第051話-5 盗賊団退治 側近
タケルSide
俺が撃ち込んだビームキャノンの爆音と共に行動を開始した。
こちらはもう先制攻撃している上に、警備していた盗賊団の機体と建物内にいた機体がそこらに転がっている。
撃ったビームキャノンが拠点内の弾薬庫に直撃したのか、予想外の爆発が起こった。ビームだけだとそこまで轟音にならないんだけど、盗賊団討伐の祝砲としてはちょうどいい爆音だった。
とりあえず上空に待機して動き出すのを待つ。
その間ヴァルトラウテや静御前達の状況を確認していよう。
『……ダークプリンセスモード……』
『……闇の巫女……』
何を言ってるんだ?アナビトリアと静御前、あいつらは。
まぁ姿を隠す意味もあって強化ユニットを渡してるんだが、楽しんでるな。
いいけど。
ヴァルトラウテやだん吉、マッカーサーは上手くやっているようだった。
今のところ少しのダメージもなく見事に倒していってるようだ。下っ端ばかりだということだがかなり多数の敵機がいるそうだ。
頑張ってくれ。
テュポーンの方は……心配ないだろう。競技大会優勝者なんだから。
『タケルさん、心配ぐらいしていただきたいのですが。寂しいです』
『心配の必要のないくらい強いだろ。今も下っ端は瞬殺したんだろ?』
『まあ、そうですがね。後は、幹部が5機目の前にいますので、それ潰したら戻りますね』
『こっちは派手に爆発したせいか、頭目がまだ出て来ない』
う〜〜ん、待ってるけどいつまでも出てこない。
炙り出してみるか。
ビームキャノンをまだ崩れていない所に撃ち込む……撃ち込む……撃ち込む……
バッシュゥゥゥ バッシュゥゥゥ バッシュゥゥゥ
半壊しかけていた建物がビームキャノンにより穴が開き、ガラガラと建物が崩れていく。
いくつか穴が開いたままになっているが出てこない。
もうビームキャノンの攻撃の直撃を食らったのか?それとも初撃の爆発に巻き込まれて気絶でもしているのか?
拠点にしては配備されているアーマードギアの数も少ない。ただの弾薬庫や格納庫で物が置かれていただけなのか?
他の所からも頭目らしい機体が出てきていないようだし、エレボスの所も幹部がいるだけのようだ。
ここに居るはずなんだが、どこかに行ってるのか?
ガラガラ ガラガラ ガラガラ
ガラガラ ガラガラ ガラガラ
建物の瓦礫がガラガラと音を立てて穴の中に落ちていく。しばらく見ていたがいつまでも収まらない。ん?
瓦礫が落ち続けている……という事はあの辺り何かがが動いてるってことか?
ダダダッ ダダダッ ダダダッ
まだ瓦礫が崩れている所にアサルトライフルを撃ち込んでいく。
瓦礫やその下の床に銃弾が吸い込まれていく。瓦礫や床が弾け飛び、その下の空間が露わになった。
大きく広がる部屋があり、その奥に3機のアーマードギアが見える。1番奥の機体が通常の機体の1.5倍はありそうな巨大さだった。大きさに見合ったパワーがあるだろう。動きはどうだか……
手前の2機は通常サイズだが細身の機動力重視型に見える。細身とはいえ使っているパーツはかなりいいパーツに見え、見た目よりパワーがありそうだ。
『お前があの海賊団のやつか?』
『ああ、海賊団「アメノミナカヌシ」の者だ。お前達の討伐に来た』
『金が目的か?』
『金はうなるほど宇宙戦艦にある。そんなのよりお前達と戦う方が面白い』
『お前も俺と大して変わんねぇんだな』
『強くなりたいんだよ』
こいつも強くなりたかっただけか。
ぶっ飛ばしてたら手下が出来て、人が増えてきてどんどん知らないうちに知らないプレーヤーが増えてきて制御できなくなったってところか。
こいつ自体が悪いわけじゃないが、悪いプレーヤーが増えて幅を利かせるようになったんだろう。カリスマというか恐怖の象徴ではあったが、リーダーシップはなかったわけだ。あれば盗賊団ではなかったのかもしれない。
