第029話-6 夏休み 夕食から
しいたけも収穫し終えて、じいちゃんの家に戻る。
これだけあれば焼肉の野菜も充分だろう。
肉は猪肉があるけど、少なそうなら他に肉を買ってきてくれてるだろう。
「おかえり、おそかったね。……2人を襲ったりしてないだろうね?」
「してねぇよ!襲う必要なんかないだろ、3人愛し合ってるんだから」
「お前ならプレーだとかいってしそうだろ?」
「しねぇよ!!どんだけ信用がないんだ」
猪肉は結構な量があった。でも、セイラとアリーシャが苦手だったらいけないからと牛肉もあった。
猪肉はちょっと厚めにスライスして牛乳に漬け込んでおく。
野菜もスライスしておくが、ナスは縦半分に切って隠し包丁を入れ焼こう。生姜を乗せてめんつゆをかけても美味い。
しいたけは大きいのもあったから、食べやすい大きさにきる。
1時間ほど俺は横になって寝ていて、セイラとアリーシャはばあちゃんといろいろ話していたようだった。
俺は目をこすりながら起きてから夕食準備を始めた。
「夕食にしよう」
「焼っ肉、焼っ肉」
「ジビエかぁ、久しぶりだな」
「セイラ、野菜も食べろよ。食べれないのはないんだから」
「は~~い」
じいちゃんも来て夕食が始まった。
猪肉はじいちゃんが最初に焼いて食べ始め食べた。
「おっ、臭みが減ってるな。ヤマト、何かしたか?」
「猪肉はスライスして牛乳に1時間ほど浸けたよ、臭み取りに。1日浸けられるともっと臭みが減ると思うんだけど」
「そういう方法があんのか……よく知ってるな」
「父さんに教えられたからな。セイラが臭いと食べたくないっていうし」
こうやって調理方法を覚えていったんだよな。
セイラが食べれるように、父さんに相談して教えてもらった。
「セイラ、猪肉はどうだ?臭くないか?」
「大丈夫。コショウもかかってるから気にならない」
「軽く塩コショウもしておいたのも効いたかな。アリーシャはどう?」
「ジビエらしくないかな、美味しいけど。もうちょっと臭みがある方がらしいかな」
まぁ、確かにそうかもな。
いつも臭み取りは特にしないんだけど、セイラのためにしたけど他の人は食べられたと思う。
野菜も焼いてるが、じいちゃんの野菜は美味い。
セイラはかぼちゃやさつまいも、とうもろこしばっかり食べてるけど、ナスやズッキーニを皿に乗せていく。
「うっ、お肉の方がいい」
「ナスは嫌いじゃないだろ。ちゃんと食べな」
アリーシャはナスやトマトがお気に入りのようだ。パクパク食べている。
あまり時期じゃなかったから出してなかったけど、麻婆ナスやミネストローネとか作って出すかな。
「ヤマト、猪肉以外にも臭み抜きが出来るのか?」
「ああ、出来るよ。牛乳以外に塩水なんかもある。魚なんかは塩や酒だよね。
後は匂いの強い香辛料を使ったりなんてのもあるよ。食材次第だよね」
「そうか、お前がここで働くようになったら、その技術も役立ててもらうことになるから磨いとけよ」
「??その辺は普段からやってるから大丈夫だよ」
なんだろうな?俺が思い描いてた事が出来るのか?
自分だけでするつもりでいたけど、回りの農家さんも巻き込むことになるのか?なら責任重大だけど。
今考えても仕方がないからそのまま夕食を続けた。
猪肉はやっぱり美味しい。
しっかり焼かないといけないけど、豚の先祖という話だから味はいい。動き回っているから硬めだけど、自然の餌で生活しているから脂身がくどくないのがいい。
アリーシャはほどほどに、セイラはお腹いっぱい食べて夕食は終わった。
ばあちゃんが食後のデザートにと、お取り寄せのアイスを2人に出していた。俺は自分で冷凍庫から取り出して食べ始める。
俺の扱いが雑になってきたが、ばあちゃんとしては女の孫が欲しかったんだろうな。思いっ切り可愛がってる。
「暗くなったし花火をしようか」
随分暗くなってきたので持って来た花火を始める。
合宿と同じような花火を持って来た。
セイラは光線銃型の花火に火を着け、こちらに向けてきた。
アリーシャは両手に持った普通の手持ちのに火を着けた。動画を撮ってというから撮り始める。残像を残すならシャッタースピードを落とした写真の方がいいんだけど。
クルクル回りながら花火を飛び散らせていたが、なかなか綺麗だった。
じいちゃんとばあちゃんは縁側でその様子を楽しそうに観ていた。
その様子も写真に撮った。
突然の写真にじいちゃんは狼狽えてたけど、それを見たばあちゃんが大笑いしていた。
花火が線香花火しかなくなったので、3人並んで線香花火の落ち着いた火花を眺めた。
線香花火となれば誰のが最後まで落ちないかを競う。
3人で同時に線香花火に火を着け、じっと火花を見続けた。
そして、2人からこっそりと「私達が勝ったら夜は私達を可愛がってね?負けたら私達が……」とか言ってきた。
俺はそれを受けて立った。でも、そんな事がなくても満足いくまで可愛がってあげるんだけどな?
