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TRIPLE-私の知らないあいつは私の知ってるあいつ-  作者: EPO


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第029話-4 夏休み 2人の農作業体験

 んんっ、もう朝か。そろそろ起きないと収穫の手伝いに間に合わなくなるか?

 昨日の夜も2人と激しく求め合って可愛がってあげた。2人が大事だから。


「セイラ、アリーシャ、起きるよ」

「んん、朝ぁぁ?まだ暗いよぉ」

「ふぁぁぁ、ヤマト、セイラ、おはよぉ」

「起きるよ。これから収穫して出荷の準備するよ」

「まだ外暗いよ?」

「とうもろこしとかは明るくなる前に収穫した方が甘いんだよ」


 野菜は収穫する時間によっても味に影響が出るものがある。

 とうもろこしは実の糖度が変わってくるから、日が出る前に収穫するのがベストだ。

 だから、起きるぞ。


「甘いって事は美味しいんだよね?後で食べれる?」

「ああ、焼いて食べよう」

「「やった~」」


 朝食は焼きとうもろこしかな。


 さっさと着替えて外に出る。

 もうじいちゃんとばあちゃんは準備を整えていた。

 俺は大丈夫だけど、セイラとアリーシャはちょっと不十分なのでばあちゃんが追加装備を着けてくれた。ピンクの帽子とアームカバーを。


 とうもろこし畑に向かい、じいちゃんとばあちゃんでセイラとアリーシャにどういうのを収穫するか教えていた。

 俺はもう何度も収穫を手伝っているから、1人でどんどん収穫していく。

 じいちゃんとばあちゃんは久々に孫にとうもろこしの収穫の仕方を教えるのが楽しそうに見えた。

 本当に楽しそうだ。

 その分、俺が収穫すればいいか。




 1時間半ほどとうもろこしの収穫をして、出荷出来るように余分な部分を取り除く機械に入れていく。

 後は大きさに合わせて選別し、それぞれのサイズで梱包していく。

 梱包したとうもろこしはドローンを使って出荷されて行った。

 これで朝食前の作業が終わりだ。


 それから朝食を食べる。

 ばあちゃんがネギと豆腐の味噌汁を作り、俺は鮭を焼いていく。それに白菜の漬物とご飯だ。

 それとセイラとアリーシャが食べたがっていたとうもろこしを焼く。

 軽く焦げ目がつくように焼いて、更に醤油を塗って焼いた。

 醤油の焦げる匂いは凶悪でよだれが出そうなほど良い匂いだ。居間のテーブルに座っているセイラとアリーシャはジュルリとよだれを垂らしていた。


「いただきます」

「「「「いただきます」」」」


 セイラとアリーシャはすぐにとうもろこしにかぶりついた。

 美味しそうに食べている。


「美味しいか?」

「うん、ほんとに甘いんだよ。こんなに甘いとは思わなかった」

「うん、いつもより甘い気がする」

「元々甘い品種だしな。甘みを溜め込んでいる暗い内に収穫したから更に甘いんだ。プラス醤油の塩分で甘みを感じやすくなってるし」


 品種名からして甘い品種だと分かるとうもろこしだ。糖度20にもなる品種だし、夜の内に身に蓄えられた糖が日が出て消費されない内に収穫しているから甘い。

 それに醤油と組み合わせれば甘じょっぱくなり、さらに美味しくなる。


 その上、焦げた醤油の匂いが加わればもう我慢出来ないだろう。

 セイラもアリーシャも口いっぱいにしてとうもろこしを食べた。

 頬が膨らんだ2人も可愛いな。


「セイラちゃんもアリーシャちゃんもお手伝いありがとね」

「あんまり出来てなかった」

「うん、次はもっと早く出来るようにします」

「大丈夫よ。少しずつ出来るようになればいいから。私もそうだったのよ?」

「その分俺とじいちゃんが頑張ればいいから、徐々に慣れて速く収穫できるようになれば問題ないから」

「じいちゃんは労ってくれないのか?ヤマト」


 2人共楽しそうにやってたから、少々遅くても俺がフォローするから。

 今は楽しんでくれるといい。俺もそうだったし。




 朝食を済ませ、しばらく話をしてるとセイラとアリーシャがうとうとしながら寝始めた。朝早かったし一眠りすればいいだろう。


「ヤマト、昨日どんだけ頑張ったんだい。疲れて寝ちまったよ」

