第027話 夏休み前の学校にて
もう明日から夏休み。夏休み前最後の学校だ。
昨日の夜も3人で楽しんだ後一緒に眠ったから、先ずはお風呂に入って身体を洗わないと。
それから朝食を作り、父さん達と5人でテーブルを囲み食べ始めた。
父さん達も今の生活に慣れ、食事は交代で作っている。
母さんは、セイラやアリーシャを甘やかすような料理ばかり作るのでちょっと困る。特にセイラには嫌いな野菜も食べさせないと。
「ヤマト、明日から夏休みだよな。どうするんだ?」
「いつも通りじいちゃんのところに行く予定。アリーシャも紹介しないといけないし」
「お父さんによろしく言っておいてね?全然帰れなくてごめんって」
「今回の休暇中に帰らないの?」
「う~~ん、仕事じゃないけど挨拶回りに行かないといけない人が多くてね。その人達も忙しいからこのタイミングでないと時間が取れないって」
「時間が取れたら行くつもりなんだけど、まだ時間が読めなくって。
お義父さんには土下座して謝りに行くからて言っておいてくれ」
未だに父さんはじいちゃんに母さんの事で悪い事をしたと思ってるから、行くと土下座で謝っている。
じいちゃんは俺が産まれた時にもうそんな事は思ってはいないんだけど、面白いから放おっているらしい。じいちゃんも悪趣味だけど。
「分かった。言っとく」
「ヤマト、お義父さんとおじいちゃんって仲が悪いの?」
「そんな事はないよ。仲は良いよ。ただ、じいちゃんに引け目を感じてるから、行った時の挨拶は土下座から始まるんだよ」
「何回か見たけど、おじいちゃんはその時笑ってて、その後一緒にお酒飲んで楽しそうだったよ」
「そんな感じだから、アリーシャは気にしないでくれ」
「ふ~~ん」
じいちゃんの家についてはまた後で教えるとして、朝食を食べてから学校に行く準備をする。
着替えた後セイラの髪を整えて、今日はツインテールにする。軽く化粧もして完了。アリーシャはいつも通り自分で整えて、髪型はセイラと合わせてツインテールにしていた。
アリーシャもセイラの準備を手伝ってくれるので、メタバースにダイブして2人を待たせる時間が短くなった。
いつも通り校門から3人で校舎に入っていく。
2人にくっつかれて挟まれながら教室まで行くが、回りの視線がいつも以上に視線が痛い。
これだけくっついていれば、明日から夏休みという状況で睨んでいる奴らは羨ましいのだろう。
まあ、それだけの事を合宿から帰ってからしているがな、お前らの知らないところで。
羨ましいだろ?
まあ、心の中でちょっと優越感に浸りながら、セイラと別れて教室に入る。
俺は自分の席に移動し、既に来ているトキオと話す。
「トキオ、おはよ」
「ああ、ヤマト、おはよ。この間のヤマタノオロチとエッダの演習は参加したか?」
「したよ。何かあったか?」
「エッダのプレーヤーの大剣が凄くてさ。俺のヒートソードが一瞬で斬り落とされちゃってさ」
「トキオ、マジか?ヒートソードって斬り落とされるもんか?」
やべぇ、ヴァルトラウテにあげた「炎の大剣」か?
確かにピアレイの回りにヒートソードやアーマードギアの残骸がいっぱい落ちてたけど、あれ全部やったのかよ。
「これがマジなんだよ。他の奴のヒートソードも簡単に斬られちゃってさ。たまたま通りかかったクサナギのヒートソードとシールドバインダーだけが斬れなかったんだよな。
クサナギが来なかったら、俺の機体も墜ちてたよ」
「クサナギのヒートソードとかって特別製なのか?」
「さあ、聞いたことないな?」
交換したばかりだし、俺も特に回りに言ってないからな。知ってる奴がいたりしても怖いけど。
しかし、うちの国側にどれだけの被害が出てたのか、そのうち確認するか。
「どこでそんなヒートソードを手に入れたのかね?どう思う?ヤマト」
「ファントムと一緒に宇宙戦艦とかってのを誰か手に入れただろ?そこから出て来てんじゃないの?」
出してるのは俺だけどな?
