7 強行突破するとでも? アリスside
あのブス·····もといブチ猫が運んでくれた手紙はヒューゴ先生からの手紙だった。
何回も折って畳んで小さいバックに入っていた。
ここではジョシュアくんが睨んで読みにくいので、自室でゆっくり読むことにする。
『親愛なるアリス様、お元気でしょうか。
突然の便りで申し訳ありません。
最近のご体調は如何でしょうか。
お顔の湿疹の具合は大丈夫でしょうか。
包帯姿のアリス様も尊いです。
こんな風に突然、挨拶もなく辞めなくてはならないのはとても不本意です。
家庭の事情かそれとも急病かと、ご心配をおかけしているのではないでしょうか?
実は私は悪魔に出会ったのです。
その悪魔が私がアリス様に近づく事を邪魔するので、私はアリス様の元を避らなくてはなりませんでした。
アリス様、くれぐれも身辺にお気をつけ下さい。
誰も信用すること無きようにお願いいたします。
つきましては、先日より依頼のありました件、全て整いました。
一緒に地図を同封いたしました。
天気の良き日にぜひお出かけしてご確認ください。
その近辺へ私の信頼のおける者を徘徊させております。
連絡があれば、その者へ手紙をお渡し下さい。
またお会いできる日を心待ちにしております。
〜追伸〜
アリス様に頂いた木彫りの猫は今も私の宝物です。
この不遇の時に私の心の支えになってくれています。
貴女の作品は心を暖かくしてくれます。
貴女の作品はこの世界を照らす希望となると確信しております。
心より、応援しております。
貴女のヒューゴより』
「ヒューゴ先生·········」
私は手紙をぎゅっと抱きしめた。
もう一枚、地図が入っていた。
あのマホウニアの街で先生と逸れた時から、ずっと心配していたのだ。
突然、家庭教師が交替すると聞かされて何がなんだか事情が分からなかった。
不遇ってなんだろう?
ヒューゴ先生は望んで辞めたわけでは無さそうで、私は内心ほっとする。
私の依頼とは、·········やっぱりアレよね。
木工工房だ。
私はそこで働いてお金を自分で稼いで暮らすのだ。
そして平民のイケメンの男性と結婚して、末永く末代まで子孫に豊かに自由に暮らしてもらえる土壌を盤石にして·····
私は猛スピードに進む妄想、夢に、胸がドキドキした。
スケジュールを確認しないといけない。
「ねえ、ジョシュアくん、」
部屋のテーブルの天板を拭いている侍女と目があった。
「あ·········」
そうだった。ジョシュアくんはもういないのだ。
何これ、
寂しい?
専属の執事も家庭教師も居なくなるなんてそうそう無いことだから、少しくらい寂しくても仕方ないわね··········
あーあ、もう少し淡白になれたら楽なのに。
「おーほほほっ自分のスケジュールくらい、自分で管理出来ますわよ〜〜ほっほっほっ」
これも平民になった時の練習だ。
街へ出れば最初は一人だと思うから。
今は高らかに笑って、寂しさに耐えてみせるしかないわ。
城外脱出の算段をつけなくては。
私に残されたのはもはや平民への道しかない。
「や、止めてください·······!!」
2歩、後退りする。
「やっぱり来たんじゃないですか!!」
ジョシュアくんはなぜ真っ青なのだろうか?
「貴方の怠惰な仕事ぶりを見物に来ただけだと言うのに、
本当に失礼な門番ね!
おほほほほ!」
本当に、元気そうで安心したわよ。
「ふふっ、ここは平和でいいわね。ジョシュアくん」
ジョシュアくんはひいっと叫び声をあげた。
まったくもう·········何ですの?
「ぜ、絶対に、通しませんよ!猫一匹通しませんからね!!」
だから、なんでそんなに必死なの。
あ、
そっか、
··················
「私を通さないために、門番になったのね?」
なぜ気づかなかったのだろう。
ジョシュアくんは私のことをいつも、
よく知っている。
今日はとても良い天気。
「空が高いわね·······」
真っ青な秋空は雲一つ浮かんでいない。
少し冷たい空気を吸い込む。
今日が、強行突破日和なのね!
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