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王女アリスはツリーの下で前世の夢を見る  作者: 漆あんか
第二章

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42 お茶会へのお誘い アリスside

「人質って何して過ごすのが正解かしらね?」


「さあ?国や状況によって違うのでは?」


エヴリンは私付きの侍女になってくれた。

私たちは18歳設定のアリス木人形をここで待って引き継ぎを行う。


私が気合を入れて美女に作り過ぎた為、将来の自分がモデルとはいえ、今の12歳の私と見た目が全然違うので、引き継ぎに支障が無いように、私も顔に包帯をぐるぐる巻く。

これで王女とはいえゲテモノだ。求婚してくる奴なんていたら寧ろ喜んで受けて立ってやるわよ、ホホホ。


私はこの一週間、コソコソと偽物のように振る舞わなくてはいけない。

間違えた。本物のように振る舞わないといけない。本物だけど





ところで、アリス木人形は魂が空っぽでちゃんと動くのだろうか?


家電製品やオーナメントの動物達を思い出す。

どれも勝手に動き出した。

ということは、木人形も空っぽになれば何となく動くものかもしれない。

動かなければさすがに人形だとバレてしまうから、結局は私が中に入らないといけなくなるかもしれない。


それって結局私が人質になるということで········

北の森へいつ 行けるのか心配になってくる。




「気が進まないけど、これ······」


アシェルが貴賓室へやって来た。お菓子の差し入れと、手紙を一枚持っている。


「アシェル、王女宛のお手紙持って来てくれたの?珍しいね。全部撥ね退けてたのに」


エヴリンと一緒に手紙の内容をチェックする。


「あら!お茶会のご招待状ですのね。いいじゃありません?私が護衛としてお供しますわ」

「エヴリン、お城から持ってきたドレス見せて」


お誘いに飛びつく私達。

かなり暇しているので、どこへでも行ってしまいそうだ。

アシェルはげんなりしている。


「どうして気が進まないの?

アシェルの知り合いなの?このお茶会の主催者は」


「僕の父の上司なんだ」


「え?アシェルのお父様って確か首相よね?その上司って言ったら、もしかしてCP党の党首さん?」


思いがけない、この国トップが主催のお茶会だった。


「そう、だからこれは断りにくいし、断れない。そもそも今回の王女の人質の要請は彼の発案なんだ。」


「なるほどねぇ。出るわ。心配しないで!」


それでも、アシェルは何を言っても不満そうだった。


「·········心配ってそういうことじゃぁないんだけど」


「あら、党首様ってお若いんでしたっけ?」

エヴリンが興味深そうにアシェルから情報を引き出す。


「いや、おじさん。確か50代後半。で、外国人籍の恐ろしく有能な人」


「外国人!そして、結構お若いんですね!」

その歳で党首まで上り詰めるなんてなかなかできないことだ。

この国では住民票さえあれば、外国籍でも政府の高官や重職に就ける。とても開放的な国家だ。『国』の概念がエヴァグリーン国と根本的に違うのかもしれない。


「その方に息子さんはいらっしゃいます?息子さんはお幾つ?」


エヴリンは情報収集能力が高そうだ。

自分で言っていたが、ハイスペック男性の情報は活発に取引されるし、お金になるので、進んで収集しているらしい。


「ごほん、もういいだろ。じゃあ明日迎えに来るから、準備よろしくね。足りないものがあれば即座に用意するから言ってね」


アシェルも、もちろん招待を受けているらしい。

忙しそうに退出していった。

でも、こんな夜中にお茶会なんてね?どんなお茶会かしら。

招待状には『夜8時』とあった。



「あっ、すみません!」


エヴリンが声を上げる。

「ど、どうしたの」


「手土産とか、良かったですかね?」


「!手土産!?」


「実は、私たち一行が持ってきた手土産は全てその日に配ってしまったのです。特別に高価なものは国庫に納められたでしょうし、お茶会主催のご党首に個人的にお渡しするものが無いのは、ちょっと肩身が狭いかもしれません」


「そう!そうよね!

あーっ全然そういうの忘れてた!ありがとう!」


私は前回、実家のお城に帰る時にお土産が無くてUターンしたことを思い出した。

なんだかデジャヴュだ。

だけど、どういうのを持っていくといいかしら?

食べ物?装飾品?それとも??


「党首様のデータが必要よね······」

好みによって贈り物も変わってくる。

「お金は、あんまりありませんよ?」

エヴリンが申し訳無さそうに言う。

世知辛いものだ。


アシェルは忙しそうだったから、手土産如きに煩わせたくないと思う。


私たちは問題を解決する為に街に繰り出すことにした。


読んでいただきありがとうございます!

漆あんかのTwitterへもぜひお越しください♪

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