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TRIPLE-私の知らないあいつは私の知ってるあいつ-  作者: EPO


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第029話-3 夏休み 夕食と家族と

 じいちゃんとばあちゃん、俺はご飯に、セイラとアリーシャにはパスタにカレーをかけて出した。

 乗せるための野菜をローストして一緒に出す。これで更に彩りが増す。それにセイラが野菜を食べたがらないから、この方が食べやすいだろう。でも、嫌いな野菜も少しは食べさせるけど。


「ヤマト、このカレー美味いな」

「そうか良かったな。酔ってても味は分かるんだな」

「2人はパスタにかけてるのね?美味しい?」

「挽肉使ってるからミートソースのカレー版みたいなもんだよ」

「「パスタにかけても美味しいよ」」

「めんつゆで薄めてうどんにかけて、カレーうどんでも美味いぞ」

「「ヤマト、今度それよろしく」」

「ああ、分かった」


 やっぱりカレーは美味いよな。それにご飯以外にも合わせられるし。

 いくらでも形を変えられて、しかも美味い。流石に国民食と言われるだけはある。セイラでも嫌いな食材が入ってても食べれるようになるもんな。


 じいちゃんは1杯分食べたら寝てしまった。

 ばあちゃんが部屋に布団を敷いたので、俺が連れて行って寝かせた。

 幸せそうな顔をしている。


「ヤマト、2人と幸せになれよ…………ムニャムニャ」


 寝言だったらしい。返すのは良くないらしいから居間に戻る。

 居間に戻るとそこでは女子会が始まっていた。




アリーシャSide

 ヤマトがおじいちゃんを寝室に運んでいる間に、おばあちゃんがお茶を用意してくれて話をし始めた。

 おばあちゃんはおじいちゃんの事は気にしていないようだった。長く一緒にいるとこんな感じになるのかな?


「アリーシャちゃん、ジジイの事は気にしなくても大丈夫だよ。

 酒があんまり強くないのに勧められると飲んじゃってね。よくあんな風になるんだよ。

 ヤマトもよく見てるから、全然気にしてないだろ?」

「はい。お昼に話してたヤマトの就きたい仕事の事なんですけど、運良く聞き出せました」

「へ?もうかい?そのうち聞ければぐらいに思ってたんだけど。

 それで?」


 おばあちゃんはヤマトの将来をやっぱり気にしてるみたい。

 可愛がられてるんだなぁ。いいおばあちゃんだよね。


「おじいちゃんの跡を継いで農家になりたいって。跡を継げなくとも他の所でやりたいって。

 調理スキルも活かして、珍しい野菜を作った調理の仕方も合わせて紹介したりしたいって言ってました」

「私達も賛成するよ。一緒に農家も出来ると思うし、他の仕事に合間に手伝うのも有りだと思うし」

「ジジイが聞いたら隠れて泣きそうだね」

「ヤマトの目の前で泣かないんですか?」

「あれで恥ずかしがり屋なんだよ。孫の前で男が泣くのは格好つかないって思ってるんだよ。

 ただ、賛成するかは分からないけどね。

 この辺も若い後継者が欲しいと思ってるからみんな喜んでくれるけど、やっぱり農家は大変だから自分の子供や孫が跡を継ぐとなると消極的なんだよね」


 そうなんだ。オーストラリアとかは農場が大きいから家族が一緒に農家をやってたりするし、外から雇ったりしてるけど、ここだとそれほど人手が必要ということはないのね。それに大きい農機具で1度に大量に作業するわけじゃないし。

