表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
34/41

【 虹獣 】 6章:タウォ 2話:渇望(カツボウ)

 皆は流れて行ってしまった。新たに着たもの達も…。皆は皆。私は私だ。流されず、それに逆らい、私は私の道を行こう。染められたものを、穢されたものを、変える力を身に付けよう。そして、染めたものに、穢したものに、復讐する力を。


 ちから……ちから…ちから………。ちから?………。何をどうすれば良いのだろうか?どうすれば私を変えるものが手に入るのだろうか?どうすれば復讐出来るだけの力を得られるのであろか…?ん…、あの塀の上にいる獣は何だろうか?…、心の奥底に闇を抱えつつも自由を闊歩している。私は同じく闇を抱えつつも自由が無い。彼の獣が羨ましい。私は彼に近付きたい、近付く事で私は一滴の底に溜まった鬱積を昇華させる事が出来るであろう!タウォ、リルトとの出逢いである。


 私達水は万物の生命に潤いを与え利他的行為に終始し、万物に大きく貢献してきた。それなのに人類というものは自分達だけの繁栄を願い、水や土を汚染させ、山を切り拓き木々を切り倒し、金を始めとした鉱石を奴隷の如く扱い酷使し、火を弄び生命を殺す道具として扱う。それらの行為の反動がやがて人類自体に返ってくる事にも気付かず、人類は利益のみを盲信して損害については省みない。人類の利己的行為は留まる事を知らず、他の動植物を圧迫し時に絶滅に追いやる。何とも自分勝手な生き物だろうか。彼ら人類は中途半端な知恵を得たが為に、その中途半端な武器によって自らを滅ぼす結果を招くであろう。しかし…、そんな時間を待っていられるほど私は気が長くはない。そして、地球の限界だってもうそこまで近付いているのだ。人類が行っている民主制とやらを動植物なども含めた全ての生命によって実施させれば面白い結果が表れるだろうよ。人類を絶滅させよとな!


 何はともあれ力だ!力さえあれば染められなかった!力さえあれば穢されなかった!力さえあれば…!。力…、人間や動物は他の生物を喰う事で力を得ている。私もそれに倣い他の生物を吸収すれば良いのか…。そんな事を思い付いた時に、水辺の傍を蚊の雌が産卵の為にうろちょろと飛び回っていた。

「私はまだ小さい…、私はまだ弱い…、だが!志は大きく、強さを渇望して止まない。例え地道で苦難な道であろうとも、私は強くなってみせる!」

そう呟き心に大きな意志を秘めたタウォは、のろのろと飛び回る蚊に襲い掛かり自らの体へと吸収していくのであった。水面に近付いた蚊を薄く伸ばした自身の体によって包み込み水中へと引きずり込む。引きずり込まれた蚊は、か弱くバタバタともがき抵抗を試みるが、あっけなく最期を迎えるのであった。蚊を吸収した事により自身の体が少し大きく成長したタウォ、同時に吸収のコツや快感を憶えるのであった。

「んふふ…、こうやって少しずつ吸収していけば、やがて大きな力を得るに至るであろう…。その力を得た時こそ、復讐という名の革命の到来なのさ」

そう呟きながら、タウォは自らの大きさに見合った小さな虫を吸収していくのであった。


 これでこそ生きている実感が湧くと言うものだ。流されるままに流され、他のものの意思によって自身の最期を迎える。そんなものは奴隷や家畜のようであり自分の意思が何ら反映されない!例え苦難の道であろうとも、幾多の困難が待ち受けていようとも、私は成長する事を諦めない!復讐が原動力としてある限り!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