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TRIPLE-私の知らないあいつは私の知ってるあいつ-  作者: EPO


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第048話-2 海賊行為 登場

 ファントムは一気に高度を下げ、閉会式会場上空を一度高速で通過し、急旋回して会場上空に留まる。

 下には対戦を終えたテュポーンともう1機がいる。転送されていた対戦場所から戻されたのだろう。

 決勝戦をこの会場に観に来ていたプレーヤーがざわめいている。E.G.G.運営の上層部も知っているとはいえ、こんな閉会式は前代未聞の事態だ。会場のスタッフが大慌てで走り回っているのが見える。

 テュポーンも今のところ動きがない。


『我々アメノミナカヌシは、時折国同士の戦闘ミッションに介入させてもらう。どちらかの国に肩入れするわけではない。

 どちらも潰させてもらう。

 それと我々は海賊団だ。もしかしたら商隊を襲うかもしれないが、それは御愛嬌と思ってくれ。

 これはE.G.G.運営への不満からの行為ではない。ただ我々が楽しむ為に行うのだ。

 それでは今後ともよろしく頼む』


 俺はアナウンス終了ともに、上空の宇宙戦艦に向けて一気に加速させて浮上した。

 それとともにだん吉達や支援機も上昇を始めた。

 これで俺達のお披露目は終了だ。今後の活動をそのうち決めよう。




 と思っていたら、テュポーンが会場から飛び上がり俺を追いかけてきた。

 ファントムがカタパルトデッキに降り立ったところに、テュポーンも追い着きデッキに降り立った。


『なんだ?用があるのか?』

『タケルさん、何をやってらっしゃいます?』

『誰の事を言ってる?』

『わざとらしく知らないフリをしても知ってますよ?』

『知らないフリもしていないが?』

『その機体、クサナギではなく完全なファントムに余計な装飾してるのでしょ?』

『……』


 どうすれば帰ってくれるのだろうか?

 こっちもそろそろ撤退したい。他の5機ももう戻って来るのに。


『マスター、もう諦めて認めた方がいいと思いますよ。

 そちらの方、全部知ってますから』

『サポートAI、お前と繋がってて情報を流してるのか?』

『いえ、そちらの方をハッキングしたら、マスターやこちらの情報をほとんど知ってましたから。リアルの事も知ってますよ?』

『何ぃ?何で知ってる?』

『さあ?』


 もう覚悟を決めるしかないって事か?

 せっかく海賊行為を楽しもうかと思っていたところなのに、もう終わりか?


『何か要求があるのか?』

『面白そうな事をするようですので、仲間に入れてもらおうかと。

 入れてもらえないなら、皆さんの素性をバラさせていただきますよ』

『おい、サポートAI、いやアメノミナカヌシ、どうする?』


 もう仲間にするか。ちょうどいい広告塔にもなるしな。

 俺が指揮官で、エレボスがトップエースに。ついでに戦闘データを吸い上げ、他のメンバーの訓練に使って強化すればいい。


『マスターの判断に任せますよ。マスターはもうどうエレボスさんを使うか決められているのでしょう?』

『他のメンバーは何て言ってる?』

『ヴァルトラウテさんと静御前が反対していますが、戦力増強される事については賛成と微妙な事を言ってます。それ以外の方は賛成だそうです』

『なんでそんな微妙な回答してるんだ?2人。戦力として考えてるんだからいいよな?』

『AIの私が言うのもどうかと思いますが、マスターは女性の気持ちを理解されていないかと』

『ゲーム内に男女の気持ちとか言われてもなぁ。俺はゲームを楽しんでるんだから』

『はぁ、まぁリアルで十分お楽しみだからなのかもしれませんが……』


 うるさいな、AIのくせに。

 俺は恋愛関係はリアルだけで十分だ。それ以上は要らない。3人が大事なんだし。


『分かった。エレボスの加入を認める。一応この宇宙戦艦は国扱いになっているから、タルタロスから脱退してもらう必要がある。それでもいいのか?』

『ええ、構いません。すぐに脱退届は提出できますが』

『まだしなくていい。テュポーンだが大破したダミーを作らせてもらってもらって地上に落とさせてもらう。後日、タルタロスを脱退してもらう』

『分かりましたわ』




 その後、メンバー全員にエレボスの加入を伝えた。

 エレボスにはメンバーの強化のために戦闘データの提出してもらう約束を取り付けた。みんなにこれで戦闘訓練をしてもらい、戦闘技術アップを目指してもらう。それは俺も一緒だ。