花火は西日本側の主流のワラに火薬を盛り付けたタイプ。
見た目も地味な花火がパチパチと小さな火花を散らしていた。
「可愛い花火だよね。派手な花火ばっかりしてたけど、こういうのもいいね」
「ああ、俺はこういう花火の方が今は好きだな」
「セイラはじっとしてなきゃいけないからとあまり好きじゃないけど」
「セイラは落ち着くために、線香花火の方をやった方がいいぞ」
「ぷー」
徐々に散る火花が減っていき、最後には小さな火球のみのような状態になってくる。
そうなるともうすぐ落ちてしまう。
ここからが勝負の分かれ目。落ちないようにじっと我慢して待つ。
しかし……先ずはセイラのが落ちた。やはり落ち着きがなく我慢できなかったからだろう。
俺とアリーシャの一騎打ちになる。この辺になるともう運だ。
………………あっ、落ちた。
俺が負けた。ということは…………今日も頑張るか。
花火も終わり、お風呂に入る、1人で。
セイラとアリーシャはばあちゃんに取られた。
セイラSide
線香花火対決は負けちゃった。
でもアリーシャが勝ったから、今日はいっぱいいっぱい可愛がってもらうよ。どれだけ気持ち良くしてくれるかなぁ。
「セイラちゃん、アリーシャちゃん、今日はどこに連れて行ってもらったの?」
「お寺に墓参りに行って、神社の方に行きました」
「その後スーパーに行ってお菓子買ってもらって、アイス食べながら川で釣りをしてるのを見てきた」
「そんなところに行ったの?」
「お寺も神社も建物が良かったです。木造の建物が複雑に組まれてるとこなんか凄いですよね。
土壁の補修してるとこも見てみたかったです」
地元の方の神社も凄く喜んでみてたよね。すごく好きみたい
あんなに興味があっていいなぁ。
私が今ヤマト以外に興味があるのはE.G.G.くらいだけど、あそこまで興味はないよ。
「……そうかい?楽しかったのなら良かった」
「アリーシャはあんな建物が好きみたい。
そういえば、神社でヤマトが夏祭りがあったかあるんじゃないかって言ってたけど」
「素材が置いてあったよね、それを見たか。
明後日の夜にお祭りがあるよ。浴衣着ていくかい?ばあちゃんのお古だけど」
「「着たい」」
「じゃあ明日準備するかね」
やった~、これでまたヤマトに可愛いく着飾った所を見せられる!
どんなのがあるか楽しみだね、アリーシャ。
ヤマトSide
ゆっくり目にお風呂に入って出てきた。
昨日はお風呂でさんざんしてたからな、のぼせなくて良かったけど。
さて2人はどうしてるかな?
ばあちゃんと話してるな。本当にもう孫のような感じだ、俺以上に。
なら良かった。ばあちゃんは気にいた子には身内のように可愛がるからな。
その上、じいちゃんも勝てないから安心だし。
「お風呂上がったよ」
「そうかい。じゃあ、2人共入っておいで」
「「は~~い」」
居間には俺とじいちゃん、ばあちゃんが残った。
お菓子を摘みながらお茶を飲みつつ、テレビで夏の定番心霊番組を流す。
「ヤマト、明後日夕方からお祭りがあるから2人を連れて行ってやりな」
「やっぱりそうなんだ。連れてくよ」
「明日2人に浴衣を試着せるからね。借りるよ」
「別にいいけど。まあ2人を頼むよ」
それ以上特に話もないので心霊番組の方に集中して視てると、お風呂から上がって来たようだ。
足音からしてそろそろ今に入ってくる頃か。
「きゃああぁぁぁ」
どうしたどうした?アリーシャの悲鳴みたいだけど。
セイラは隣に来てお菓子を摘み始め、心霊番組を見ている。
ああ、そうか。アリーシャは心霊番組もだめだったっけ?セイラの方はホラー映画はダメだけど。
もうすぐ終わりそうだし、ちょうどいい話の所だから怖くもない、と思うからこのまま流しておく。
終わった所でばあちゃんが「もう早く寝ちまいな」というから、離れの方に3人で移動する。
アリーシャがびくびくしてるから、後ろから抱きしめながら歩いた。
更に俺の後ろからセイラが抱きついてきた。
歩きにくいけど3人くっついて離れに入って……頑張った。
2人が満足いくまで可愛がった。
そして、俺は2人の大事な所の奥底に白い灼熱のマグマをいっぱい噴出させまくった。
### 続く ###




