第053話-12 ドラゴニクスvsセンチュリア合同演習 海賊団介入12
俺がドラゴニクスの上位プレーヤーを2機倒し、エレボスがセンチュリアの方を2機倒した。これで演習に参加しているほとんどの機体を潰す一番の障害が消えた。
次に強いであろう指揮官機は残すとして、それ以外の護衛部隊も途中粗方倒した。後強そうなのは遊撃部隊に割り振られた一般プレーヤーだろう。だが、今の強くなった俺達の敵ではない。100機くらいまとまって相手をしても負けない。
それ以外の国軍にも中堅プレーヤーが居るが、一般プレーヤーとさして変わらないからこれも大した問題ではない。
残りはもう敵ですらない。俺ならビームキャノンやビームサーベルで一度にまとめて倒せる。
時間はかかるが全機潰す事は可能だ。
そろそろだん吉達がメンテから戻って来るし、支援機も増員するから今日中には終わるだろう。
『お待たせ!メンテと休憩終わらせてきたぜ』
『改造も終わった。これで敵の攻撃の対処が楽になる』
『私は改造してませんけどね』
『シールドバインダーを追加したのか。確かに敵の攻撃をシールドバインダー任せに出来るし、両手が空くからアサルトライフルとヒートソード両方持てるからな』
『今のところ特にダメージは受けなかったけどな。でも、うっとおしかったんだよ』
確かにダメージを受けなくても銃弾が当たると気にはなるな。
今は敵地のど真ん中だが、うちのメンバー7機が集まって話をしていた。
その周囲をドラゴニクスとセンチュリアの国軍機が遠巻きに取り囲んでいた。
しかし、攻撃してこない。ビビっているようだ。
そりゃあ、既に上位プレーヤー4機と1500機以上を海賊団に墜とされているのだからビビリもするだろう。ビビらない方がおかしいな。
というわけで、更にビビらせてやろう。
『さあて、ドラゴニクスとセンチュリアの残りの皆さん。
まだいっぱい生き残っているようですが、これから皆さんには他のプレーヤーの後を追ってもらいます。頑張って俺達を倒してくださいね。出来るならですが』
『『『『『『ハハハハ』』』』』』
大した犯行声明を言ってるわけじゃないけど、他のプレーヤーは一層ビビリまくったようだ。
『行くぞ!みんな』
『『『『『『了解!』』』』』』
その応答を待って7機が周囲に散開して攻撃に向かった。
ヴァルトラウテのピアレイは、対戦車ライフルを炎の大剣EXの持ち替え、次々と一刀両断。
アナビトリアのケスカは、フライトユニットで少し上空に上がり、魔法のステッキに擬態したスナイパーライフルでマシンガンのごとく連射し敵機のコクピットを貫通。
だん吉のアルカイドは、超音波ヒートソードで斬り付けつつアサルトライフルで射撃。
マッカーサーのヴァン・ダイクは、サブマシンガンで牽制しつつ、超音波ヒートソードで敵機のコクピットを刺突。
静御前のアリスティアは、射撃モードのかっこ可愛い魔法のステッキに擬態したガトリング砲で敵機を蹂躙。
エレボスのテュポーンは、両手に持ったヒートソードの二刀流で敵機を細切れに粉砕。
俺のファントム・セラフは、2門のビームキャノンの掃射で周囲の敵機を薙ぎ払い、大型ビームサーベル、シールドバインダーのパイルバンカー✕2で残った敵機を抹殺。
センチュリアの国軍機を陣の中央から殲滅していきながら外側にあるドラゴニクスの陣に辿り着き、残っているドラゴニクスの国軍機を駆逐していった。
国軍機等大半中堅以下のプレーヤーであり、機体も脆弱で1機1機は瞬殺。
中堅クラスでも4合5合も打ち合えればマシな方で、ほとんどがその前に両断されていた。
1時間もすれば両軍の陣は瓦礫の山と化し、焼け野原のような様相を呈していた。
2000機程はいただろうか……もう動く機体はいない。
大半が逃げ惑いまともに戦闘せず俺達に墜とされたが、中には向かってくる気骨のある機体もいた。そいつらには今回の演習が何らかの成長の一歩になればいいと思う。逃げた奴等はこの先成長しないだろうが。
残りの遊撃部隊の一般プレーヤーの殲滅。
これも皆が潰しに向かった。流石に一般プレーヤーなのに演習に参加するだけはある。急造ではあるが部隊を編成し、リーダーを決め、組織的に攻撃してきた。
指揮をする者、援護射撃をして後方支援をする者、部隊の盾タンク役となる者、前衛で戦う者……
役割分担をして、単騎でいた海賊団の機体に襲いかかってきた。
しかし、そこはエレボスに徹底的に鍛えられた上に、使用しているパーツの性能もいい、となると負けることはなかった。