「違ぁぁう。朝早くに起きたからだ。夜遅くまで愛し合ってもいつもこうならないから」

「ったく。ヤマト、ほどほどにしときなよ」


 マジに早く起きたからだ。やり過ぎたせいじゃない。

 それに結婚するという報告も兼ねてここに来たから、緊張して疲れてたんだよ。


 そのままにして様子を見ながらじいちゃんに話をする。

 昨日セイラ達2人に話したじいちゃんの跡を継ぎたいという事を、自分が考えている事を話す。


 じいちゃんは真剣な顔で、農業は簡単じゃない事を説明し始めた。

 天候や作物の病気、価格の下落などいろいろなことが起きる。経営者として対策も考えておかないといけないと話す。

 新しい作物も植えれば簡単に美味しく出来るわけじゃなく、試行錯誤の上失敗して全滅ということもあるし、実際そうなった事もあったと話してくれた。

 それでもやる気があるのか、覚悟を決められるのかと聞かれた。普通にメタバースの方で就職した方が2人を幸せに出来るかもしれないぞと言われた。


 セイラとアリーシャが背中を押してくれてるのもあるし、自分がやりたい事だから簡単に諦めたくはない。


「分かった。懇意にしてる農場からお前向きの案件の相談も受けてるから、卒業したらこき使ってやるからな。

 2人も一緒に生活するなら、離れをもっと片付けないといけないか?その頃また相談だな」

「分かった。頑張るよ」


 とにかく今は俺がじいちゃんの跡を継ぐことが受け入れられた。

 でも、当然仕事が出来なかったら認められない。俺の頑張り次第だ。

 しかし、俺向きの案件てなんだ?




 2人はまだ寝ているので、俺とじいちゃんは畑の方に出かけた。

 一部夏野菜の収穫と雑草取りを2人でやっていく。


 野菜はトマトときゅうりを収穫する。夏の定番野菜だ。

 トマトは表面に傷を付けないように、きゅうりは表面の突起を傷めないように、丁寧に切り離してケースに入れていかないといけない。

 消費者からの見た目の問題以外に、日持ちに影響が出るので注意しないといけない。

 消費者からの見た目の問題は、調理を家でほとんどしなくなったためそれによるフードロスはかなり改善されている。

 でも、日持ちしない、鮮度が落ちやすいというのは、農家のプライドもあって気を付けている所は多い。


 収穫が終われば、じいちゃんとばあちゃんで選別と出荷準備。

 俺は畑で雑草取りをする。

 せっかく肥料を撒いても、雑草に取られたら意味がない。

 畝にはマルチを敷いているから雑草は生えにくいけど、その間には生えてくるから時々抜いている。




 雑草を抜いていると2人が起きて畑に出てきた。

 朝ばあちゃんに装備させられた帽子とアームカバーを着けていた。

 ピンクなので可愛い。

 来たからには手伝ってもらおう。一緒に雑草を抜いてもらう。難しい事はないけど体勢がきついので辛い。


 畑の様子を見ながら雑草を抜いていく。

 マルチを敷いてるからあまり畝が崩れたりはしないけど念の為。

 獣害もあるからよく見ておかないといけない。

 人間の人口が大きく減り、山の中に人間の生息域が減り、気候も落ち着いたから餌不足で街の方へ出てくる動物も減った。

 その分獣害も減って、農家としては罠に掛かるコストが改善され良くなってる。でも、完全になくなったわけじゃないけどね。


 ここ数日は天候も問題ないから、特に畑や田んぼに異常はなく直したりする必要はない。

 それでも確認は必要だ。散歩ではないけど、結構歩いて見回ってきた。


「じいちゃん、田んぼも畑も問題ないよ。

 セイラとアリーシャは今雑草抜いてもらってる」

「ヤマト、そろそろお昼にしようか。2人を呼んできな」

「分かった。でもお昼はまたそうめんだよな。俺が作っていいか?」

「どうするんだい?」

「まぁ見ててよ。それほど大したものを作るわけじゃないけどな」


 2人の所に行って午前中の作業の終了を伝える。

 立ち上がって腰をトントンと叩いて、その後背を伸ばしていた。


「そろそろ終わろう。昼食にしよう」

「「昼食は?」」

「そうめんだよ」

「昨日と同じ?」

「どうだろうな?」


### 続く ###


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