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TRIPLE-私の知らないあいつは私の知ってるあいつ-  作者: EPO


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第056話-4 合宿 冬 1日目 ゲレンデにて2

 年下の子達がターン出来るようになった。俺は相変わらずターンがほぼ出来なかったが。

 そろそろもうちょっと斜度のきつい初心者コースに移動移動しようか。

 リフトの乗り方も経験させたいし、もう少しスピードが出る方が楽しいだろう。俺はターン出来ないけどな。


「セイラ、そろそろ初心者コースに行こうか」

「うん、ターン出来るようになったし、止まれるし、安全に転べるようになったしね。北斗ちゃん達、みんな初心者コースに行くよ」

「「「「はい」」」」

「みんな疲れてないか?」

「「「「大丈夫」」」」

「初心者コース滑り終わったら今日は終了な。終わったらぜんざい温めてやるから、もうちょっと楽しもうな」

「「「「は〜〜い」」」」




 ということで、初心者コースに行くためにリフト乗り場に来た。

 結構人がいる。混み合ってるほどじゃないけど、ちょっと休憩にはいいか。


「乗り方は先に乗る人のを見て覚えろよ。スノボは片足だけ外してから乗るように」

「「「「は〜〜い」」」」

「北斗ちゃんは私とヤマトと乗るよ」

「じゃあ、みんなの後、最後に乗るぞ」

「「うん」」


 しばらくみんな話をしつつも、先を行くリフトに乗る人を観察していた。ボードから片足を外して、順番が来たら乗り場で待ち、後ろから来たゴンドラに腰を下ろして、セーフティバーを降ろす。

 これで上までゴンドラに乗って移動する。


 みんな3人ずつで乗り、上手くゴンドラに乗れた。

 俺たちも北斗ちゃんを挟んでゴンドラに乗って初心者コースの上まで来た。

 それほど高い所には来ていないけど、それでも見晴らしが良かった。


「綺麗な風景だなぁ」

「もっと上に行った方がもっと見晴らしがいいんじゃない?」

「……帰ってこれない」

「ははは、私がついて行くよ?」

「無理。上手くなったら行くけどセイラに迷惑かけられん」


 リフトで降りてくる手もあるから、見るためだけに上がることもできる。でも、滑れないのに上がった奴とイジられるのはあまりいい気はしない。

 恥ずかしいんだよな。

 結構降りてくる人がいればいいんだけどな。


「お兄ちゃん、高い所が怖いの?」

「怖くはないぞ。ただな、滑れないのにリフトで上がって降りるってのは結構恥ずかしいことなんだよ」

「そうなの?」

「そうなのっ!」

「ヤマト、ほんとはそんなの気にしてないくせに」


 でも、北斗ちゃんにはそういうことにしておいてくれ、セイラ。

 セイラ達が上がって見たいと言うならそのくらいは我慢するけどな。




 そんな俺のプライドについては置いておいて、初心者コースを滑り始める。

 みんな両足にボードを付けて、先頭はセイラが行く。その後が北斗ちゃん達年下の子で、殿は俺が転びながら行く。年下の子達も俺より遅いということはないし、遅ければ俺は休憩して待てばいい。


