ふしだらエデュケーション
今日あたり、犯されるかもしれない。
そんな予感を頭にちらつかせながら、二年C組の教室へ向かう。がらんとした廊下には、夏の訪れを告げる蝉の鳴き声が響きわたっていた。汗ばんだ肌にブラウスがまとわりつく不快感。にじみ出る汗が暑さからくるものなのか、あるいは緊張からくるものなのか、私自身にも判断がつかない。
十代の持て余す性欲。オスとしての覚醒。遺伝子に組み込まれた生殖本能。それが制御しきれない衝動であることは理解している。ましてや、私みたいな女と同じ空間に閉じ込められるわけだもの、なお更だわ。
私にとってはそう、まるで肉欲の海へ身投げするようなもの。盛りのついたオスがひしめき合う檻の中に、突如として放たれるメス。どうなるかは目に見えてる。けれど、私は絶対に逃げたりなんかしない。男子校への赴任が決まった時からとうに覚悟はできてる。私には教師として、その職務をまっとうする責任がある。聖職者としての使命を背負ってる。
教室の入り口に立ち、一度大きく深呼吸をする。引き戸越しに生徒たちのざわめきが――メスを欲する獣たちの呻きが聞こえる。
さて、気を引き締めていかなくちゃ。諸見里すみれ、二十九歳。教職に身を捧げた女の生き様をその目に焼きつけるがいいわ――。
引き戸を開けて教室に一歩踏み込むと、四十対の瞳が一斉に私へ向けられた。
ああ、想像してる。間違いなく、私の裸を想像してる。この子たちの頭の中では今、歯止めのきかない淫らな妄想が繰り広げられてる。……けれど、私はそのことで責めたりはしない。だって仕方がないじゃない。ただでさえ、女と接することのない日常に身を置いているのだから、艶かしくも可憐な淑女を目にしたら否が応でも欲情してしまうわよ。いいのよ、あなたたち。夢想するだけなら罪にはならないのだから、好きにすればいいわ。
こほん、と咳払いを一つ。背筋をぴんと伸ばして教壇に向かう。
「Good morning everyone」
努めて平静を装い、私は第一声を上げた。
「Good morning teacher」
精気に満ち満ちた声で、生徒たちが挨拶を返す。教室に充満するオスの匂い。彼らのぎらついた眼差し。教室を見渡してあらためて思う。紛れもなく、ここは肉欲の海だわ。
「……おはよう、みんな。暑いけど今日も頑張っていきましょうね」
エアコンが設置されてるとはいえ、教室の中はやっぱり蒸し暑い。規定の温度よりも低く設定することができないのだから、仕方ないといえば仕方ないのだけれど。
さりげなく、ブラウスの一番上のボタンを開ける。
「じゃあ先週の続きね。be動詞と一般動詞の用法。教科書の二十二頁を開いてちょうだい」
淀みなく授業に取りかかろうとしたその時、挙手をする一人の生徒が目に入った。廊下側の列。後ろから三番目の席。田所君だわ。こわばった顔つきで目が泳いでる。
「ど、どうしたの田所君?」
「すいません、教科書忘れちゃいました」
「……た、田所君あなた……」
心拍数が一気に跳ね上がる。……すぐにピンときたわ。見え透いた彼の魂胆。私には、田所君の思惑が手に取るようにわかる。
――マゾヒズム。
被虐性欲。肉体的、あるいは精神的苦痛を与えられることによって性的快感を得る。一般的に変態性欲としてカテゴライズされる、ある種正統的パラフィリア。
そう、彼をつき動かしているのは、マゾヒズム以外の何ものでもない。つまりは、私に叱られたいという欲求の表れ。みんなの前で説教されるという屈辱を味わいたい、私に屈服して辱しめを受けたい、彼はそう願ってる。
その年頃からマゾヒズムに目覚めるなんて、末恐ろしいわ子だわ田所君。……彼のあの瞳。一見して怯えた小動物のような瞳だけれど、そこには嗜虐を渇望する光が宿ってる。私の目はごまかせないのよ、田所君。
