第053話-8 ドラゴニクスvsセンチュリア合同演習 海賊団介入8
アメノミナカヌシ(タケル)Side
ラファエレのシャムシャエルのコクピットを突きに行ったヒートソードを回避されてから、シャムシャエルの動きが格段に良くなった。やっぱり様子を見てたんだな。
こっちもまだまだ実力の40%も出してはないけどな。こっちもそれに合わせてもう少し実力を見せておこう。出来ればついでに周辺の国軍プレーヤーも潰しておきたいかな。
一旦大きく後方に退いたシャムシャエルが体勢を低くしてこちらに突っ込んできた。ファントムは比較的大柄なため脚元が弱いと思われているのだろう。
突っ込んできてそのまま横一閃にヒートソードを振るってきたのを、シャムシャエルをジャンプして飛び越え脚部のピックを地面に突き刺し急旋回した。今度はアサルトライフルを背後から撃ち込んでやる。
ダダダッ ダダダッ ダダダッ
シャムシャエルはすぐに横に飛んでアサルトライフルを避けた。
流石は上位プレーヤーというところだ。飛んで避けたところで急旋回しこちらに戻って来る。次も低い体勢からの攻撃のようだ。
低い体勢からのシャムシャエルの突きを今度はヒートソードで迎え撃つ。
突いてくる低い位置のヒートソードを左右に捌く。シャムシャエルがそのままの勢いで突っ込んでくるのを後ろに下がりながらしばらく捌き続ける。
徐々に突きのスピードが上がってきた。
カンッ カンッ カンッ カンッ カンッカンッカンッ
全て捌き続けるがいつまでも終わらなさそうだ。
さて、もう少しギアを上げようか。
数歩分後ろに下がり、すぐに横へ移動しシャムシャエルの周囲を周り側面に着く。そこから今度はこちらから突きを出し続けた。
シャムシャエルもこちらの突きに対応して受け続けている。
カンッ カンッ カンッ カンッ カンッカンッカンッ
ここに2枚のシールドバインダーからのパイルバンカーを追加する。
パイルバンカーは流石に連射性能はないが、その分ヒートソードの突きとは違うリズムが捌くタイミングを狂わせる。
カンッ カンッ ドスッ カンッ カンッ カンッドスッカンッカンッ
シャムシャエルの方が受け損ない始めた。
ヒートソードだけでは捌ききれず、シャムシャエルが機体を動かしながら避け始めた。それでもヒートソード、パイルバンカー✕2の3本の攻撃を避けきれなくなり、白銀の機体に醜い傷を付け始めた。
1本……2本……3本……4本……
徐々に傷が増え、大きくなってきた。そろそろ、本格的に斬り刻もうか……
そう思った瞬間、シャムシャエルが一気に後ろに下がって距離を取った。
あれ?殺気がダダ漏れしたか?
ドラゴニクス(ラファエレ)Side
ハァハァハァハァ
突きの速度も捌く速度も速い。更にパイルバンカーまで使ってくる。
とても追い付かない。でも、これでも全力じゃないんだろう?
それでも余裕そうに捌いてる。
『ハァハァ、ねぇ、競技大会に出てないよね?』
『出てますよ。ただ、この機体ではないですけどね。
それに今の強さは最近うちの鬼軍曹に特訓を受けたからですけどね』
『どのくらいでそんなに強くなるの?』
『2ヶ月程ですよ、スパルタってやつでしたよ。みんなボロボロになるし……
強くなってるのが分かったからみんな文句を言わなかったけど、普通なら海賊団抜けてるよ。
しかも、この機体も何機分廃棄にしたと思います?』
そんなにハードな訓練だったのか?うちの国軍プレーヤーは辞めちゃいそうだよね。
でも、やる気がある奴なら強くなれるって事かな?