皆援護射撃はひらりと回避し、タンク役の機体の盾はヒートソードやスナイパーライフルの銃弾が貫通し、前衛との対戦は特訓で身につけたテクニックで難なく退けた。
そうやって次々と遊撃部隊を各自潰していき、どんどん数を減らしていった。
最後300機程度までドラゴニクスとセンチュリアのプレーヤーが減った頃ついには両軍関係なく集まり、それに合わせて集まった海賊団7機に一斉に襲いかかった。
襲いかかる敵機の集団はもう統制がとれておらず、盗賊団とそれほど変わりが無い状態にまで陥っていた。作戦やお互いの意思疎通もなく、とにかく押しつぶしてしまえというような有様だった。
ただ、こちらはそんな烏合の衆にビームキャノンを撃ち込み、乱戦になってもアサルトライフルなど撃ちまくり超音波ヒートソードで切り捨てまくり手当たり次第葬っていく。
それでも一般プレーヤーはこちらに向かってくるだけの気力がある敵機だけ対戦するのは面白い……
ザシュ
遊撃軍の方の最後の1機を大型ビームサーベルで一刀両断した。
後は両軍の指揮官と数機残っている護衛部隊のみ。
こちらも疲れたので支援機を大量に投入し、同時に全機を殲滅することにする。
『サポートAI、もうすぐ終わりだ。指揮官機を墜とす前に護衛部隊の方を殲滅してくれ』
『指揮官機は同時に……で良いんですよね?』
『ああ、それでいい。その後のアナウンスも頼む』
『OKです。あとはやっときますので休んでて下さい』
ああ、これで終わる。7機対4000機オーバーの対戦とかリアルじゃあ絶対にあり得ないからなぁ。
7機で4000機程倒したけど……疲れた。しばらく、海賊行為は無しにしたい。競技大会も近いし。
ああ……でも、これから夕食を作らないといけないなぁぁぁ。
ヤマトSide
E.G.G.から落ちて、自分の部屋というか俺とセイラ達との寝室から出る。
まだ誰もリビングに居ないし、少し時間があるからソファーに横になっていることにする。
ああ、疲れた。
身体がというより精神的に。ゲーム中でもいくらか身体を動かしてはいるが、今回は4000機以上と7機で戦うとか精神の方がまいる。
みんなもそんな感じで別れたけど、どうしてるだろうな?
そんな事を考えていたらエリーが自分の部屋から出て来た。少しやつれたような顔で。
「エリー、調子が悪いのか?なんかやつれてるけど」
「ヤマトも同じ感じですよ。ちょっとゲームに集中してて疲れたのよ」
「そっちもか……こっちもちょうど大きいイベントがあって集中してたんだよな。夕食ちょっと遅れるけどいいか?」
「私はいいけど、セイラが嫌がらなかったらいいわ。まだ、食べれる状態じゃないかも」
「OK」
という事でしばらくソファーでエリーも一緒に休んでから夕飯にしようかと思っていたら、セイラとアリーシャが玄関から入ってきた。こっちも2人ともなんかやつれてる。
セイラがこちらにとことこと歩いてきて、俺の上にダイブしてきた。
「ぐぅぇ……セイラ、お前何やってんだ?」
「ヤマト、疲れた……」
「セイラがゲームに集中してて疲れたんだって。私も同じで疲れたけど」
「みんなゲームで疲れてんのかよ。もしかして、アリーシャ達もあの演習に参加してたのか?海賊団が来るとかってやつ」
「そうだよ。実際来たけどね。4000機以上いたドラゴニクスとセンチュリアと戦うとか凄いよね」
「俺も参加してたけど疲れたよ」
「「「私も」」」
みんなあの演習に参加してたのか……もしかして俺が倒した中にいたのか?トラウマになるようなことになってなければいいけど。
しかし、疲れたって事は結構終わりの方まで生き残っていたのか?結構実力のあるプレーヤーってことか。
PKが普通にあるゲームだからお互いバラしたりしないのがE.G.G.での不文律だから、エリー達がどのアバターなのかは聞いていない。どこかで殺り合ってるかもしれないし、今回も直接俺が墜としてないといいんだが……
それとエレボスが「ヤマ……」ととかゲーム内で俺を呼ぼうとしてたけど、あれは俺のリアルを知っているのか?
サポートAIが漏らしてる?それともどこかからハッキングしてるとか?
…………
まあ、いい。それより夕食だ。
「夕食だけど少し遅らせていいか?」
「いいよ~、でも今日はデリバリーでピザ頼もうよ、ヤマト」
「ああ、いいな。それでいいか?アリーシャ、エリー」
「「うん」」
みんなの了解をえられたし、今日は手抜きをしよう。
その分夜は……しっかり可愛がることにしよう。




