医務室での話
私はステージからの出口から入ってきた道を戻って行きくと通路に出た途端に沢山の観客に周りを囲われ質問ぜめに会うが、兵士さん達に助けてもらい抜け出せた。この騒ぎが収まる間は何処かに隠れようと考えて医務室に向かった。
医務室の看板が見え、そのドアノブに手をかけるが何故か急に緊張し始め、頭には医務室に居た女性の顔が思い浮かぶ。
いや、私はこの人に会いにきたんじゃなくて、ここで少しの間隠してもらうために来たんだ、何故緊張する必要がある。
深呼吸をしてはドアノブを捻りドアを開くと、急に目の前が暗くなるが怖くない。逆に人肌が感じられてしかも柔らかい。もう既に何かは分かっているが、見えないフリをして手で掴むと頭を両手で掴まれる。
「辞めなさいアンナ!」
「あ、アリアさんだったか。おはよう」
「おはよっじゃなくて、お疲れ様。試合見てたわ」
「その時には起きてたんだ。で、いつこの両手離してくれる。かなり痛いんだけど……」
「ん?ワザとやったアンナが反省するまで」
あっ、バレてた。
アリアさんは凄く怖い笑顔をすると力をさらに強くする。
「痛い、痛い、痛い!ごめんなさい!だって仕方ないじゃん、目の前に来る方が悪いよって痛い、痛い、痛い!」
「まだ反省しないか。まぁ、ない物を欲しがるのは人間の本能か……許してあげる。それに丁度アンナを呼びに行こうと思ってた所だし、入ってきて」
アリアさんが手を離し、側面からの痛みが無くなった。それに私はこの大きさでいいんですよーー、私は他人のを触りたいだけだから小ちゃくても良いし。
私は降ろされ、ぶうたれながら部屋の中に入ると中にエルフの女性が座っていた少し微笑んでいた。可愛い。アリアさんは近くのベッドに座り、私はアリアさんが空けてくれた椅子に座る。
「アンナさん、飲み物何かいりますか?」
「あ、じゃあお茶で」
「はい、ちょっと待っててね」
そい言い離れて行くと、アリアさんがこちらに体を寄せ小声で話しかけて来る。
(ねぇ、アンナ。あの看護師、シェイルさんのこと好きなの?)
(な、何言ってるのよ!私が好きなのはシルヴィアとクズハだけだよ!)
(そう?やたらと気にしてるようだからねぇ……)
(そ、そんなことないよ………多分)
(ふぅーん………まぁ、私は眼中に無しか……)
(え?何か言った?)
「何も言ってないわよ。シェイルさん、私にもお茶ちょうだい」
「はーい、分かりました」
遠くからエルフの女性の声が聞こえる。
今更だがあの人の名前、シェイルさんって名前なんだ。
名前を知れて少し嬉しくなっているとシェイルさんが戻って来てグラスに入ったお茶を受け取る。アリアも受け取り、少し飲むと真剣な表情になる。
「さて、アンナ色々と聞きたいんだけどいい?」
「あ、じゃあ私はどっかに行っていた方がいいですか?」
シェイルさんは気を遣ったのか、席から立とうとする。
「シェイルさんは医務室の人なんだから別にここで聞いてても私は構わないよ。アンナは?」
「私も別に良いよ」
「それじゃあ……」
シェイルさんが座りなおすと、私は話を続ける。
「今日、私達を襲った女性のことだよね?あの人の事は私は何も知らないな、私の事は知ってるようだったけど」
「そうなの?アンナの事、大好きって言ってたけど?熱狂的なファン?」
「私って知名度あるのかな?」
「「あるわ」よ」
シェイルさんとアリアさんの言葉がハモる。どちらも顔を見合わせ驚き、少しの静寂の後2人同時に笑い会う。
その状況に私は我慢出来ずに声を上げる。
「もう!話を続けるよ。さっきの感じだとまだ捕まってないの?」
「まだ捕まってない。兵士達が血眼になって探しているらしいけど………あの女性ならすぐ見つかると思うけどね……」
「そうかぁ………そうだ、私と一緒に優勝した子、シークって有名なの?」
「私は知らないわ。シェイルさんは?」
「あー実は私も最近来たばかりで、彼女の事知らないんです」
シェイルさんは頭を下げてすまなさそうにしている。
「そうなんだ……また別の人に聞くよ」
「やっぱり、アンナは気になるの?」
「シークが途中から別人みたいになったから……」
「あれは狂人ね。騎士団長が一方的にやられるなんてね」
「どんな戦闘だった?」
アリアさんが眉を潜めるのに、私はそれが気になり少し近く。
「あ、アンナ!?ちょっと近い……」
「ご、ごめん……うっ寒い」
アリアの近づいた瞬間、ぞくっと寒気がしたので、すぐに離れる。だが、アリアさんは満更でもなさそうだが……。
アリアさんは咳払いをすると、シークとユミルの戦闘を話し始める。
初めに火の壁で隔離した後、ユミルの方が押していてシークを槍で薙ぎ倒し、倒れたシークは満身創痍で動けないからか、ユミルは近づいてとどめを刺そうとするが、その時に異変が起きた。
ユミルが倒れたシークの足元まで近づいて、槍で胸を突き刺そうとするが、シークは槍を当たる寸前で掴みユミルごと投げ飛ばした。それにシークは傷だらけだったが、綺麗に傷が治っていた。
投げ飛ばされたユミルはすぐに体制を立て直すが、一瞬で近づかれたシークに両手を短剣で突き刺さられ地面に倒れ込み、シークがユミルに上乗りになり顔を殴りまくった。
ユミルも抵抗しようとするが、両手は短剣で塞がれて足はシークが両足で抑えていて全く動けず殴られ続け力尽き、嬲られ続けていた。
「その後はアンナが来た状況と同じよ」
「そうなんだ…」
話を聞いたが分からない。何故いきなりシークは強くなったのか、別れる前ではそこまで強くなかった筈なのに。
「アンナ、考えるだけ無駄よ」
「うん、分かってるんだけど………」
「アンナさんは考え過ぎる、いえ、何でも身に受けようするのが駄目だと思います。アンナさんがまずしないといけないのは、自身の身にかかる事、謎の女性についてです」
シェイルさんが私の手を取り、私の目を見て説明する。結構顔が近く、良い匂いがして少し恥ずかしい。
「わ、分かりました。まずは女性の事から考えます」
「はい、そうしてくださいね」
シェイルさんは納得したようでニッコリする。
その後、少し話をして私とアリアさんは医務室にずっと居ても邪魔になるので、私が外に出ても騒ぎにならないと考えて、挨拶をして医務室から出たのだった。
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