第053話-4 ドラゴニクスvsセンチュリア合同演習 海賊団介入4
アメノミナカヌシ(タケル)Side
ヴァルトラウテがアナビトリアと役割分担して戦ってくれてる。
だん吉、マッカーサー、静御前もバッサバッサと切り捨ててセンチュリアの陣に侵食していってる。
俺とエレボスはほぼほぼ手を出していない。倒しきれていない敵機にとどめを刺しているだけだ。後は後方、入ってきた方から来る敵機を警戒している。
『だん吉、マッカーサー、静御前、機体の調子はどうだ?悪くなってきたなら交代するが』
『タケル、全然問題ないですよ。まだまだいけます』
『ああ、そうだな。まだ50機も墜としてないから大丈夫だろう』
『この超音波ヒートソードが斬れ過ぎてアルカイドに疲労が溜まってねぇ。もう100機ぐらい斬っても大丈夫だ』
『ヒートソードの方は支援機に替えを搭載してるから適切なタイミングで交換しろよ』
『『『OK』』』
上の方でスナイプしてるヴァルトラウテとアナビトリアは、銃火器の負担が大きいからもう何度も交換しているようだ。
特にヴァルトラウテの方は、対戦車ライフルの反動がデカいからピアレイの腕部にかかる負担もデカい。適当なところで一旦メンテに戻らせたい。
『ヴァルトラウテ、そっちの方はどうだ?腕部に疲労が溜まってきてるだろ?』
『まだ大丈夫!対戦車ライフルや大剣は反動が大きいから、対応できるようにパーツを換えてるよ』
『分かった。壊れる前に言えよ。交代するから。
アナビトリアの方も言ってくれよ?』
『こっちは元からその辺考えてパーツ選びと調整してたから、まだ100発でも200発でも撃てるから』
『そうか。2人共余裕をもってメンテに戻ってくれ』
『『了解』』
5人についてはとりあえず大丈夫そうだ。
こっちは上位プレーヤーが接近してきてる。突っ込んで来るか?
センチュリアのエレクシアが先に来そうだが……
『タケル、エレクシアの方はこちらに来たら私の方で対処しますよ。ドラゴニクスのシャムシャエルの方はお願いします』
『分かった』
俺の方も移動を開始する。ドラゴニクスのシャムシャエルがこっちに向かってきている。
シャムシャエルは騎士然とした西洋甲冑風の形状をしたアーマードギアだった。大きい盾を左腕に持ち、右腕に聖剣風のヒートソードを装備している。カラーリングが白銀という事で聖騎士というイメージなのだろう。
銃火器は盾の内側に小型のガトリング砲2門を装備し、射撃にも対応している。
エレボスの方はもうセンチュリアのエレクシアと接敵したようだ。今の所にらみ合いをしている。
こちらもシャムシャエルに向けて歩き出す。その途中横からドラゴニクスの国軍機が攻撃してきたが、一刀のもとに斬り捨てた。
『ドラゴニクスのシャムシャエル殿、そちらの相手は私の方でさせていただきますよ』
『これはこれは、そちらはどなたなのでしょう?』
『私は海賊団「アメノミナカヌシ」の攻撃部隊長ミコトと申します。機体はファントム・セラフです。以後お見知りおきを』
『これはご丁寧に。しかし、なんでまた演習に海賊団が介入してくるのでしょうか?盗賊団を倒したという事ですから義賊とかでは無いのですか?』
『我々は別に義賊ではないですよ。どちらかと言えば愉快犯だ。自分達が楽しむためにこうやってドラゴニクスとセンチュリアに迷惑をかけに来ている。
特に何かを取り上げるつもりはないが、他者に迷惑な行為をするだけだ』
E.G.G.運営が宇宙戦艦で国を運営してくれとか言うからこんなことをしてるけど、本当はこんなことをしたくはなかったんだけどな。
それでもエレボスが参加したおかげで……と言うか特訓させられたおかげで……強くはなった。次の競技大会は終盤戦まで行けるはずだ。
力試しや武者修行的な感じだと思ってくれればいいんだけど、演習以外では攻撃を受けた方はダメージ分出費が増えるからそうも言ってられないだろうけど。
『そんな事をして面白いですか?』
『面白い。自分達のいい腕試しになる。それに現状のマンネリ化した対戦に緊張感がいくらか出るだろう?』
『う〜〜ん……まぁ、多少はそういうことが分からなくはないですが、流石に認めるわけにはいかないですね』
『別に認めて欲しいわけではないのでね。では、戦いましょうか』
ドラゴニクスのシャムシャエルとの戦闘に入る。
・・・・・・が、
