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TRIPLE-私の知らないあいつは私の知ってるあいつ-  作者: EPO


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第053話-1 ドラゴニクスvsセンチュリア合同演習 海賊団介入1

 ドラゴニクスとタルタロスの国境付近に陣取っていた盗賊団を海賊団「アメノミナカヌシ」が討伐したことが噂になっていた。

 あれについては極秘ということはないが、こちらも特に情報をばら撒いてはいないはず。

 誰かが漏らしてる?箝口令を敷いてるわけじゃないし、かといって核心部分が伝わっているわけじゃない。

 これなら海賊団の箔が付くくらいで実害はない。ドラゴニクスとタルタロスに不興を買うくらいなもんだ。それでも俺達の領土は空の上。攻めて来られることはまずない。


 そんな噂話に聞き耳を立てながら、ラウンジでゆっくりどこかの対戦を見ていた。

 そこにヴァルトラウテと静御前が来る。そして、俺を挟むように座り話を始めた。

 なぜ、向かいに座らない?


「タケル、次のミッションはどうなんだ?」

「まだ連絡もないから決まってない。何かいい話はないのか?」

「こっちも特にないよ。だから腕が鈍りそうで」

「じゃあ、また鬼軍曹に訓練を頼んだらどうだ?」

「いや、それはちょっと……」


 そんなに戦闘をしたいならテュポーンとやるのが一番手っ取り早いし、訓練になる。その代わり倒れるまで相手をしてくれるけどな。


 お互いの状況を話している内に、エレボスやだん吉、マッカーサー、アナビトリアが集まった。

 エレボス以外はそれ程認知度はなく、俺がオーバークロックで多少前回競技大会以降ちょっと認知度があるくらい。

 だが、エレボスは違う。前回優勝者でテュポーンを破壊されたことで更に目立ちやすい。

 このままここに居ては目立つので、俺のメンテブースから宇宙戦艦へ移動する。ここからは完全に俺たちだけだ。


「前の盗賊団退治が終わったけど次はどうする?」

「なんかE.G.G.運営から依頼はねぇの?」

『今のところありませんね。運営も次の競技大会の準備で忙しいみたいですからね』

「それにあの盗賊団の討伐話で、他の盗賊団が活動を控えてるようですよ」

「じゃあ盗賊団討伐はねぇな」


 あれは完全に殲滅したからな。状況が他の奴らに伝わることはなかったはずなんだがな。

 それでもあの辺りの盗賊被害がなくなったから噂が出回ってきたのか?


 盗賊団自体は何かしらのネットワークが存在するのか……

 それでなりを潜めてるのか?