『それでもいいから出張訓練してくれないかな?』
『そんな事はしていない。その分こういう演習や各国間の戦闘に介入するから、それに参加すれば訓練になると思うけど。
ただ、本当に鬼軍曹でボロボロにされますよ、今日みたいに』
『…………ファントムのミコトさん。鬼軍曹はやめてほしいですね。これでも巨乳美少女でとおってますのよ』
『すみませんでした、教官殿、サー』
本当にとことん鍛えられたんだなぁ。うちのもこのくらいハードに鍛えてくれる人が欲しい。
積極的に演習や砦攻略ミッションを増やして参加しようかな。
介入するミッションとそうじゃないミッションの区別がつくといいんだけど。
『出来れば介入するミッションの連絡が欲しいところですが……』
『その辺はうちのトップと相談しときますよ。
では、再開しますか』
シャムシャエルを更に後方にジャンプさせて大きく距離を取って、ファントムの出方を待ってみる。
アメノミナカヌシ(タケル)Side
更にシャムシャエルが距離を取ったからかなり離れてしまった。
このくらいなら射撃戦でもいいんだけど、シャムシャエルの射撃戦用の銃火器がガトリング砲だけだから格闘戦を継続する。
自分が有利なだけの戦闘は自分を堕落させるだけだ。
ホバーリング全開でシャムシャエルの右側面側へ回り込み、ヒートソードを叩き付ける!
シャムシャエルはそれを自分のヒートソードで受ける。シャムシャエルはなんとか受け止めるがこちらのパワーに押され片膝を付いた。
『なんてパワーなの?しかも……あの距離を一瞬で詰めてくるし』
『ファントムだからな。元々パワーもあるし最高速度も速い。プレーヤーの限界以上出せる程ある。それをプレーヤーがどこまで引き出せるかなんですよ。
そっちの機体だってまだまだ限界まで行けてないですよね?』
『そうだね。自分が使えるところまでしかこの子の性能を引き出せてなかったよ。
いいこと教えてもらったよ』
『なら、そっちも自分の限界を超えてみようか……』
片膝付いてたところから立ち上がり始めた。こちらはまだ50%程しかパワーを出してないけどな。
立ち上がったところでシャムシャエルが後方に飛んで、今度は正面からではなく左側面に向かって来た。こちらが左腕にアサルトライフルを装備したままだから受けにくいと思ったのだろう。
シャムシャエルが突きを繰り出してきたところを、右脚を後ろに引いてそのまま後ろに1回転して回避した。
その回転を利用し、こちらに背中を見せているシャムシャエルをヒートソードで切り付けた。
シャムシャエルも回避されその後の展開を読んでたのだろう。これまでにない速度でこちらのヒートソードが届かないい距離まで前進した後、すぐに急旋回しまた突きを繰り出してきた。
『それが今の全速力ですか?』
『もうちょっと上げられると思うけどね。でも、すぐには無理かな』
シャムシャエルの突きを捌きながら話すが、まだもっと上げられると思う、自分の経験談からいけば。
突きを捌きつつこちらもパイルバンカーを繰り出すことにする。シャムシャエルは避けてはいるが体勢を崩され、突きがまともに繰り出せなくなってきた。
もうお終いにしようか。
こちらはヒートソードやパイルバンカーで攻撃をしながらシャムシャエルの回りを少しずつ位置を変えていく。
今までほぼ正面に近い位置でしか攻撃しなかったが、全周囲から攻撃を加える。移動速度を少しずつ上げて。
シャムシャエルも向きを変えながら対応してきたが、こちらの速度がどんどん上がる毎に対応出来なくなってきた。
ついにはシャムシャエルのヒートソードを弾き飛ばした。そのまま肩関節、脚関節を切り飛ばし動けなくした。
シャムシャエルの胴体が仰向けにごろんと転がり最後の時を待つ。
『やっぱり速いなぁ。そこまでの速度が私のシャムシャエルでも出るのかな?』
『さあ?でも、いい仕様のパーツを使ってるならこのくらいの速度は出るかと思いますが。知らんけど』
『じゃあ、もっと速度が出せるように頑張らないとね。また再戦してくれるかな?』
『またこちらが介入した時に居たらですけどね』
『そっか、それでいいよ。また対戦してくれ、今度はもっと本気で。
じゃあ、終わりにしよう』
ファントムをシャムシャエルの前に立たせ、コクピットにヒートソードを突き刺した……
これで上位プレーヤーを1機倒した。後3機は居るはずだが、1機はエレボスの方で処理してくれるだろう。
他の1機はヴァルトラウテの方がやり合いたさそうだから対戦出来るようにセッティングするかな。
### 続く ###