他のもそんなに規格外品だったりするのか?スナイパーライフルはちょっと威力高め程度だったけど。
ちょっと注意しよう。
「ああ、ファントム手に入れた奴が羨ましい」
「そうだな。俺も欲しいよ。
そうだ、明日から夏休みだけど、結局来ないって事でいいのか?」
「行けるわけないだろ。3人仲良くヤってる中に行くとか馬に蹴られる案件だろ」
「そうか……せっかく農作業の人手が手に入るかと思ってたのにな」
「ヤマト、そんな風に思ってたのかよ」
そんなことは思ってない。全くの素人になんでもやらせると折角の野菜が痛む。
それにそれなりに暑い上にそこそこ重労働だ。無理にやらせるつもりはないし、簡単な作業でもやってくれれば助かる。
それくらいだよ?ほんとに。
「ははは、冗談だよ。手伝ってもらうつもりではいたけどな。農作業なんかやったことないだろ?」
「やったことはねぇよ。でも、大変なんだろ?」
「まぁな、でもそこまで大変な事はやらせねぇよ。難しくない野菜の収穫とか雑草取りとかだな、やらせるなら」
「それくらいなら出来そうだな。でも、お前等のイチャイチャしてるとこにいたくねぇ」
「なら仕方ないな。果物を送ってやろうか?」
「簡単に食べれるやつなら送ってくれ。スイカとかメロンとか」
「ああ、分かった。送り先をメッセージで送っておいてくれ」
まぁ仕方ない。2人と夏休みを楽しむか。
「じゃあ、セイラとアリーシャと夏休みを楽しんでくるよ」
「子供を作ってくるんじゃねえぞ」
「どうだろうな。もううちの両親もセイラやアリーシャの両親も孫の顔を早く見たいって言ってたからな」
「くっそぉ、羨ましすぎるぞ。やってるんだな?ほんとにやってるんだな?」
「どうだろうな?まだ学生だぜ。流石に良くないだろ?」
とか言ってみるけど、別にそんなことは思ってないけどな、してるし。
もう毎日。2人を可愛がってるぜ。
そんな冗談を言ってるとダグが来た。
「「おはよ、ダグ」」
「よう、明日から夏休みだな。ヤマトは爺さんとこに行くんだっけ?
俺は彼女と旅行に行ってくるぜ」
「ダグまで裏切ったぁ」
「いいだろう?この間彼女の両親に挨拶に行ってきたんだぜ」
「くぅぅぅ、俺も彼女の両親に挨拶に行きてぇ。いないけど」
「頑張れよ、トキオ」
「うううう」
ついにトキオが泣いた。散々いじめすぎたかな。
しばらく放っておこう。授業が始まるし。
午前中の授業を受け、一旦昼食のためにメタバースから落ちる。
今日は母さん達がいるから昼食が準備されてた。今日はオムライス。
流石に料理人なだけあって、半熟オムレツに切れ込みを入れ卵が広がるアレをやってくれた。
これにはセイラとアリーシャのテンションが上がる。俺ではまだそこまで上手く出来ない事もあるから。
「お義母さんのオムライス、美味しいです」
「ヤマトのも美味しいけど、もう一つ上の味って感じ。ヤマトのは愛情てんこ盛りだけど」
「そうだね。ヤマトのは優しい味がするもんね」
「2人共ごちそうさま。私の料理はみんなに美味しいって思わせる料理なのよね。味が濃い目だったりではっきり美味しいと思わせる味付けなの。
だけど、今のヤマトの料理は2人のための料理だから、2人の好みにあった味付けなのね」
「母さん、そこまで狙って味付けは出来てねぇよ。そりゃあ美味しいものを食べさせたいと思って作ってるけど」
「そういうもんなのよ。誰がターゲットなのかで味付けが変わるから。
もっと意識して出来るようになれば良い料理人になれるわよ」
「ふ~~ん。まだ、料理人になるかは決めてはないけどな」
俺だって美味しいものを食べさせたいと思うけど、まだ家族相手にだけなんだよな。
料理人となればお客さんみんなだから難しいよ。
この先どうするかはまだ決めてないけど、父さん達みたいにあっち行ったりこっち行ったりで2人や家族に寂しい思いをさせたくはないとは思う。
さて午後の授業を受けて、同好会の方に顔を出す。
夏休み中も教室の使用許可は取ってあるから好きに使える事は話しておいた。誰がいるかは判らないけど、問題は起こさないように。
後、この間母さん達とショッピングに行った時のコーデデータも見せておいた。
2人がいつもとは違うフォーマルなのや大人っぽいカジュアルなコーデが下級生の女子に人気があった。
もう少し大人になったら着てみたいって。
夏休み中に来る子たちはこれを参考に、自分に合いそうなコーデを研究するそうだ。
「先輩達は夏休みどうするんですか?」
「3人でヤマトのおじいちゃんの所に遊びに行くよ」
「野菜の収穫とかさせてもらうの」
「へぇ~、面白そうですね。私のおじいちゃんは市街地に住んでるからそういうのを見た事がないんですよね」
「でも、ということはおじいさんの所に結婚の挨拶に行くのですか?」
「「「「「きゃあ、いいですね」」」」」
まあ、確かに紹介して結婚するって宣言するんだけど。
それだけではなくて、回りのちょっとした所に連れて行って楽しむ予定だ。
アリーシャが楽しんでくれるといいけどな。
用事は済んだから帰ろう。
「「「「「「先輩達、頑張ってきてくださいね」」」」」」
帰って荷物を準備する前にちょっとE.G.G.の方にも行ってこよう。