「……ダメじゃない田所君」
フルスイングで彼の頬に平手打ちを喰らわせる。
かぼそい悲鳴を上げて彼がよろめいた。
うん、いい感触。ミット打ちの効果てきめん。……実用的だわ、ボクササイズ。
「次、忘れたら……もっと酷いお仕置きするからね? 机を隣に寄せて見せてもらいなさい」
「すすす、すいません、気をつけます……」
きっと田所君は、次も教科書を忘れてくるに違いないわ。だって彼は、何よりも私のお仕置きを求めているだろうから。
さて、不測の事態も無難に対処。これからが正念場よ、すみれ――。
校庭をにぎわす初夏の蝉たちが、いっそう激しく鳴き声を響かせていた。
「“Martin played a trick to Linda”はい、これを和訳するとどうなるかしら? ……橋爪君、答えてみて」
最前列に座る橋爪君が、悠然と立ち上がる。
「マーティンはリンダにイタズラをしました」
「正解。よくできました」
ひと仕事終えたという顔で着席しようとする彼に、さらなる問題を投げかける。
「じゃあ橋爪君……。マーティンはリンダに一体どんなイタズラをしたのかしら?」
言葉に詰まる彼。意表を突かれて完全に狼狽している。困った顔も可愛いのね。
「えっと、わかりません」
「……そうね。英文には書かれていないのだから、わからなくて当然よね。想像してみて。大切なのはイマジネーションなのよ。じゃあ、質問の仕方を変えるわ。……橋爪君ならリンダにどんなイタズラをするのかしら?」
真正面に仁王立ちして彼を見下ろす。逃がさないわよ橋爪君。今日こそは、あなたの本性を暴いてみせるわ。さあ、答えなさい。
「えっと……」
ダメよ、そんな助けを求めるような目で私を見ても。ちゃんと答えるまでは、ここを動かないわよ。あなたがひた隠しにしている恥辱にまみれた真実の姿をあぶり出してあげるわ。
「どうしたの橋爪君? 思うがままに答えればいいのよ」
「えっと……プリントの裏にバカって書いて背中に貼るとか……」
小学生かよ。しかもちょっと陰湿じゃないの。……逃げたわね橋爪君。本当はもっといやらしいイタズラを想像していた癖に。まあ、いいわ。ひと皮剥けるのはもうちょっと先のようね。
彼に恨めしげな視線を浴びせてから、おもむろに窓側へ移動する。
「いいですか、みなさん。Rの発音には注意が必要です。これは日本人が苦手とする発音だと言われているわね」
窓際で足を止め、次のターゲットをチョイス。
「じゃあ……一之瀬君。“Repeat after me”先生の後に続いて。“Martin”」
「マーティン」
「ダメね。モァーティン。はい」
「モーティン」
「うん、おしい。モォァーリン。はい」
「モアーリン」
「違うの。ムォァーリンッヌ。はい」
「ムオアリンヌ」
「……唇の形がダメなのよ、一之瀬君。Rを発音する時はね、キスをするように唇を丸めるの。ちょっとやってごらんなさい」
一之瀬君が口をすぼめて見せる。
「もうちょっと、こう……突き出すような感じね。目を閉じてキスするところを想像してみて」
鼻先五センチの距離で、私がお手本をやって見せる。
彼が眉間にしわを寄せて唇を突き出す。
「ううん……なんか違うわ。一之瀬君は感情がこもってないのよ。好きな女の子に優しくキスするところを思い浮かべるの。やってみて」
そう、私を思い浮かべて。そっと肩を抱き寄せてから、ゆっくりと唇を重ねるの。……恥ずかしいからちゃんと目は閉じてね。私は閉じないけど。そう、とろけるように。はじめは優しく、そして徐々に激しく――。
「……いい感じよ、一之瀬君。一之瀬君はキスしたことあるの?」
