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TRIPLE-私の知らないあいつは私の知ってるあいつ-  作者: EPO


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第050話-2 年末年始 大晦日1

 次の日、大晦日……

 昨日は父さんと母さんがお節料理の準備や夕食を作ってくれて、大掃除も終わったばかりだから暇を持て余した。

 今日も暇を持て余しそうだ。どうしようかな。


 そう考えながら目を覚ます。そばに3人が寝ていた。昨日晩も遅くまで仲良く愛し合ってたからなぁ。

 まだ3人共夢の中にいるようで、俺だけ起きてシャワーを浴びて朝食の準備をする。父さんも母さんもお節料理の仕上げをするから、朝食ぐらい俺が作った方がいいだろう。


 メインはオニオングラタンスープだ。後はサラダを付けて、足りないならトーストを食べればいいか。

 薄くスライスした玉ねぎをオリーブオイルで飴色になるまで炒め、コンソメスープを入れ塩コショウで味を調整。

 後はカップに注いで、パンとチーズを乗せてオーブンで焼けば完成。

 セイラと俺のは大きいカップにしてある。

 ちなみに、年末だし匂いの問題もあるからニンニクは使用してない。入れるなら玉ねぎを炒めるときに。


「おはよう、ヤマト。朝食作らせてごめんね」

「いいよ。この後お節料理作るんだろ?朝食ぐらいどうってことないよ。

 昼食はまた買ってくるよ」

「おはよ、ヤマト。悪いな」

「おはよ、いつものことだろ。今年は2人多いけど。夕食は年越しそばでまとめていいよな?」

「天ぷらはこっちで揚げるよ。海老は良いのをいっぱい仕入れてるから」

「うん、分かった」


 今日の話をしてると、ようやく3人が起きてきてシャワーを浴びに行った。

 父さんから「また、昨日頑張ったのか」と呆れられた。

 俺は苦笑いをして、オニオングラタンスープの準備をする。


「おはよう」

「「「おはよ、ヤマト」」」

「ほい、オニオングラタンスープとサラダ。足りないなら食パンもあるからな」

「ありがと。今日はどうするの?」

「基本的に昨日と変わらないな。昼食の買い出しだ、

 午後キッチンが空いたら、俺は年越しそばとお雑煮の準備をするくらいだな。

 その間、セイラとアリーシャは初詣の着物選びで、エリーは叔父さんから贈られた着物の確認な」


 アリーシャが着たいって言ってたから母さんが準備してくれている。セイラは毎年恒例で逃げられない。

 うちに娘がいないので母さんがセイラを可愛がっていて、ある程度大きくなってから毎年のように着物を着せている。ただ、窮屈なのでセイラはあまり着たがらない。


「着物!着たかったんだよね」

「着るの大変よ?浴衣はまだいいけど、結構動きにくいわよ?」

「うん、洋服の方が楽」

「そうだよなぁ。生地も厚いし重ねて着るから浴衣より動きにくいと思うぞ」

「それでもいいよ。マンガやアニメに出てくるような綺麗な着物を着たいよ」

「多分あれより解像度が高く綺麗だぞ」


 毎年セイラのを見てるから知ってる。

 セイラも綺麗に着こなすけど、アリーシャもやっぱり綺麗に着こなせるだろう。


「エリーの方の着物はどうだった?」

「お父様は凄いのを贈ってくれましたよ。綺麗で私に似合うと思います」

「そっか、伯父さんも結構高いのを贈ってくれたんだな」

「はい」


 朝食を食べながら今日の予定と着物の話をして、アリーシャがいかに着物が着たいか分かった。その希望は母さんがしっかり叶えてくれる。

 どんな着物を選ぶのかな?いろいろ着物を準備してるから気に入るのがあると思う。

 俺は明日、アリーシャ達の綺麗な着物姿を拝ませてもらおう。


 あとで俺は年越しそばと明日のお雑煮を美味しく作るか。




 さて、お昼には早いけど、暇なので歩き回ってこよう。

 公園を回り、商店街を回って帰って来るかな。


「3人はどうする?暇だから公園とかこの辺りぐるっと歩き回ってこようかと思ってるけど」

「目的は?」

「ない!昼までやることはないし、昨日みたいに寝てても仕方ないしな」

