第017話-3 合宿 海で遊ぼう
準備が終わった頃、ようやく女子が出てきた。
みんなラッシュガードを着ている。やっぱり恥ずかしいのだろう。
それでも生足が見えるので、俺とダグ以外は色めき立っていた。
それぐらいで興奮するんじゃありません。
「セイラ、日焼け止めは塗ったか?」
「まだ。塗って」
「おう、そこのチェアに座れ。全部塗ってやるから」
俺のバッグからセイラ用の日焼け止めを取り出す。
男共からセイラが見えないようにパラソルの向きを変える。
女子も協力してくれるようで、その周りをガードしていた。
セイラはラッシュガードを脱いで手や足を差し出してきた。
その手足に一気に日焼け止めを塗っていく。
「冷たっ」
「我慢しろ」
「ヤマトォ、エロいことしてるんじゃないだろうな?」
「日焼け止めが冷たかっただけだ。次は左手出せ」
「はぁい」
手は塗り終わり、次は足だ。
「ああん」
「ヤマトォォ、何やってんだぁぁ」
「セイラ、わざとらしい声を出すんじゃありません」
「ああああんん」
「やめろ」
「あたっ」
セイラに脳天にチョップを入れてやっと黙った。
他の人がいるとわざと変な声を出すからな、こいつは。
今回はセパレートに水着にしたみたいなので、お腹から背中に回って塗っていく。
「ひゃああ、あはははは」
「……ヤマト、やましい事はしてないよな?」
「してねぇっての」
背中や首、顔も全部塗って完了。
パラソルを元の位置に戻す前にセイラにラッシュガードを着せた。
「終わった」
「ヤマト、羨ましすぎるぞぉ」
ダグ以外男共がこっちに詰め寄って来た。
皆なんか必死な顔をしているのだが?
「何だ?お前等も日焼け止め塗って欲しいのか?」
「「「「男に塗ってもらっても嬉しくねぇ」」」」
「じゃあ、私に塗って」
「「「アリーシャがまた攻めてきてる?」」」
「ああ、分かった。回りに見えないほうがいいよな?」
また、パラソルを調整し女子がカバーしてる。
アリーシャもラッシュガードを脱いでもらい、日焼け止めを塗る準備をする。
「アリーシャ、使ってる日焼け止めはあるか?」
「これ使って」
「OK。さて、アリーシャ、その水着可愛いな。いい感じだぞ」
「そう?こういうの着てみたかったの」
「そうか、良かったな」
そう言って、まず手に日焼け止めを塗っていった。手早く丁寧に。
それから足を塗り始めた。
「んんん」
「ヤマトォォ、またお前はいろんな所を触ってるのかぁぁ!」
「足を塗ってるだけだ」
「十分いい所触ってるだろ」
外野の雑音は耳から除外して、塗ることに専念する。別にエロい事はしていない。断じて。
こちらもセパレートなんで、お腹と背中もしっかり塗ってあげないと日に焼けてしまうからな。
しっかりと塗った。
お腹は筋肉質で引き締まっているけど、ほどほどに脂肪も付いていて柔らかく触り心地が良かった。
「んんん、あああ」
「アリーシャも変な声を出すな。また、男共が狂うから」
「ん〜、そんなこと言ってもお腹や背中を触られちゃうと声が出ちゃう」
「「「「ヤマトォォ、夜に施設の裏で話があるからな!?」」」」
「行かないからな」
セイラの時もそうだけど、別にやましくはない。
ご要望に応えただけだ。
これできちんと塗れただろう。
「ありがとう、ヤマト。ヤマトも塗ってあげようか?」
「じゃあ背中だけ」
「私も塗る」
「じゃあ、セイラも一緒に塗ろう」
塗ってもらうことにしたら、俺達のとこの男子だけでなく周囲の男子からも呪いのこもった目を向けられた。
『マジか、ハーレムだろが。ヤマト先輩、死ね』
『しかもあの胸のセイラ先輩とアリーシャ先輩に塗ってもらうとか、胸が当たる事を期待してるだろ、ヤマト先輩。爆ぜろ』
『あの綺麗な手で塗ってもらえるなんて羨ましい。ヤマト先輩、代わって』
またなんか言ってる。
そんなエロいことを考えてたら嫌われてるだろ。
俺は考えたことはないぞ?
日焼け止めを塗り終えたし、もうそろそろ海に入って遊ぼうぜ。
「遊ぼうぜ!海に入って」
「「うん、行こう」」
そう言って、セイラとアリーシャが俺の腕に自分達の腕を絡めて走り始めた。
俺も引っ張られながら走り海に入っていく。
海の中はいい感じに冷たく、波が砂をさらっていく感触がくすぐったい。
アリーシャとセイラが腕を離したと思ったら、俺に水をかけ始めた。
こっちはまともに目も開けていられず、仕方ないので足で水を蹴散らし応戦した。
「ヤマト、冷たいよ」
「ヤマト、ビチャビチャになった」
「うるせぇ、こっちもずぶ濡れだ」
この仲の良さそうっぽい行動に、トキオ達は血の涙を流さんばかりの憤怒の形相になっていた。
そんなになるようなことしたか、俺?
