第017話-7 合宿 ヤマト、悩む
アリーシャSide
昼食を食べてからヤマトがずっと悩んでいる感じ。
下級生から「お兄ちゃん」とか言われて、ダグラスに「いい加減とぼけるな」って言われてたみたい。
それから難しい顔をして悩んでる。何でだろう?
午後にエントランスで待ち合わせてまた海水浴に行くことになったけど、まだ悩んでるみたい。
「ヤマト、どうしたの?何か悩んでるみたいだけど?」
「ん?そんな顔してたか?」
「うん、昼食食べてからずっと」
「そうだよ、ヤマト。何か悪いものでも食べたの?」
「セイラじゃあるまいし。ちょっとな2人のことで考えることがあるんだよ」
「「え?」」
何だろう?2人の事って。セイラと私、どちらかに告白するって事なのかな?
今までそんなそぶりは見せてないのに?
「まぁ、後でな?」
気になるんだけど。ね?セイラ。
ヤマトSide
未だダグの言葉に明確な回答が出ないまま、宿泊施設のエントランスを出て砂浜に向かう。
道中もいろいろと考えて歩いていたが、セイラとアリーシャは心配そうにこちらを見ているのが見えた。
うーーん、2人にいつまでも心配させるのも……とは思うが、なかなか割り切れずどうしても悩んでしまう。
2人が本当に俺の事が好きだと言うのなら答えを出してあげたいとは思うけど、セイラを放置してしまうようなことはしたくない。
これまで関わってきた以上きちんと相手が見つかるまでは面倒を見ないといけないと思う。
悩みながらふらふらと浜辺までの道を歩き、なんとか到着した。
ダグも心配なのか、こちらをチラチラ見ていたのには気付いていた。
とにかく更衣室に入って着替え、女子達が着替え終わるまでにパラソルやチェアの準備をする。
悩んではいたが余計な事を考えないようにしていたため、準備がテキパキと終わってしまった。
仕方がないからシートに座ってまた悩み始めた。
う~~ん
とりあえず1人パラソルの下でセイラやアリーシャを眺めながら悩む。
というか、頭を抱える。
別にまだ直接告白されたわけじゃないんだ。これ以上悩んでも自意識過剰な痛い奴だろ。
とにかくもうちょっとはっきりしてから考えをまとめよう。
「よう、まだ悩んでるのか?」
「ダグか、ああ、悩んでるよ。ただな、はっきり告白されたわけじゃないのに、好かれてるとか思うのは自意識過剰で痛いだろ?
そう思わないか?」
「あれだけ意思表示されてるのに?セイラ嬢がお前が貰ってくれるとか言ってるのに?アリーシャ嬢もあれだけお前にくっついてくるのに?
それでもそう思うのか?」
そんな難しい事を言うなよ。
ダグ、お前と違って彼女ができた事はないんだぞ?女子が俺をどう思ってるか分かるようなスキルはないんだぞ。
「これだけ言っても分からんか……はあぁぁ。セイラ嬢もアリーシャ嬢も大変だな」
「そんなに俺はだめなのか?鈍い?」
「まぁ、もうちょっと気付けよとは思うけどな」
「はあぁぁ」
ため息をついていたら、今度はエリーがこっちに来た。
俺をいじめるためか?
「あらあら、ヤマトさん。まだ気付いてあげないんですか?」
「気付いてあげないって……俺が女心が分かるとか思ってるの?」
「違いますの?」
「そんなの分かるわけないじゃん。分かってるようだったらとっくにセイラとやることやってるよ。嫌がらないんだからやりたい放題出来るだろ」
「なんというか、ヤマトさんも男の子なんですね。やっぱり」
「随分昔にそういう感情を封印してただけだろ、ヤマトは」
こっちの思い通りにいかないから、女心は難しいんじゃあないのか?
分かるようだったら、もう誰かと付き合ってるよ。
それに確かにそういう事は考えないようにしてたよ。
6歳位から一緒にいる子に欲情するのもどうかと思うしな。大事な妹分だから。
セイラ達の方を見てみると、エリーが来たからじっとこっちを見て何か警戒しているようだった。
それでも俺が悩んでいるようだからこっちに来ないようだけど。
「ヤマトさ、2人が告白してきたらどうする?」
「どっちか選ばなきゃいけないだろ?でも、どっちかが悲しむのは嫌だしな」
「ヤマト、何甘っちょろいこと言ってんだよ。それは仕方がないだろ。2人共にはいい顔できねぇんだよ」
「あらあら、そんな事はないですよ。2人が同意していれば」
「「へ?」」
どういう事だ?二股かけたり重婚したり出来るのか?