 現状エレボスが教導官も兼ねたトップエースだ。

 競技大会優勝者である以上誰からも異論はない。


 話をしている間に宇宙戦艦内でテュポーンのダミーを急ピッチで作成した。

 いい具合に大破したテュポーンが作成できた。

 ……これを地上の閉会式会場に落とす。


  ドガッ   ヒィィ、うわぁぁぁ


 閉会式会場の観客から悲鳴が上がった。

 直後会場では観戦していたプレーヤーやスタッフ達が騒然とし始めた。観客はテュポーンが海賊団を討伐してくれていると思っていたのだろう。

 しかし、討伐どころか大破して落ちてきたのだ。そんな事になるとは思っていた事が起きた。


 ただ、そんな事が起きたからってE.G.G.が崩壊するわけじゃないけどな?

 未知の盗賊団というものが何か、何をするか分からないからだろう。

 ちゃんと説明はしたのだが、テュポーンの大破した姿を見た恐怖が上回ったのだろう。ちょっと過剰演出だったかな?

 実際、運営を攻撃するような事をするつもりはないし、運営にも話が通っている。国同士の対戦を仲裁するわけでもない。両方潰して嫌がらせをして楽しむだけだ。第3勢力として介入するだけで。


 テュポーンの残骸が落ちてしばらくして、俺が話を始める。

 一応脅しはかけておこう。


『ということだ。テュポーンは俺のファントム・セラフで破壊した。今回の大会での優勝者という話だったが……大したことなかったな?

 意外に簡単に倒せたぞ?

 今後こちらに攻撃を加える場合は覚悟して来るがいい。相応の力で対応しよう。なお、この宇宙戦艦の艦砲射撃で各国の王都は消し飛ぶので注意してほしい』


 俺の話が終わったタイミングで、エレボス自身が落ち込んだような感じで会場に現れた。

 観客は負けて愕然としているのだろうと推測しているだろう。皆エレボスに対して哀れみの目を向けていた。


 だが……自分でハードルを上げるような声明を出してしまった。

 マジにテュポーンの訓練を受けて、実力をつけないとまずい。




 これでエレボスの海賊団加入は隠蔽出来そうだ。しかし、突然こちらに加入したいとか言われると予定が狂う。

 他のメンバーは個人的に声をかけただけだし、それ程目立っているプレーヤーではない。所属している国を脱退しても特に問題はない。

 それを多くの観客が観ている所でこちらに押しかけて来られては身元が簡単に隠せない。海賊団は秘密裏にやることだから、完全に隠したい。

 そして、アーマードギアも外装を大幅に変更した。一部強化ユニットで姿を変更している機体もあるが、見た目でメンバーの機体は元の機体と同一と判断できないだろう。テュポーンもこれから全体の大改造を行わなければいけない。


 宇宙戦艦はこれからずっと浮上したまま、どこかに留まる事なく各国を移動する。どこかの国に肩入れしないという意思表示でもある。

 メンバーは所属を宇宙戦艦に変更したこともあるので、自分のメンテブースから移動できるようになっている。


 そんな宇宙戦艦の中に集まっているとエレボスが戻ってきた。

 その直後、「エレボス、タルタロスから脱退!次はどこへ移籍するのか?」と、ゲーム内のニュースサイトで取り上げられていた。


「「「「「「おお、流石有名人」」」」」」

「タルタロスは無事脱退できましたので、こちらに変更いたしました。

 今後はよろしくお願いしますわ」

「ああ、メンバーの教導の方もよろしくな」

「はい、タケルも含め徹底的に強化させていただきますよ。

 皆さん全員上位プレーヤーになれるレベルまで」

「……はい、お願いします」

「「「「「お願いします」」」」」




 ……そして年が明けた頃、俺達は生まれ変わった。

 エレボスの特訓によりこれまでより格段に強くなった。だん吉達は上位プレーヤークラスまでになった。

 俺は全力のテュポーンに負けない程に……


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