「あ、ありません……」
「ふうん……そうなんだ」
一之瀬君。そんな物欲しそうな顔で先生を見ないで。ここで実技講習なんて無理よ……。神聖にして不可侵である教室という聖域で、快楽を貪り合うなんて許されないことなのよ。禁断の果実に手を出してしまったが最後、二人は堕落の一途を辿ることになるのよ。教師と教え子の間には越えてはならない一線があるの。ダメ……絶対にダメなんだから……。
彼に背を向け、廊下側に移動する。
「……じゃあ、テキストを朗読してもらいます。国生君、二十三頁の頭から読んでみて」
「あ、はい」
国生君が立ち上がり、英文を読みはじめる。彼が朗読している間、教室をひと回りしてみる。
……感じる。感じるわ。メスに飢えた獣たちの視線を。私が横切った後の残り香で、彼らはいっそう興奮を高めているんだわ。あらためて思う。やっぱり、ここは肉欲の海。
たとえばこの、財津君。いかにも女受けの良い容姿。顔は美形だし、お肌もつるつるだし。無造作にスタイリングした髪にメッシュなんか入れたりして。この子は将来、間違いなく女で痛い目を見るわ。そういう顔してるもの。……ワイシャツのボタンを三つも開けちゃったりして。きっと私が鎖骨フェチだってことを知ってるんだわ。どこで調べたのよまったく……。年上もいけるのかしら。
でも、彼なんてまだ可愛いほう。野球部の鬼塚君なんて、もっとたちが悪いわ。なんなのよ、その坊主頭は。なんて卑猥な頭の形してるのよ。そんな頭を見せられたら……想像するモノは一つしかないじゃないの。存在自体がセクシュアルハラスメントだわ。通りがけにサラリと頭を撫でてみる。
でも、なんと言ってもこのクラスで一番危険なのは彼――委員長の曽根君ね。ザ・モスト・デンジャラス。絵に描いたような優等生だし、理想的なクラス委員長だと言えるかもしれない。けれど、本当に危ないのは彼みたいなタイプ。ご覧なさいよ、あの目を。銀ぶち眼鏡の奥で、怪しげな光を放つ切れ長の瞳。あれは鬼畜の目だわ。今だってきっと、私を慰み者にする姦計を巡らせているに違いないわ。私をたらし込むために、緻密で狡猾で恐ろしい計画を練り上げているのよ。放課後に人気のない廃校舎の一室へ私を誘い込んで唐突に背後から襲いかかりあっという間に身ぐるみを剥いでから手足を縛り上げ許しを請う私をあざ笑いながらじわじわと嬲るように私の体を弄んで終わりのない陵辱は身の毛もよだ
『ピロロロロロロロロ。ピロロロロロロロロ……』
携帯電話の着信音。
授業中だと言うのに一体誰? 音のした方向に目をやると、明らかに動揺している生徒が一人。
「五十嵐君ね?」
つかつかと五十嵐君の席に向かう。白い携帯電話を咄嗟に隠したのも見逃さない。
「ダメじゃない、授業中なんだから」
「ごめん、先生……」
「今日一日没収よ。一応校則だからね」
「勘弁して、先生……」
両手を合わせて拝むようなポーズ。
「ダメよ。規則は規則なんだから。出しなさい携帯電話を」
「それだけは勘弁して……」
「ダメだってば。ほら、出しなさい」
「今回だけは見逃して……」
「ダメ。出しなさい。出せばスッキリするんだから」
「マジ頼むよ、先生……」
「出しなさい。スッキリするんだから、ほら。気持ちよく出しなさい。五十嵐君のを先生に出して」
「そこをなんとか……」
「出して! 先生に思いっきり出して! 五十嵐君の白いやつ先生に出しなさい!」
「うう……」
渋々差し出された白い携帯電話を彼の手から奪い取る。
まったくもう……。生徒たちに甘く見られてるのかもしれない。淑やかで温厚で情けぶかい聖母のようなイメージが根づいてしまってるんだわ、きっと。生徒が犯した過ちを看過することなんてできない。それは聖職者の名に対する冒涜なのよ。迷える子羊を正しく導いてあげることこそが私の務めなのだから。
