第045話-11 収穫・秋祭り これからの事を
一度河原の方にまで行って川の方を見ていく。流石にもう寒くなっているからそんなに人はいない。
それでも今日も休みなので子供と父親が釣りをしているところだった。ただ、この時期食べるような魚は釣れないと思うけどね。
「あんな風に将来子供と釣りをしたり遊んだりしたいなぁ」
「叔父様のことを恨んでたりするの?」
「そんな事は無いよ?まるっきり遊んでもらったことが無いわけじゃ無いし、料理を教えてもらって構ってもらってるし……
ただ、やっぱり居ないことが多かったからなぁ。それでちょっと寂しかった」
「大丈夫だよ。私達の子供はいっぱい構ってあげられるよ。みんなで協力すればどうにかなるよ」
「ヤマト、今度は構い過ぎて嫌われたりしないといいね?」
「ああ、そういうのもあるな?女の子が生まれたらそうなりそうだ」
「「「ははは」」」
しばらくそのまま釣りをする親子や川の流れを眺めてから、じいちゃんの家に帰り始める。
親子が仲良くしているの事が微笑ましくて、やっぱりちょっと羨ましい。
午後にはもう家に帰るから帰る準備もしないとな。
歩きながら帰る途中、アリーシャが俺に年末年始の事を聞いてきた。
「もうすぐお正月になるけど、お正月はどうするの?おじいちゃんの所に行ったりとか?」
「正月はいつも家で過ごしてるな。父さんと母さんがお節料理を大晦日に作って、雑煮を俺が作ってる。
あとは近くの神社に初詣にも行くけど、アリーシャは着物を着るか?母さんが準備してくれると思うけど?」
「着物?着てみたいよ。セイラとエリーは着ないの?」
「セイラのはもうあるし、エリーは伯父さんが送ってくるだろ?」
「ええ、新しいのを贈るって言ってたわ」
「じゃあ、みんな着物でお詣りだね!」
いつも行く神社は、結構古く割と大きい神社だから周辺のコミュニティから参拝客が多く来る。大きい神社だから屋台がいっぱい来ているから、それも行く理由の一つではある、セイラが屋台を回りたがるから。
ただ、着物姿の3人が並んだらどうなることやら。こんな美少女3人も居ると、回りに野郎共が集まって来そうだ。
なるべく参拝客の少ない時間にしないとな。そうしないとまた神社で睨まれそうだな。
どうしよう?
畑からしばらく歩いてじいちゃんの家に帰り着いてからは、昼食前に荷物の片付けをしておく。もう食べたら帰る。
ただ、今回もセイラもアリーシャも、そしてエリーもまだここに居たいようだった。また帰りたくないとだだをこねられる前に次の予定を決めてしまおう。そうすれば素直に帰ってくれると思うんだけど。
「春に来ようって言ったけど5月がいいかな?田植えの時期になるけど」
「田んぼに裸足で入れる?」
「大丈夫だと思うぞ。エリーも入りたいか?」
「私は遠慮しておきます。小さい時に泥だらけになった事があるから」
「転んだか。それなら仕方ないよな。セイラも同じだしな」
「ぶぅ~、ヤマトが押したからだよ」
懐かしい思い出だ。セイラが隣に引っ越してきた次の年、田んぼを見たことがないって言うから連れてきたんだよな。
セイラと俺が手で田植えをさせてもらった時に、俺がバランスを崩してセイラを押したんだよ。そして……そのまま顔から田んぼに突っ込んだ。まぁ、俺も同じだったんだけど。
で、怒ってしばらく口をきいてくれなかった。
「基本的に田植え機で稲を植えるから、田んぼに入る必要はないからな」
「じゃあ、田んぼに入る必要はないんじゃあ……」
「田植え機で植えられない場所があるんだよ。そこは手で植えるから、アリーシャに任せるよ。それなら素足で田んぼに入れる」
「やったぁ!」
「「気を付けてね」」
セイラとエリーがアリーシャに注意してたけどどうなるかな?
もしかしたら転んでくれるのかな?
植える稲は大した量は植えないから転ばないと思うんだけど?
それにアリーシャ程大きくなっていればそうそう転びはしないけどな。
ばあちゃんの作った昼食を食べながら、帰る話をする。
連休ももう終わりだし。
ただ、じいちゃんばあちゃんもまた寂しくなるんだよな。
「じいちゃん、次は5月の頭の連休に来ようと思ってるんだけど」
「おお、田植えの時期に来るか。誰が手で植える?」
「アリーシャがやりたいって」
「アリーシャさん、よろしくな。でも、みんなもっと前に来てくれていいぞ」
「無茶言うな。休みがあるかなんだよ」
「そうだ。5月の頭ならまた祭りがあるから、ヤマト、また頼むぞ」
「は?5月に祭りあったっけ?」
おい、じいちゃん。小さい頃に来た時はなかったろ?
