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【 虹獣 】 3章:ルフゥ 2話:反抗(ハンコウ)

 ルフゥは食糧の定期的な調達が最重要項目だと考え出していた。その為にはどうしたら良いか?近所に畜産牧場があり鶏を狩猟しようと思えば出来てしまうのは知っていた。だが、ルフゥは己の信念からそれはしたくはなかった。同じ動物同士が争い喰い合う事に嫌悪感を抱いていた。何か別の手立てはないものか?ルフゥは草花で空腹を満たしながら、川沿いの塀の上を長らく歩き続けながら考え続けていた。


 歩いている途中で雨が降り出してきていた。ルフゥはどこかで雨宿りをしようと適切な場所を探しながら塀の上を歩いていると、塀に隣接した建物の扉が少し開いており人の気配を感じなかったのでルフゥはそこに入って雨宿りをする事にした。雨宿りをしてすぐにそこが倉庫でありペットフードを置いてあるところだと理解した。ルフゥは咄嗟に、ここにあるペットフードを往復して全て持ち出してしまえば暫くは食糧の供給が可能になると考えたが、少しの間をおいて少量ずつ持ち出した方が気付かれ難いかも知れない?とも思った。取り敢えず一度に運べる量は少ない、まずは運んで奪ってから考えよう。そう思ったルフゥはペットフードの袋を口に咥え奪う事にした。


 音を立てないように、袋を引きずらないように、ルフゥは細心の注意を払いながら咥えたペットフードの袋を棲み処へと持って帰ってきた。ルフゥは棲み処に着くと、奪う事の緊張感、奪った事の喜び、その二つから起こる興奮、嬉しさのあまり飛び跳ねたくなったが、それが冷めぬ内に思考を巡らせていた。こんなに上手くいくならば今の内に奪えるだけ奪って備蓄しておいた方が良いのではないだろうか?人だって馬鹿ではない、少量が無くなっただけでも気付きあの扉は堅く閉ざされ鍵も掛けられてしまうかも知れない。幸い今は深夜だ、人達にも他の動物達にも気付かれ難い。

「よし!今の内に奪えるだけを奪っておこう」

そう小さく呟いたルフゥは再度、ペットフードを奪いに倉庫へと向かうのであった。ルフゥはあまりにも上手くいった為に逆に慎重となり倉庫がある建物を一周回り様子を見てみる事にした。正面入口には「ペットフード・平水」の看板が掲げてあった。改めて明かりは付いていない、人の気配はしない、動物の気配もしない…。これなら大丈夫であろう。ルフゥは最初の時と同じ扉から侵入し再びペットフードを奪い去って行くのであった。


 何度も何度も往復しルフゥはたくさんのペットフードを奪い備蓄する事に成功した。これだけあれば食べ物に困っている同胞に分けてあげる事が出来る、助けてあげる事が出来る。自分を認めてもらう事が出来る。やれば出来る、やれば出来た!幸先の良いスタートにルフゥは胸が躍り興奮したまま静寂な夜に向かって一鳴き叫びを上げるのであった。

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