「帰りのホームルームが終わったら職員室に取りに来なさいね、五十嵐君」
「……はい」
不満気な視線をよこす彼に、聖母の微笑みを返す。むくれた顔も可愛いのね。
気を取り直して授業再開。と思いきや、挙手をする生徒が目に入る。廊下側の列。前から二番目の席。菊間君だわ。何かを訴えかける深刻な眼差し。
「ど、どうしたの菊間君?」
「……先生、ちょっとトイレ行っていいですか?」
「と、トイレって……菊間君あなた……」
しきりに腰をくねらせている彼に、ゆっくりと歩み寄る。
……そう。我慢できなくなっちゃったの菊間君。無理もないわよね。私の授業を受けているわけだものね。こんな近くに魅惑の女教師がいるわけだものね。
「どうしても……我慢できないの……?」
「はい、すいません」
トイレに行って何をするかは訊かない……。わかってはいるけれど、それは訊かないであげるわ菊間君。仕方がないわよ……男の生理だもの。処理しなければ授業にも集中できないわよね。大丈夫、先生ちゃんと理解してるから。そういったことに関してはね、先生は良き理解者でありたいと思ってる。
「あの、先生……」
生徒たちの心中を察してあげることは、教師の職分だと言えるわ。生徒たちの声にならない声を、悲痛な心の叫びを、ちゃんと聞き取ってあげなくっちゃ! いいのよ、菊間君。先生は決してあなたを責めたりなんかしない。ううん、責められるわけがないわ。だって、菊間君がそうなっちゃったのは先生の責任なんだもの。
「漏れちゃうよ、先生……」
教室という密閉された空間で、濃厚なフェロモンを放出しているのは誰あろう、この私なのだから……。いいわ、存分に出してきなさい。溜まったものを一滴残さず搾り出してきなさい。でもね菊間君、これだけは忘れないで。それは一時しのぎに過ぎないのよ。事を終えた時、そこには得も言われぬ虚しさしか残らなくってよ。
「……菊間君」
「は、はい」
「行ってらっしゃい。……なるべく手短に済ませるのよ」
「はい、行ってきます」
足早に教室を出て行く彼に、心の中でエールを送る。
それでいいのよ、菊間君。たとえ授業中であれ、自分から限界を訴え出たことは評価に値するわ。懸命な判断よ。時として、抑圧された性は悲劇をもたらすことだってあるのだから。
さて、そうこうしている内に残り時間もあとわずか。急ピッチで授業を進めないと。
「では、みなさん。教科書の次のぺ……」
な……。こ、これは……。教壇へ向かう私の足元に、転がり落ちた一つの消しゴム。表面に大きく『和久井』と書かれてある。
罠だわ――。
和久井君は気づいていない。否、気づいていない振りをしている。計ったようなタイミングで床に落ちたこの消しゴムが何を意味しているのか――。つまり、私に消しゴムを拾わせることが彼の狙い。床に落ちた物を拾おうとすると、どういう格好になるか。必然的に淫らな体勢を取らざるを得ない。猥褻なポーズを取らざるを得ない。
和久井君、あなたって子は……。そう、見たいの。私の恥ずかしい格好がそんなに見たいの。
これは危険きわまりないトラップだわ。まさしく肉欲の罠。むろん、回避するのは造作もないこと。見て見ぬ振りをすればいいだけなのだから。けれど、それは逃げていることにならないかしら? 生徒が落とした消しゴムを拾ってあげるというごく当たり前の、人として持ってしかるべき親切心をないがしろにする行為だと言えるんじゃないかしら? ……逃げない。私は逃げないわよ、和久井君。先生、負けないんだから――。
その場で四つん這いになった。和久井君のほうにお尻を向け、くいっと腰を高く上げる。