「何か買ってくれる?」

「年末だし、特別だからな」


 年末年始は特別予算が出ている、母さんがセイラのためにって。だから、お菓子とかスイーツへの出費が増えるんだよ。

 今年は3人みんなの分で出てるから、途中でお茶して行こう。


 あと、ついでに今日の昼食はハンバーガーと惣菜パンを買って帰る。

 ハンバーガーはチェーン店だけど、父さんが関わっているところ。特に何かを言うわけでもないけど、味の確認という事で忙しい時は時々使う店だ。

 惣菜パンの方は、ちょくちょくバゲットとか食パンを買いに行く店。セイラは時々試食させてくれるからと必ずついてくる。

 来てくれれば、食べたいバーガーやパンを選んでくれれば助かるか。


 結局みんな暇だった。

 父さんや母さんの料理の手伝いは、高レベル過ぎて3人には無理だし。

 俺は出来ても手伝わせてくれないけど。


 公園へ行く途中パン屋に寄って惣菜パンと食べ歩き用菓子パンをチョイス。

 みんなで食べ歩きしながら公園に入り、すぐに売店に移動。温かいココアや抹茶オレ等をラージサイズで注文して、店内で菓子パンの残りを食べながら飲んだ。


 う〜〜ん、温まる。って、もう飲み食いし過ぎだろ。

 客もいないからって他所で買ったパンを食べながら飲んでる。スタッフが大晦日だから適当でも許してくれてるのかもしれないけど。

 みんな飲み物を飲みながらほっこりとする。


「やっぱり誰もいない」

「大晦日だしな。寒いし家でゴロゴロしてるよ。トキオなんかたぶんゴロゴロして寝正月だろ」

「確かにトキオは寝正月してそうだよね」

「みんな暇してるんでしょうね?」

「でも、ダグは彼女とイチャイチャしてるかもな」


 ダグはうちと同じようにもう同居してるって言ってから、部屋でイチャイチャしてそうだ。もしかしたら今頃……姫納め……をしてるかも?

 でもトキオは夏と一緒で親戚の所に行ってる可能性もあるんだけど、イメージ的にはゴロゴロしてそうなんだよな。


「私達も家でイチャイチャゴロゴロしてたいわね」

「「ねぇ~」」

「昼間からそんな事しないって。父さんや母さんがいるのに」

「じゃあ、叔父様達がいなかったら……ねぇ?」「「ねぇ?」」

「普段してるだろ?休日とか」


 こんな話をしていても今日は回りに売店のスタッフが居るだけなんで、誰も殺気の籠もった視線を向けてこないから気が楽だ。

 リアルはあまり人が多くなくて気楽に過ごせていい。



 ゆっくりして身体が温まった所で、飲み物のカップを持って公園内を回る。

 芝生の広場やいろんな品種のバラが植えられた庭園を通る。


「あっ、忘れてた。秋のバラが咲くんだったんだ」

「あっ、私も忘れてた」

「「何々?それ?」」

「秋に咲くバラでここの半分が満開になるんだったんだよ。厳島神社に行った頃の前かな?」

「春もあるからそっちの方が良い。屋台が多いし」

「セイラ……お前は。まあ5月の中頃になればもう半分が満開になるから見に行こう」

「「「うん」」」


 春にバラを見に行く約束をしながら庭園を通る。今は枝に少し葉が付いてるくらいで、春、というか初夏かな、になれば半分の区間がバラで満開になる。

 いろんな色のバラで。

 弁当も作って来よう。みんなの好きなものを作ろう。


 それから池の回りを回って、別の公園を回ってハンバーガー屋に行く。

 15分程歩いて到着した別の公園は小さいが石垣の上にある。

 今は何もないが昔はお城があったらしい。石垣と周囲を囲む塀が名残りとしてあるだけ。塀に開いている座間から覗く景色が珍しい。

「忍者マンガで時々出てくる塀とそっくりだ」とか言ってアリーシャが喜んでた。こっちも早く連れてくれば良かったかな。


 最後にハンバーガー屋で昼食を買って帰った。

 ちょっと寒かったけど4人でゆっくり過ごせた。家でイチャイチャして過ごすのもいいけど、周囲が静かな大晦日という年内最後の日がなんとなく感じられた。

 ただ、明日から新年がスタートすると、また騒がしい世界になる……


### 続く ###


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