第051話-2 盗賊団退治 狙撃戦
ファントムがこの山間部の奥、一番標高の高い所にある第4地点の拠点の上空にたどり着いた。
拠点の建物の外には2機警備にあたってる盗賊団のアーマードギアがいるが、まだこちらには全然気付いていない。
『そろそろ攻撃してもいいかな?ボス』
『もう少しお待ちなさい。アリスティア達がもう少し時間がかかるわ。
ついでに「ボス」は止めなさい、「ボス」は。せめて教官もしくは軍曹殿にしなさい』
『サー、イエッサー』
『『『『ハハハ』』』』
全機で共有している通信チャンネルではヴァルトラウテが少し軽口を叩いていた。皆落ち着いているようだ。今のやり取りで笑えるだけの余裕がある。
俺もテュポーンも既に盗賊団の各拠点上空に待機している。
俺が始めにでかいビームキャノンの1発ぶち込むように言われている。ファントムの2枚のシールドバインダーに搭載されているビームキャノンの発射体勢に入って待機している。
到着が遅れているアリスティア達が第2地点のポジションに着き次第ビームキャノンを撃ち込んで、サポートAIが犯行声明が盗賊団に向けて行われる
『教官、位置に着きました。いつでも攻撃出来ます』
『分かりました。では指揮官殿、祝砲を1発お願いします』
『行くぞ!いっけぇぇ!!』
バッシュゥゥゥ
ファントムのシールドバインダーに装備されているビームキャノン2門を一斉射した。
一番標高の高い所に作られた建物にビームが突き刺さった。
ドガァァァァン
建物が半壊し警備をしていた2機は吹き飛び、中にいた盗賊団のアーマードギアが数機も建物外に吹き飛ばされて大破していた。
しかし、まだボスや幹部の機体は見えない。健在だと思う。
さあ、討伐の時間だ。
ヴァルトラウテ&アナビトリアSide
先ずはあたしの機体ピアレイとアナビトリアの機体ケスカがフライトユニットに乗って上空より盗賊団の集中していた第1地点を確認する。
宇宙戦艦では集中しているとなっていたけど、実際は山地の斜面に点在して下に見える谷間の通り道を警戒しているようだった。
これまでの討伐隊はその谷間を進撃してきていたのだろう。それならこの状態では弱いプレーヤーが突っ込んでくれば簡単に潰せる。
しかし、こちらはフライトユニットがある分地形を選ばない。
実際、今は盗賊団の真上に陣取ってあたしとケスカが盗賊団のアーマードギアに狙いを定めている。
タケルが盗賊団の拠点にビームキャノンを撃ち込んだ爆音が聞こえた。
アナビトリア、行くよ。
あたし達はスナイプで敵機を潰していくよ。
敵機がアクティブスキャンしても索敵出来ない位置にフライトユニットで陣取ってるから、目視で見つけられない間は狙い放題。
逆にこっちは通常の機体より索敵範囲が広くなるようにセンサー類が改造されているから、アクティブスキャンで敵機はもう見つけてある。どれから狙おうか。
ケスカとお互いコンタクトを取り、先ずは1番奥にいる2機をそれぞれ狙う。ケスカが高威力にカスタマイズされたスナイパーライフルを、あたしが対戦車ライフルを撃ち込んだ。
パシュ ドォォォン
ドガァァァァン ドガァァァァン
盗賊団の2機をほとんど真上の方から銃弾が直撃。胴体の中心を貫通しジェネレーターも貫通したみたいだ。
アーマードギア自体が爆散した。
ああ〜、鬼軍曹に怒られるだろうな。
強襲とはいえなるべく静かに潰すように言われてたのに。コクピットを潰せれば静かに墜とせたんだけど。
ケスカの方も慌ててるみたいだ。
う〜〜ん、ちょっと失敗した。まあ、いいか。
味方の機体が突然爆散した盗賊団が慌ててる。どこから攻撃されてるか分かってないみたいだ。
次の目標を決めてどんどんスナイプするぞ。
ドォォォン ドガァァァァン
バシュ ガスッ
こっちが狙った敵機はまた1撃爆散し、ケスカが狙った機体はコクピットを貫通したらしい。
くっ、この対戦車ライフルの威力が強すぎるんだ。そうだ、仕方ない。
もう気にしない。どんどん狙っていこう。
盗賊団の下っ端達はレーダーの索敵範囲外からの攻撃に、目視で確認しようと周囲を見回してるけど見つけられないようだった。
それはそうだろう。自分達がいる場所より遥かに高い位置にいるんだから。
険しい山の斜面に陣取ってるから、自分達より高い所から攻撃されないと思ってるんだろう。下の谷間から攻撃してきていないのは見れば分かるはず。
まあ、隠れるとこがいっぱいあるから、そこから攻撃してきてると思ってるんだろう。
ドォォォン ドガァァァァン
バシュ ガスッ
引き続きケスカと手分けして盗賊団の機体をスナイプしていく。
一撃必中。
あたしがジェネレーターを撃ち抜いて爆散させれば、ケスカがコクピットを撃ち抜いて沈黙させる。どんどん敵機の残骸を量産していく。
半数以上敵機を潰した頃、ようやく上空にいるあたし達に気付いた。
バラバラとアサルトライフルを撃ってくるけど、あたし達には届かない。
『当たらねぇ、てめえら降りてこいや!!』
『卑怯だぞ。正々堂々と闘えや!!』
何やら盗賊団が盗賊らしからぬことを言ってる。当然無視して攻撃してやる。ケスカの方も同じようだ。
位置を変えながらどんどんどんどん対戦車ライフルを撃ち込んでいく。
ドォォォン ドガァァァァン
ドォォォン ドガァァァァン
ドォォォン ドガァァァァン
向こうでもケスカが無双してる。
『チェーンジ!ダークプリンセスフォーム!!』
…………いや、もう最初からフォームチェンジしてない?
ケスカも次々と支援機に飛び移り、位置を変えながら狙撃してる。
軽やかに舞うように飛び移る。その漆黒の妖精の姿は可愛い……
あたしのピアレイじゃああんな真似は出来ない。
2/3を墜としたところでまだこっちの5倍以上戦力がいるのに逃げ始めた。逃げたところでフライトユニットや支援機があるこちらからは逃げられないからな。
『行きなさい、ストームブリンガー達!』
え!?支援機ってそんな名前?まあ、いいけど。
多数の支援機が盗賊団のアーマードギアを追っかけ、レーザーを一斉掃射し切り刻んでいった。腕部や脚部、頭部なんかの出っ張りがなくなっていき、胴体だけが斜面のそこかしこに転がってる。
『ぐぁぁ、助けてくれぇぇ』
『クソぉぉぉぉ、殺せぇぇ……』
『復讐してやるからなぁァ………………』
『復讐出来るならどうぞ?このダークプリンセスを見つけられるかしら?』
『煽るのはやめときな。どうせE.G.G.にもう入ってこれないんだからだ』
『そうですね。もう会うこともないですからね』
最後に転がってる機体のコクピットに向け1発1発確実にぶち込んで戦闘が終わった。
あたしとアナビトリアのミッションは完了!
### 続く ###