『シャムシャエル殿、ちょっと待ってもらえるかな?ヒートソードを交換するので』
『ヒートソードを交換?強力なのに交換するんですか?』
『いえ、逆ですよ。今日のため用に強力なのにしていたんですが、それを普段用の普通のに交換します。それでもあなたのヒートソードより少し良いですよ?』
『でも、わざわざ弱くする必要はないでしょう?』
『交換しにないとそちらのヒートソードを切断してしまいますよ?』
『は?そんな強力なヒートソードを持ってるんですか?私が使用しているのも購入できる中では最強に近い逸品ですよ?』
『企業秘密です……ってことはなくて、宇宙戦艦内にあったものです。運営で販売しているもの以外の武器があるんですよ、こちらには。アーマードギア用のフライトユニットなんかもそうですね』
『…………いいなぁ』
こちらのヒートソードの交換が終わり、ついに激突することになる。
先ずは銃撃戦から……
ファントムの左腕部に装備させたアサルトライフルをシャムシャエルに向けて撃ち込む。
ダダダッ ダダダッ ダダダッ
ドガッ ドガッ ドガッ
シャムシャエルは盾でアサルトライフルの銃弾を受け止める。しかし、銃弾は盾にめり込んでいてた。
シャムシャエルも盾のガトリング砲をこちらに向けて撃ってくる。
ダッダッダッダッダッダッダッダッダッ ダッダッダッダッダッダッダッダッダッ
カン カン カン カン カン カン
ファントムのシールドバインダーをシャムシャエルの方に向け防ぐ。
シャムシャエルのガトリング砲の銃弾は全て弾き返した。
『な?ガトリング砲の銃弾で傷も付かないなんて。しかも、そっちのアサルトライフルはこちらの盾にめり込んでるんだぞ?どうなってるんだ?』
『使ってるパーツの質が違うんですよ。当然、宇宙戦艦内にあったパーツですがね』
『羨ましい。こちらにも流してくれないかな?』
『それは無理』
ドラゴニクス(ラファエレ)Side
何だ、あれは?私達のパーツとレベルが違う?私のもかなりいいパーツなんですけど!?
宇宙戦艦ってどういう代物なんだ?
ファントムといえば過去と行き来したアーマードギアだったよね?
機体同士の戦闘なら確実に勝てないんじゃないかな?
海賊団の機体は今のE.G.G.では異質過ぎる。
でも、操縦技術的にはどうなんだろう?
それでなら勝てる?
ヒートソードが貫通すればいいんだけど、貫通しないとやるだけ無駄だよね?
『ちょっと聞きたいんだけど、そちらの機体はこちらのヒートソードで貫通するのかい?』
『貫通しますよ。うちの教官殿が普通のヒートソードで貫通させましたから。
ただ、それなりに腕が必要ですが』
『ならやってみよう。行くよ!』
射撃戦の距離を一気に詰めに行く。ファントムの方は律儀にアサルトライフルを片付けてから距離を詰めてきた。ファントムだからなのか機体性能の問題なのか……速い。他の上位プレーヤーの機体でもあまり見ないほどの高加速だ。私のシャムシャエルの加速より上だ。
ヒートソードが届くところまで接近して振り下ろす。
ファントムには横向きになり、体捌きだけ回避されてしまった。
ヒートソードの軌道が見切られてる?
そこからファントムが横一閃ヒートソードを振るってきたのをシャムシャエルを後ろに飛び退かせた。追いかけるようにファントムがこちらに距離を詰めて来たから、牽制するようにヒートソードを横に振るうがファントムに受け止められてしまった。
受け止められたまま鍔迫り合いになってる所へ、左側からファントムのシールドバインダーが迫ってくる。確かパイルバンカーをを装備してるはず。
撃ち込んでくる直前に左脚を引いて反時計回りに機体を回転させ、パイルバンカーを回避した。
ヤバい。向こうはまだまだ余裕があるな。
それに動きも速い。今でも常に私のトップスピードで動いてるような感じだ。まだスピードが上がりそう。
回避で回転させた遠心力をそのまま活かし、ヒートソードでファントムに斬りつける。ファントムはそれを左のシールドバインダーで受け止め、ヒートソードをこちらのコクピットを狙って突き刺しにきた。
『くっ』
またシャムシャエルを後方に飛び退らせた、今度は全力で。
これで一旦大きく距離を開けられたけど、ファントムならすぐに詰められる距離だ。
どうしようかな?かなりヤバくて、なんか楽しい。私ももっと本気を出そう!
### 続く ###