「このへんに……消しゴムを落としたわよ、和久井君……」
さあ、ご覧なさい和久井君。諸見里すみれのあられもない姿を心行くまで観賞しなさい。
「確かこのへんに……消しゴム……消しゴム……」
お尻を左右に振りながら、視界にある消しゴムを見ないようにして床を探す。
高まる羞恥。踏みにじられる自尊心。ああ……、堪えがたい屈辱だわ。聖職者の道は斯くも険しく無情なり。けれど、その道を選んだのは私自身。この試練を甘んじて受け入れ、それを乗り越えた時、私は教育者として一歩前進することができるはず。
その時、不審な黒い影が私を覆った。背後に忍び寄る何者かの気配。恐る恐る、ゆっくり視線を後ろにずらしていくと、生徒の足が目に入った。私の背後にたたずむ一足の上履き。席を離れてそこまで来ている――。心臓が一度大きく波を打ち、次第に鼓動が激しくなる。
理性が吹き飛んでしまったんだわ――。ほとばしるエロスに情欲をかき立てられて、自制がきかなくなったんだわ。……ダメ。それ以上は近寄っちゃダメよ。最後の防衛線を越えてしまったら、もう引き返すことはできなくってよ。
願い虚しく、その足はさらに一歩踏み出した。……来るべき時が来たのね。とうとう、私は犯されてしまうんだわ。ああ神様、これも聖職者に与えられた試練なのでしょうか。決して免れることのできない、定められし運命なのでしょうか。……見える。私には未来が見える。これから起こってしまう悲劇が、ありありと目に浮かぶ。無理やりスカートを捲し上げられ荒々しくショーツをずり
「先生」
「は、はいっ……!」
顔を上げると、そこには菊間君が。
「ど、どうしたの菊間君……そんなところに立って……」
「いや、先生が邪魔で通れなかったから……」
「そ……そうなの。トイレから戻ってきたのね……」
消しゴムを拾い、和久井君の机に置く。
「……はい、和久井君」
「あ、どうも」
よろめきながら、私はその場に立ち上がった。膝を払い、乱れた着衣を正す。何度か深呼吸して息を整える。火照った体が徐々にクールダウンしていくのがわかる。胸に手を当ててみる。幾分、動悸も治まりつつある。どうにか平常心を取り戻す。妙に静まり返った教室を見回してから、小さく咳払いを一つ。
そして、終業のチャイムが鳴り響いた。
――終わった。
……なんとか無事に切り抜けたわ。危なかったけれど、今日もどうにか純潔を守り通すことができた。淫獣たちの禍々しい欲望の渦中にあって、恐れずに立ち向かい、自らを貫き、教師としての職務をまっとうすることができた。こうして試練を乗り越えるたび、私は少しずつ強くなっていけるんだわ。
心地よい疲労感に包まれて、しばし勝利の余韻に浸る。目を閉じて、耳を澄ませば、どこからか賛美歌の荘厳な旋律が聴こえてくる。
そして私は教壇に立ち、晴れやかに言い放った。
「今日の授業はここまで。“See you!”」
惜別の声を上げる生徒たちを振り切り、二年C組の教室を後にする。
休み時間の喧騒に満ちた廊下を颯爽と歩く。窓越しに差し込む初夏の陽光が、まるで私を祝福するかのように照らしている。校庭では、いよいよ本格的に蝉の大合唱が始まっていた。
今日という一日は、まだ始まったばかり。まだ一時限が終わったに過ぎない。私の授業を心待ちにしている生徒たちがいる。私に導かれたいと願う生徒たちがいる。誰かに必要とされるかぎり、私は聖職者の道を歩み続けるのよ――。
さて、次の授業はB組ね。気を引き締めていかなくちゃ。
今日あたり、犯されるかもしれない。
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