コクピットが切断されたためプレーヤーも死亡判定で対戦は終了した。
「建物を壊していくか……いい判断だけど、あの大剣がないと無理だな」
「タケル、普通はないだろ。最短距離で迂回して接近がせいぜいだろが」
「ビームキャノンでもあれば建物を貫通させて攻撃出来るけどな」
「それもそうそう出来ねぇよ」
マッカーサーと対戦の感想を言い合ったが、結局あの大剣ありきの戦法で普通はないなとなった。
対戦相手的には出てきたピアレイは恐怖でしかなかっただろう。
ご愁傷様だな。
俺の次の対戦がそろそろ始まる。
マッカーサーと別れて自分のメンテブースに移動し、クサナギ<改>に乗り込む。
今回の装備は前回同様そのままで行く。ただし、アサルトライフルで。
さて、もうスタートだ
<<<Battle Start>>>
戦闘エリアに転送された。今回は平原だ。
多少の起伏はあるが概ね平坦で見通しがきく。風になびいている草は大して大きくないため、隠れることは出来ない。
今回は隠れることはせず、常に姿を見せて戦う予定だ。
対戦相手はどこだ?
すぐそばにはいないようだ。
対戦相手のリプレイを確認したが、射撃より格闘戦主体のプレーヤーだった。スナイプはしてこない確率が高いだろう。
先ずはアクティブスキャンで確認し、相手にも俺の居場所をバラす。
レーダーの表示範囲ギリギリに出現したようで、まだこちらには気付いていない。クサナギ<改>の索敵性能は良いものを入れているので、多少他の機体より範囲が広い。
確認した敵機ドンスラの方へ大きく迂回しながら接近する。
こちらがある程度近付いた頃に、ようやくこちらに築いたようでやっと動き出した。なんの工夫もなく真っ直ぐこちらに近付いてくるが、こちらは変わらず迂回するように動く。
もう少しでアサルトライフルの射程範囲に入る。
向こうは何も考えずに突っ込んでくるので、射程範囲ギリギリで先ず牽制してみる。
ダダダダダッ ダダダダダッ
ドンスラは構わず突っ込んでくるようだ。何発かは直撃したが、硬めの装甲に任せて進んでくる。
今までのアサルトライフルを使っているため、当たった弾丸は傷をつけるか弾かれた。
確かにやや硬いようだ。でも、それほどではない。
この程度で傷が付く時点で大したことはない。簡単貫通させられる。
更にドンスラが接近しつつ、向こうもアサルトライフルを形ばかりに撃ってくる。当然、全然当たりもしない。
未来予測してすらいないとか下手すぎるだろ。俺の移動した後方に着弾した。
俺はもう1段階ホバリングのスピードを上げる。
敵機の後方に着く。背中が丸見えだ。
『おい、背中が丸見えだ』
ダダダダダッ
とりあえず装甲の硬そうな部分に撃ち込む。
胴体の背面装甲も硬くしているようだ。何度も狙われたか?
ドンスラは大して傷も付かず、ただ前につんのめって倒れた。
『ワハハハ、どうだ?硬いだろ?』
『少しな。貫通出来ない程じゃない』
『何ィ』
俺はアサルトライフルから超高硬度ヒートソードを取り出す。
相手の都合に合わせてやろう。
ドンスラもヒートソードを抜いて斬りつけてくる。ただ、遅い。
相手が動き出してからシールドバインダーを動かしても、向こうのヒートソードを受け止められる。こちらの方が圧倒的に反応速度が速い。
ガギッ ガギッ ガギッ ガギッ
『クソう、なんで盾で受けられる?俺のヒートソードが』
『そりゃあ遅いからだろ?』
ヒートソードとシールドバインダーで相手のヒートソードを受け止め続ける。
敵機は何度も斬りつけたがこちらが全て受け止めるからか精神的ダメージの蓄積され、疲れたのか更に動きが遅くなり、ついには動きを止めた。
その状態で俺は超高硬度ヒートソードを横一線し、頭部を斬り飛ばした。
『なぜだぁぁ』
『弱いからだろ』
最後に背後からパイルバンカーを撃ち込んだ……
<<<Battle End>>>
装甲の硬い胴体背面からパイルバンカーが突き刺さり、コクピットを貫通していた。
パイルバンカーを抜き去ると、ドンスラは前に倒れた。
今回も楽勝だ。
相手の好きな格闘戦に付き合ってからの完勝だ。特にダメージもない。シールドバインダーもファントムから移植した方で受け止めたから傷一つ付いていない。ヒートソードも同じだった。
今日は特に珍しい勝ち方もしていない。だから、インタビューに誰も来なかった。
はぁ~、良かった。
ピロリン ピロリン
なんだ?
セイラからか?いや、アリーシャからもだ。
夕食はまだかって?これから落ちるからちょっと待ってて。
さて、急いで落るか。勝ったし、美味しいものを作ろう。
「おーい、タケルって、もう落ちるのか?」
「ああ、悪いな。急いでるんだ。またな」
「ああ〜~、何急いでるんだろうな?女か?」
### 続く ###
活動報告にも書きましたが、しばらく1日おき奇数日に投稿していきます
次回投稿は2024年9月3日になります。