「初心者コースだけどさっきの所よりは傾斜がきついからな。速くなって怖かったら、止まるか転ぶかしろよ。

 スピードをコントロール出来ないようになったら、林に突っ込んだりしてケガするからな。コントロールできるうちにどうにかして止まれ。

 それに他の人も増えてるから、その辺も注意だ」

「「「「はい」」」」

「セイラは、時々止まってこの子達の様子を見るように」

「は〜い」


 セイラ、北斗ちゃん、年下の子達と順番に滑っていった。

 俺もついていく。

 俺はターンするたびに転んでいるからスピードが出ない。その分先を進んでる子達に様子を見れる。今のところ順調に滑っているようだ。

 先の方にボーゲンで滑ってる子達とエリーとアリーシャらしい人がいた。いや、あのスキーウェアは確実にアリーシャだな。

 うちのスノボをやってる子がその辺りで接触したりしなければいいけど。

 俺はなんとか追いつこうと滑るが、何度も転ぶため追いつけない。


 先行していたセイラを見つけたことでエリー達もこちらに気付いたみたいで、みんなゲレンデの端のところに集まって話している。

 少し遅れてようやく追いついたところが、俺は雪まみれになっていた。


「ヤマト、どうしたの?雪まみれだけど」

「まともに滑れないんだよ。ターンするたびに転ぶんだよ」

「へぇ~、バスケやサッカーが出来るのにスノボはダメなんだ?」

「スキーもだめだな。アリーシャの方はスキーは滑れるようになったのか?」

「だいぶ滑れるようになったよ。下の子達と同じぐらいボーゲンが出来るようになったよ」

「そうですね。成果を見せてあげましょう、アリーシャ」

「ほう、じゃあ後から見せてもらうよ」


 エリーとアリーシャが面倒を見ていた子達が滑るのを再開した。

 逆ハの字にスキー板を開いてボーゲンで滑り出す。危なげなく滑り、ターンも問題ないようだ。俺ならスキーでも転ぶが。


「エリーもアリーシャも頑張って面倒見てやってくれよ。

 後、ナンパされてないよな?」

「ナンパしに来たのはいたけど、あの子達が守ってくれた」

「そのウェアはナンパ野郎共には目立つから気を付けてな。

 このコース滑り終わったら今日は終わりな。おやつの準備をしてあるからあの子達にも言っておいて」

「分かったわ」「分かったよ。私も疲れたし」


 と、エリーとアリーシャを見送って、こっちのセイラ達にも声をかけ気を付けて滑り降りるように伝えた。

 すると、「兄ちゃんの方が気をつけろよ。転んでばっかりなんだから」と言われてしまった。

 もう何度も転んでる分転ぶプロだからケガはしない。


 そのままコースを時間をかけて滑り降りる。

 スノボの子達もスキーの子達も何度か休憩を入れながら滑り終えた。誰かと接触したりもなかったようだ。

 みんな達成感を感じているようで清々しい顔をしていた。疲れているはずなのに楽しかったという感情でいっぱいのようだ。


 アリーシャも無事滑り終え、最低限スキーが出来ると言えるところにまでなったようだ。しかし、スキーウェアがゴスロリチックな上に、胸の膨らみが目立ってナンパ野郎が目を光らせて狙ってるのが心配だ。

 セイラとエリーはやっぱり普通に上手い。みんなの面倒を見、指導もしながら滑り降りてた。こちらもやっぱりスキーウェアの胸の膨らみが凄く3人一緒にいるから狙われてる。ただ、回りにいる北斗ちゃん達がカバーしてくれてた。


 俺は……変わらずターンで転びながら降りてきた。ケガはないけど更に雪まみれになって辿り着いた。北斗ちゃん達年下の子に笑われたがまあいいか。

 やっと降りてきたところにアリーシャ達3人が寄ってきて、雪を払ってくれたりと世話を焼いてくれたり、くっついてきたりで回りの野郎共の視線が痛くなってきた。夏の合宿ではそこまでではなかったんだけどな。

 ひどい奴は「下手なくせにモテやがって」と小声で呟いているのが聴こえた。


 流石に3時間くらい滑ってると北斗ちゃん達下の子は冷えてきてるだろう。

 エリー達も身体が冷えてきてるだろうし。

 今日は終わりにして、もう合宿施設内に入って暖まろう。


「もう部屋に戻ろうか。ぜんざいを準備してきてるからな。昼食食べたところに後で集まってくれ」

「「「「「「「「わ〜〜〜い」」」」」」」」


 みんなでスノーボードやスキー板などの道具を返却して部屋に戻った。


### 続く ###


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