 でも、今やっている人達が高齢で次の人がいて欲しいとは思ってる。

 もっと儲かるようになれば、おじいちゃん達はヤマトが跡を継ぐのも喜んでくれやすくなるんだろうな。

 そこをどうにか出来ればいいのに。


「おじいちゃんはヤマトに農業をやってほしくないの?」

「半々だね。なってほしいと思ってるけど、大変な思いはしてほしくないと思ってるんだよ」

「おじいちゃん、過保護。ヤマトは大変な事も嫌がらないし、何かあれば自分でどうにかするよ。私達もいるし3人でどうにかなるよ」

「……あははは、そうだね。ヤマトは強い子だよね。セイラちゃんの言う通りだよ。

 ジジイの過保護かもしれないね」


 セイラの言う通りだよ。ヤマトは大変なことがあっても諦めないよ。それに私達は3人でどうにかしていくよ。そう決めたんだから。




ヤマトSide

 ばあちゃん達3人の会話は離れて隠れていたけど、聞こえた。

 セイラやアリーシャが俺を応援してくれているのが凄く嬉しかった。泣きそうになるくらい。

 特にセイラがあんな事を言ってくれるなんて……ううう……


 こんなに信頼してくれる2人のために頑張らないとな。先ずは卒業して、農業の道を目指す。

 2人がどういう仕事に就くかも分からないけど、協力していけるようになりたい。


「ばあちゃん、じいちゃんを寝かしてきたよ」

「ありがとね。まだご飯を食べ終わってないだろ。こっちのは洗っておくから食べな」

「分かった」

「ヤマト、おじいちゃんの跡を継げるといいね」

「そうだな。じいちゃんが俺をどう思ってるか次第だな」

「大丈夫だよ。3人一緒だからどこででも始められるよ」


 こっそりと聞いてはいたけど、2人が言葉にして応援してくれるのは嬉しい。

 俺は2人の事をしっかり大事にしないといけないと改めて誓わないとな。

 そして、2人を満足いくまで可愛がって愛してあげたいと思う。


 ばあちゃんが2人が来るからと甘いスイーツを取り寄せてくれていたので、紅茶を用意してみんなで食べることにした。

 じいちゃんも甘いものは好きだけど、もう寝ちゃってるし我慢してもらおう。

 一応家からうちの家定番のおやつ パウンドケーキ 抹茶味を持ってきてるから、それで我慢してもらおう。


「ヤマト、明日は朝から手伝うんだろ?そろそろ部屋に行って寝ちまいな。

 離れを片付けといたから。どうせ2人と楽しむんだろ?」

「ばあちゃん!!……まぁ、そうなると思うけど。2人が恥ずかしがるだろが。 俺も恥ずかしいけど」

「する事には変わりないんだから言い方なんてどうでもいいだろ。

 どうせなら頑張ってひ孫の顔を早く見せとくれ」

「いやいや、学生なんだからちゃんと避妊してるよ」

「それを超えるくらい頑張りな。お前の父ちゃんは頑張ったんだから」


 ちょっと言い方があるだろ、ばあちゃん。

 2人共、いや俺もか顔が真っ赤になってるんだけど?




ばあちゃんSide

 セイラちゃんとアリーシャちゃんと話をしてたら、いつまでも戻らないヤマトがやっと戻って来た。

 多分隠れて聞いてたんだろうね。自分の事を、自分達の事を話してるから。

 堂々と出て来て話をしてくれればいいのにね。

 そんな所はじいさんに似ているよ。


 さて、寝室に入ってもう寝るかね。

 じいさんは寝てるようだけど、狸寝入りだよね。

 起きてるなら居間に戻ってきても良かったのに。


「じいさん、ヤマトがあんたの跡を継いでくれるってよ」

「そうなのか?」

「そうだよ。セイラちゃんとアリーシャちゃん2人もヤマトを支えてくれるって。どうする?反対するのかい?」

「……」


 今日の寄り合いの話の中心は、協力して一緒にやってる近くの会社経営の農場から、今まで栽培していない作物をやってみたいからといろいろ知恵を借りたいという話だった。

 私達としては、若い人達の多い会社経営の農場の方に協力するのはやりがいもあるから嬉しいと言うことで、皆今まで通り協力するということでまとまっている。

 それ以外に、新しい作物の調理の仕方とかを発信して、販売チャンネルを強化したいって相談もあった。

 これはヤマトなら出来る所だと思う。

 ただ、その寄り合いの時にヤマトの気持ちは分からなかったから、話し合いが進展しなかった。


 その後、ヤマトの気持ちを聞けたから、ヤマトにも都合がいい話になる。

 じいさんもそのくらいの事は分かるから反対はしないだろうけどね。

 どうするかね?

 ヤマトについてまだ2年は先の話だけど、野菜はすぐに上手くいくわけでもないからタイミング的には悪くはないと思うんだよ。


「じいさん、離れで3人頑張ってるってよ」

「ぶっ、何言ってるんだ、ばあさんは」

「先にセクハラ発言したくせに。早くひ孫の顔が見れると思えば歓迎するところだろ?」

「まだ学生だぞ!」

「うちの娘はその学生の内にヤマトを作ったけどな。ちゃんと教育したはずなんだけどね」

「…………」


 じいさんが口をつぐんでしまったよ。

 あの娘は私に似たんだろうね、突発的に家を出て子供を作っちまうんだからね。でもいい子を作ってくれたもんだよ。


### 続く ###


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