「ヤマトから沈めてやるぜ、なぁ」
「「「ああ、裏切り者には死を」」」
「トキオ達、程々にな。」
「セイラさんもアリーシャさんもほどほどにね。ヤマトくんが死んじゃいますよ」
他の女子もビーチボールを持って来て、男子を引っ張って海に入り、バレーボールを始めた。
これでトキオ達男子の気分が変わり、ようやく場が和んできた。
男子は女子がミスしたボールを無理に取りにいったりで頑張っていた。それがおかしくて女子は笑ってたけど、あいつ等は満足なようだ。
それに何処かをぶつけ痛がっていると、女子が心配してくれるのがたまらなく嬉しいようだった。
休憩中も女子と話していて、中には個別に女子と海に入っていって遊んだりしていた。トキオはあぶれたようだが。
俺はチェアに寝そべり、ドリンクを飲んでゆっくりしている。
トキオ達の視線が厳しかったし、セイラが溺れたりしないか心配で疲れた。
しばらくはゆっくりするぞ。
と思っていると、セイラとアリーシャがチェアの両サイドに来て、海に入ろうと誘ってくる。
俺が「もうちょっとゆっくりさせて」と行楽地で横になっているお父さんのようなセリフを言うと、聞こえていたのか離れた場所にいたダグとエリーが笑っていた。
それでもゆっくりさせてくれず、セイラが俺の身体に乗っかるようにしてベタベタしてきた。それを見ていたアリーシャも真似を始めた。
当然胸がポヨンポヨンと当たるわけで、柔らかく気持ちが良かった。
それを見たトキオや回りを歩いていた男子から、殺意の念の籠もった視線を浴びせられる。
流石に我慢できなくなり、浮き輪を持って海に入っていった。
セイラもアリーシャも一緒に来たが、浮き輪を持っていないので持ってくるように言った。
「ヤマトって泳げないの?」
「泳げるよ。
ただな、海は波の影響があるから、遊ぶなら浮き輪を準備しておいた方がいい。流された時浮いてられるだろ?
それにな?こうやって浮き輪に乗ってゆっくりするんだよ」
「私も乗る」
「押さえておいてやるよ、ほれ」
「ほい」
これでセイラも浮き輪の穴に尻突っ込み、波に揺られ浮いていた。
2人して浮き輪に乗って波に流れていた。
アリーシャは浮き輪を身体に通して浮いてる。ただ、ラッシュガードを着ていないから胸が浮き輪の上のドンと乗っていて目の毒だ。まぁ、セイラの状態もそれほど変わりがないけど。
波も静かなのでそのままゆったりまったりし、流れ流され波間に漂っていた。
………………
…………
……
「……おーーい、ヤマト。そろそろ起きろ。
帰ろうぜ。夕飯の準備もあるし」
「そうだな。風呂に入ってから戻ろうか」
「こっちは散々遊んだから疲れたよ。風呂で汗と疲れを流そうぜ」
セイラもアリーシャも寝てたようだ。セイラなんかよだれを垂らしてるし。
セイラ達を起こして砂浜に戻る。
パラソルやチェアを片付けて、更衣室兼公衆浴場に向かう。
皆、水着を脱いでさっさと浴場に駆け込む。身体や頭をきちんと洗い砂を落として湯槽に浸かる。
ふ~~、気持ちいい。
やっぱりでかい風呂は気持ちいいな。
砂浜はうちら学生だけの貸し切り状態だったから、変な奴はここには来ないはずだから大丈夫だと思う
回りにトキオ以外いなかったから不埒な事をした奴はいないだろうと思うが、一応確認はしておこう。
「トキオ、誰もこっちに近づいてないか?」
「ああ、みんながお互いにセイラ嬢やアリーシャ嬢に近付かないように牽制してたからな」
「そうか、ならいい」
「ああ、そうだな。
でも、セイラ嬢とアリーシャ嬢が近くにいて、水着を見放題とかどうなんだ?」
「どうなんだって……普通に見ただけだが?お前みたいに邪な目で見てないからな」
「くぅ、俺だってそんな目で見てねぇ」
「本当か?本当にそうか?」
「信用してくれよぉ」
水着が見放題とか言うから信用出来ないんだよ、微妙に。
もうちょと信用に足る発言をしてくれ、そうじゃないとセイラやアリーシャが心配だ。
アリーシャSide
こんな大きいお風呂初めて。
こっちだと温泉が大きいって聞いてたけど、こういう所のお風呂も大きいんだ。
向こうはかなり大昔に温泉ブームとかで大きいお風呂があったらしいけど、やっぱり1人ずつ個別に入る方がいいってことで、小さいお風呂になったんだよね。人口も減ったからなんだろうけど。
ただ、みんなで入るのはちょっと恥ずかしい。合宿なんかは日本ではわりと当たり前にみんなで入るとか言ってたけど。
「タオルはお湯に浸けないでね」
「分かったよ。ああぁ、お風呂が大きいと気持ちいいね」
「今はこういうところとかホテルとかくらいにしか、大きいお風呂はないですからね」
「大昔の日本は、銭湯って大きなお風呂がある公衆浴場がいっぱいあったんだって」
「へぇ〜、いいなぁ。大きいお風呂に入り放題だね」
はぁぁぁ、こんなお風呂いいなぁ。うちのお風呂ももっと大きかったらなぁ。近所に公衆浴場ってないのかなぁ。
「さて、アリーシャさんの進展具合についてですが……」
「全然だったよ。
せっかくラッシュガード脱いで胸を浮き輪に乗せて強調したのに」
「あらあら、それでもダメでしたか。ヤマトくんは女性が好きではないのでしょうか?」
「「「きゃあ、BL?相手はトキオかな?ダグラス?」」」
「ダグくんは彼女がいますよ?」
「「「三角関係?修羅場の予感……」」」
一応、私の胸を見て紅くなって恥ずかしそうにしてたから、男の方がいいって事はないよね?
もっとアピールした方がいいのかな?
### 続く ###




