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王女アリスはツリーの下で前世の夢を見る  作者: 漆あんか
第一章 

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23/85

23 (前世) 俺は姉を探している(1) 敦忠side

俺はようやく日本に帰って来た。


「敦忠!あっちへいっても連絡ちょうだいね!」

姉さんは俺が隣国K国へ行く時は別れを本当に悲しんで、それでも喜んでくれた。

孤児の俺に中学生の時に実の両親が見つかったからだ。

姉さんは俺たちが本当は血の繋がった姉弟でなかったことを明かし、俺に謝罪した。

俺は児童養護施設から引き取られ、両親の仕事の都合でK国に渡って行った。



それから年月が流れ、日本では

未曾有の大地震があった。

以後、姉さんと連絡がつかなくなった。


施設に連絡しても、消息不明ということしか分からない。

俺の不遇な人生で、姉さんの存在だけが唯一の光だった。こんなのは到底耐えられるはずがない。

俺は業を煮やして、碌でもない仕事も凶悪な家族も放って日本へ戻った。


3週間経っても、震災の爪痕は凄まじかった。

特に姉さんの住んでいた東京都は筆舌に尽くしがたい状況で、もはや首都移転も囁かれていた。


俺はまず、俺達が昔暮らした施設の施設長をしていた人を訪ねた。

彼は暫く落ち着くまで宇都宮市で施設を運営するらしい。東京の施設は廃墟となったらしいが、施設長と連絡が繋がり本当に助かった。


宇都宮市で、施設長から聞いた姉さんの話は、俺は知らないことばかりで驚いた。

やはり外国から、集めることのできる情報は限られていた。

俺は姉さんのストーカーを自認していたが、盗聴器や監視カメラやSNSで得られる情報なんてたかが知れている。

それはその柵のない檻から本人が自ら消え去ってしまえば全くの無価値なんだ。


姉さんは、結局見つからなかった。

行方不明者なんて溢れている状況で、俺がどんなに他人に協力を求めてもムダだった。


でも、姉さんはきっと生きている。

それはただの願望だったのか、根拠のない確信だけを持ち続け、俺は残り滓だけで動いているような日本で生息した。


それから、一年。俺はとある作家のSNSに目が止まった。

『森の神の工房』

それは、その土地の木材や金属を使って作った作品を販売する工房を紹介する内容だった。


その作者のペンネームが『うさぎ』。

別に取り立てて珍しくもないが、姉さんが昔のペンネームで使っていた名だった。

『右月→うづき→うさぎ』なのだそうだ。

それに姉さんは手先が凄く器用で、俺は子供の頃にクマの木彫りを貰ったことを思い出す。

急いで所在地を確認する。


「岩手か······」


しかも地図で確認出来ないほど山奥だ。

今までこんな調子で無駄足踏むのはもう数百回だ。

今更躊躇いはない。

俺には行かない選択肢は無かった。


読んでいただきありがとうございます。

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