 盗賊団のくせにそのくらいで影に隠れるとか根性のない奴らめ。


 そうなると砦攻略の横槍をいれるしかないか……


『そうですね。その代わりドラゴニクスとセンチュリアの合同演習があるそうですよ。

 それが一番大会前に大きいイベントですね〜。暇ならそこに混ざるというのもいいと思いますよ』

「ああ、それいいかも。そこにみんなで突っ込もう!」

『じゃあ運営の方に連絡しておきますね。それなら演習扱いでこちらもダメージ受けなくて済みますので』

「それはダメージなしはなしでいいですわ。こちらはきちんとダメージを受けるままの方がいいですね。

 皆さん、墜ちませんよね?」

「「「「「「「サー イエッサー」」」」」」」


 これで次の予定が決まってしまった。国同士の演習への介入か。

 凄まじい戦力差だ。いくらでも撃破数を稼げそうだけど、ダメージがどのくらい付くだろうなぁ……

 まあいいか。競技大会前の景気付けという事で。




 ドラゴニクスとセンチュリアの合同演習に乱入することが決まってから数日後……

 サポートAIが情報を集めてくれていて、演習場所や開始日時が分かった。

 他、参加数や上位プレーヤーの情報も仕入れてくれていた。参加数は各国2000機オーバーで、上位プレーヤーは2機と制限しているようだ。

 上位プレーヤーの数は前にヤマタノオロチとエッダの演習のときと同じか。

 この辺は取り決めがあるのかもしれないが、国を運営するくらいにならないと知らないことなのかもしれない。


 場所は普通にドラゴニクスとセンチュリアの国境付近に平原。一番戦闘しやすい場所だからな。

 街道を挟んで睨み合った状態からの戦闘になる。街道の使用権を奪い合うという設定だ。使用権とか占有権の奪い合いというのはよくある話。

 演習はそれを模して行われるようだ。お互い仲が悪いというわけではないけど。


 そんな演習が今日行われる……



 演習会場はどちらの国も、整列した国軍プレーヤーとあまり整列してない一般プレーヤーがいる。一般プレーヤーは希望して参加してるけど、チーム単位で行動するため綺麗に整列していない。

 普段訓練されている国軍プレーヤーは無駄口を叩いていないが、一般プレーヤーは開始時間まで雑談していた。


 その内容は……

 演習相手の上位プレーヤーが誰かとか、自国の指揮官プレーヤーの指揮能力がどうかとか、次の競技大会に参加するかどうかとか……

 その中で一番話題になっているのが「あの海賊団が乱入してくるらしい」ということだった。特に犯行声明があったわけではないが本当らしいと言われている。


『指揮官殿、海賊団が乱入してくるって噂だけど、E.G.G.運営から何か聞いてる?』

『ラファエレさん、特に何も言ってきてないですね』

『ラファさん、運営が何も言ってくるわけないじゃないですか。運営が作った組織だって噂もあるくらいですよ』

『ホノカ、そうなのかい?あのデカい宇宙戦艦とやらも運営が準備したと?』

『そうでしょう?でないと、あれを動かすマシンパワーが足りなくなるって、どっかの考察サイトで言ってましたよ』


 確かにあんな巨大なオブジェクトを個人のPCで動かすのは難しい。

 それでも現状運営のスパコンだけでアーマードギア等全オブジェクトを動かすのが難しいからプレーヤーのPCのマシンパワーも使ってるのに、宇宙戦艦を運営のスパコンで動かすのも難しいと思うのだが。

 宇宙戦艦は意外に処理の軽いオブジェクトとか?


『でも、運営に何のメリットがあるの?海賊団なんてせっかくのルールが破られたら遊びにくいでしょう?』

『それならマンネリの打破とか、いずれ行う海賊団討伐イベントの前フリとか、そういう方向なのかも?』

『う〜〜ん』


 まぁ、無くはない話だ。

 プレーヤー同士皆知り合いだったりするから各国の間で大きな侵攻作戦はまず行われない。仲が悪くないからだ。

 砦攻略はあっても領地の増減は微々たるものだ。その後、大きな侵攻作戦に発展しない。いずれ取り返すから。

 そうなると新興勢力を作って攻めさせることでマンネリ打破を狙える。その後、全国共同で討伐イベントにすればいい。ただ、上空に浮遊している宇宙戦艦を攻められるアーマードギアは何機もいないが。


『海賊団が来たら来たで返り討ちにすればいいか……』

『ラファさん、そうですよ。海賊団なんて5機か6機ぐらいって話だし』

『そうですよ。うちで2123機いますし、センチュリアも同じくらいいるんですから』

『だけど、あのテュポーンを短時間で倒した機体がいるんだよ?』

『数で押せば大丈夫ですよ』


 だといいんだけどね。

 数で押せる敵ではないかもしれない。実際、集団で1機を囲んでも一度に当たれる数はたかが知れているからなぁ。

 テュポーンを倒したレベルの機体が1機ならまだしも、他の機体がどのくらいレベルか分からない。テュポーン並みの機体が5機もいたら……

 うちやセンチュリアの一般プレーヤーが全滅してしまうかもしれない。


 まともに演習が終わるといいなぁ。


### 続く ###


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