『先ずはこいつら2人と勝負してもらう。お前の実力を確認させてもらう』
『そうか、いくぞ?』
地上に降り立ち側近らしい2機が出て来るのを待つ。
形態的に高機動タイプみたいだが、戦闘スタイルはどうなんだろう。
こちらは少々では傷もつかない装甲だし、4枚のシールドバインダーに守られている。
ようやく建物の地下空間から這い出してきた2機がいきなり襲いかかってくる。
左手にアサルトライフルを持たせ、すぐにヒートソードを取り出す。突っ込んでくる2機に対しシールドバインダーとヒートソードで相手のヒートアックスを受け止める。
受け止めた瞬間左側の機体にはノールックでアサルトライフルを撃ち込み、右側の機体にはパイルバンカーを撃ち込む。
相手も挨拶代わりの一撃だったのか、2機共すぐに背後に飛び退く。
いい動きだな。
まぁ、こっちがその動きを上回れば、簡単にダメージを与えられそうだ。
しかし、まだこちらの性能は見せない。相手の攻撃を受けつつ隙を狙う。
『そいつらを簡単に倒せねぇと俺は倒せねぇぞ?』
『そうかい。それなら黙ってみてろ』
次はこちらから距離を詰める。左側の機体にはアサルトライフルで牽制しておいて、右側の機体に突っ込む。瞬時に敵機の前まで移動し、ヒートソードを持ったままコクピットに拳をぶち込む。
通常各種銃火器を持つ必要のある精密機器の手で殴る事はしない。それでも殴ったのはわざとだ。
ファントムの強固なフレームや構造だからダメージはほぼないが、相手は殴ればダメージがあると思うだろう。それに肉弾戦好きの格闘ジャンキーだと意識させられたと思う。
次の対戦への布石だ。
敵機のコクピット回りが凹み、当然プレーヤーにもかなりの衝撃が入っただろう。後ろに倒れ動かない。
すぐコクピットにパイルバンカーを撃ち込み、とどめを刺す。
これで2機連携した技は出せない。
『これで1機倒したぞ』
『くっ』
残りの1機は間合いを取ったままこちらの回りを回り始めた。
こちらは微動だにせず向こうの攻撃を待つ。単純な攻撃ならシールドバインダーで受け止める事ができる。既に受けているがヒートアックスくらい問題ない。グレネードを撃ち込んでくるなら大きく避けるが。
こちらの隙が見せない事に苛立ってきたのか、ショットガンを撃ち込んできた。大量の小さな鉄球がこちらに向けばら撒かれた。俺はカメラアイやセンサー類をシールドバインダーで守るが、それ以外は当たるに任せた。
通常の装甲であればショットガンの大量の鉄球が小さくてもかなりのダメージになるだろうが、こちらはシールドバインダー以外も硬いから塗装に傷すら付かなかった。
『おい、その装甲はどうなってる?そいつはそのショットガンで何機も潰してるんだぞ!?』
『うちの通常通りの装甲だが?このぐらいなんのダメージも受けないぞ?』
『ふざけるなぁ!』
と言われてもな。宇宙戦艦にあるパーツだし、元々この機体はファントムだからかなり硬い装甲が使われている。
今度はこちらからの攻撃だ。向こうがショットガンでの射撃だったから、こちらも銃撃で応えよう。
逃げられないように敵の側近の機体の背後にグレネードを撃ち込む。
ドガァァン ドガァァン ドガァァン
前方だけに安全な空間が出来、こちらはホバーリングで接近しながらアサルトライフルで銃撃する。
逃げ場を前方にしかなくした敵機は動くに動けず、こちらの銃弾を受けるしかなかった。腕部に装備されていた小さなシールドでいくらかの銃弾を受け止めたが、多くの銃弾が胴体や脚部に被弾した。
特に左脚部は関節が破損し、動かせなくなった。
ダダダッ ザッシュ
ファントムを敵機に接近させ、ほぼゼロ距離でアサルトライフルを撃ち込み、更にヒートソードをコクピットに挿し込んだ。
敵機がビクンッと痙攣して膝から崩れ落ちた。
### 続く ###