いつの間に出来たんだ、そんな祭り。
「神事とかの祭りじゃなくて、農場の人達との懇親会みたいなイベントだ」
「そっか。また何か作れって?」
「頼めるか?」
「分かった。考えとく。じゃあ、そろそろ帰るわ」
「おお、また来いよ。いつ来てもいいからな」
話を終えてじいちゃんの家をあとにする。
セイラやアリーシャやエリーが寂しそうだ。だいぶ懐いてたみたいだもんな。やっぱり途中に一度みんなでまた来ようかな。
ばあちゃんもなんか寂しそうになってる。早めに来てあげたいけどなぁ。
じいちゃんばあちゃん孝行の一環で。みんなと後で相談してみよう。
エアーモビリティのポートに向かい、3人と地元に移動して家に帰り着く。
荷物を片付けてる様子をながめていると、やっぱり3人は寂しそうだった、特にエリーが。今回は3日間程だったのに家族でわいわいとして楽しかったんだろう。
やっぱり家族は近くにいるのが一番だからなぁ。
そんな事を考えてるとセイラ達の片付けがいつの間にか終わり、約束していた話し合いの時間となった。
3人がリビングのカーペットの上に正座して、自分達の前のところのを叩いて座るように指示してた。
3人が正座してるから俺も正座で座る。
「お祖母様と話をしていて、私達がヤマトに面倒を見てもらいっぱなしなので、それを改善しようということになりました」
「私も半年程食事でお世話になりっぱなしで、ここ3ヶ月くらいは身の回りの事までやってもらってたし」
「私はずっと生活面全般やってもらってた」
特にセイラが神妙な面持ちで俺に言ってきた。
そうだな。俺が好きでやってたといえばそうなんだけど。
そばにいてくれるだけで嬉しくて、面倒を見てしまう。寂しさを紛らわせていたんだろうな。3人には内緒だけど。
「今はまだいいですが、お祖父様の所で働くようになればヤマトが仕事で忙しくなるかもしれなくて」
「それなのに今みたいにヤマトにさせてると、ヤマトが大変だから」
「私達もヤマトがやってる家事を分担してやることにした」
「「「だから、家事を教えて下さい」」」
アリーシャ達はかなりやる気というか思い詰めてる感じだった。そんなに俺が大変そうに見えたのか?
別にそんなに気にしなくてもいいのに。
俺だって忙しければ、徐々に家事を手伝ってもらって任せるつもりだった。潰れるまで全部自分でするつもりはないよ。
それが家族じゃあないかな?
それに女性だからということはないけど、人として掃除、洗濯、料理が全然出来ないというにも問題だあると思うしな。
「そんなに急いで家事を教えようとは思ってなかったんだけどな?
必要になれば、俺の時間が足りなくなれば、教えて任せるぐらいするつもりでいたんだけど」
「でも、ヤマトはなかなか任せようとはしないでしょ?」
「それはあるかもな。俺の嫁さんになってくれるんだからな。それくらい俺がとは思ってたよ」
「そんなに過保護にしなくてもいい。私達だってやれば出来る」
「セイラ、出来ないと思ってたわけじゃない。でも過保護だったのは確かだな」
「私達は家族になるのだから家事を分担しましょう」
「家族になる」か……そうだな、家族だもんな。
みんなでいろいろ分担すれば時間も出来るし、もっと3人を可愛がってあげる時間も増えるよな?その方が一緒にいてみんな楽しくなれる。
これからもっと家族になろう。
「じゃあ、掃除や洗濯をメインに教えながらみんなでやろう。料理の方は学校が休みの時に教えるから。
ゆっくり教えていくから、気長にやろう」
「「「うん、頑張ります」」」
みんながやる気になっているのに、やる気を削ぐのもダメだろう。
父さんが俺に教えてくれたように、楽しく興味を持ってくれるように教えよう。
そして、俺達の子供達にも……
その後、夕食はもらってきた猪肉、白菜、大根などで水炊きにして、今回の収穫の余韻を「家族」で楽しむ。
みんなでゆっくりお風呂に入り身体中マッサージをし、夜はベッドで家族を増やすための行為で愛を確かめ合った……