2人が同意してたとしてもやっぱり2人にしても気分は良くないだろうし、世間的に問題だろう?
「ヤマトくんもダグラスくんもよく知らないかもしれませんが、今の世の中パートナーが複数いても法的に問題なくなったんですよ。
しっかり同意している事が前提ですが」
「それでエリーは俺に2人と付き合って、将来的には2人と結婚も有りだと言いたいのか?」
「そうですよ。実際うちの家系にも何組かいますから。
別にお金で囲ってるってわけじゃないですからね?」
「そっちの方が納得できるけどな。なぁ、ヤマト」
そうだな。
でも、でかい企業の上の人間が金に物を言わせて囲ってたら、世間的に批判されるだろ。単純にお金だけではないから問題視されてないんだろう。
それはさておき、2人と付き合うとか、将来的に結婚とかどうなんだ?
それぞれの両親はどう思う?
あっ、マイケルさんとシズヨさんは両手を上げて喜びそうだな。
うちの両親は俺に判断を任せるんだろうな。信用してくれてるのか、放任なのかはしらないけど。
「とにかく、今は告白されるまで現状維持だ。今の俺にはどうにも出来ない」
「逃げたな」
「逃げましたわね」
「ヤマト、お前から告白してもいいんだぞ?」
「2人に告白したら優柔不断に思われるだけだろ。告白されたら覚悟を決める」
「そうですか。分かりました。2人にはそれとなく言っておきましょう。」
実際にどうなるかは知らないが、そのタイミングが来たら覚悟を決める……
決めるしかないよな……?
いいのか、それで……?
「ダグ、泳ぎで競争だ。煩悩を吐き出すぞ」
「なんだ?何なんだ?無理してるだろ?延期してもいいんだぞ?」
「延期したほうが精神的に辛い。やるなら早く済ませたいんだよ。
行くぞ!」
とにかく泳ぐ。泳いで泳いで泳ぎまくった。
夕飯のBBQに間に合うようにずっと泳ぎまくった。
5、6kmくらいは泳いだか、ほぼ全力で。
「はぁ~はぁ~はぁ~」
「煩悩は吐き出せたか?」
「多分な。その時が来たら決めるよ」
アリーシャSide
海から上がって今お風呂に入ってる。
大きいお風呂は気持ちいいね。
エリーがダグラスと一緒にヤマトの事を聞いてきてくれたらしいよ。
その後ヤマトはずっと全力で泳いでたみたいだけど、青春?
そんなに悩んでたのかな?
マンガとかだと煩悩を払うのに全力で何か運動に打ち込んだりするけど、そんな感じ?
エリーはどんな話をしたのかな?
「さて、セイラさんとアリーシャさんに朗報です」
「「何なに?どんな事」」
「セイラさん、アリーシャさん、今日の花火大会の時に告白してしまいなさい」
「「え?」」
「「「そうですよ、告白しちゃいましょうよ」」」
「「えぇぇ?」」
「一応、告白してくれたら付き合ってくれる、いずれは2人共貰ってくれると言質を取りましたから」
「「何で?」」
何で突然そんなとこまで話しが飛んでるのかな?
セイラなんか呆然としてるよ?
もらってって言ってたくせに、本当にもらってくれると思ってなかったんだよね?
「セイラ、どうしよう?」
「アリーシャ、もう攻めていくしかないよ。花火の時に私は告白するからね?」
「うん、そうだね。私も頑張る」
「「「でも、2人と結婚ってありなの?」」」
「大丈夫ですよ。もしもの時は弁護士付けて上げますよ、とびっきり優秀な人を。
でも、ちゃんと法律的に問題ないですからね。安心してください」
私的にはセイラとは仲良くなってるし、一緒なのはいいかな?
でも、エリーはどうなのかな?ヤマトの事をどう思ってるんだろ。
「エリーはいいの?」
「私?私はヤマトの遺伝子をもらえればいいから、結婚とかは考えてないわよ?」
「「「「「「え?」」」」」」
どういう事?
### 続く ###




