目覚め
目が醒める。
知らない天井だ。
周りは白一色の中で、1つだけ目立っていた。何故なら翡翠色の髪のエルフの少女がベッドの脇でうたた寝していたからだ。確か名前はシルヴィアだ。
「お〜い、シルヴィアちゃん、起きなくて大丈夫なの?」
「ふぇ?………あっ!起きたんですか!?」
「見ての通り起きてるよ」
「心配したんですから…」
あって数分しか居なかった相手を、心配するぐらいこの子は優しさがあるのだろう。
「ありがとう、で此処は何処なの?」
「ベヒモスと戦闘した場所の奥の階段を降りた所に、私の祖父が建てた別荘があるのを思い出したので移動して来たのが此処なんです」
「へ〜そうなんだ。ちょっと歩こうかな、ってあれ?」
うまく体に力が入らない。
「ああ、動いちゃダメですよ。あなたは7日間寝ていたんですから」
「え!7日間!?」
「私の体内時計かなり正確だですから、今は貴方が倒れてから7日と10時間47分ってますね」
「そんなに寝てたのか私…」
「今はあなたのテイムしているスライムが、狩にいってくれてるんですよ。言葉は通じてる感じなので良かったです」
「ああ、クロワは賢いからね」
クロワもちゃんといるようだ。
「そうだ!ベヒモスはどうなったの」
ここに居るという事はベヒモスから逃げ切ったのだろうか。
「その前に2つ質問しても良いですか?」
「え?良いけど…」
何を質問するだろ?
「お名前と職業です」
あー、名前を言ってなかったか。初めてあったら普通は言わないとな。
「名前はアンナです。職業は侍ですね」
「そうですか…。初めて言ったような感じですが、アンナさんは私に初めてあった時に、名前を言っていましたよ」
「あれ?言ってたかな。忘れちゃってたよ、あははは」
あれ?おかしいな本当に忘れてる。7日間も寝てたら忘れてしまうのか。
「さっきの質問の返答は、魔法でアンナさんがベヒモスを倒したんですよ」
「…………………………………え?」
「本当にですよ。」
「え?ち、ちょっと待って。職業侍で魔法を使えるの?」
「いえ、使えないはずです。まずは7日前に何があったかを説明します」………
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………「だから、初めにアンナさんの名前と職業を聞いたんですよ」
7日前の話を聞き終わった。後の方の話など1つも覚えにない。
そうだ!スキルを取っていたらステータスに残っている筈だ。
「ステータスオープン」
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名前:アンナ
職業:侍
レベル:498
HP:69860
MP:64230
STR :65580
VIT :30470
AGI :39900
DEX :34580
INT :26900
ステータスポイント78300
装備
装飾:なし
頭:なし
胴:木綿のシャツ
右腕:なし
左腕:なし
脚:木綿のズボン
靴:なし
スキル
身体強化lv10、空歩lv10、危険感知lv10、探知lv10、豪腕lv10、鷹の目lv7、神速lv10、気配遮断lv10、消音lv10、偽装lv10、予知lv7、縮地lv10、鍛治lv10、魔力操作lv10、並列思考lv10、魔法吸収lv4
魔法スキル
【結界魔法lv8】、【時空魔法lv6】、【火炎魔法lv7】、【水流魔法lv7】、【土石魔法lv7】、【森林魔法lv7】、【雷撃魔法lv7】、
パッシブスキル
剣聖lv10、上剣術lv10、剣術lv10、槍術6、斬撃lv10、自動HP回復lv10、言語理解lv-、魔力量増大lv7、獲得経験値10倍lv-、魔法威力増大lv10、魔力自動回復lv5、
ユニークスキル
柔軟lv10、【全魔法適正】再生lv2、
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「な、なんじゃこりゃああぁぁ!?」
ステータスのレベル上がりすぎでしょ!ASOではレベルマックスは200、それをオーバーするなんて、こちらの世界ではレベルマックスが無いのかも知れないが…。
スキルも色々チートスキルが入ってるな。獲得経験値10倍って、こんなものがあったら1人独走状態でレベルアップしていく。これのせいでか、ベヒモスを倒したら元のレベルの2.5倍も増えるなんて…。
「それよりも問題なのは魔法系スキルを取ってる事だな…」
魔力操作などは、職業関係なく取れるのだが、前から言ってた通り、侍では魔法そのものを取得出来ない。
何故ASOで侍が魔法を取得出来ないかと言うと、侍が魔法使うのはおかしいかららしいです。なんでASOはこうゆう所でリアルを追求するのかなぁ。この世界も同じで侍は魔法使えないが。
他にも使えない職業や種族などはある。
取得出来ないものをどうやって取ったのだろうか…。聞いた話ではそのスキル名を言っただけで、スキルを習得出来たらしい。
私はそんな体していないわ
「もういい、こんな事考えても分からないものは分からないな」
そんなこ事を考えていると、ガチャリとドアの開く音がした。その方に向くとクロワがいた。
『マ、マスター!起きたんですね!良かった、ずっと起きないのかと思いましたよ…』
「ごめんねクロワ」
クロワが私の体に飛びつき、私もクロワを抱きしめた。それに合わせて私のお腹が鳴った。
「さて、私は料理を作ってきますので、そこで2人で話していてください」
シルヴィアが気を使って部屋を出て行き、私とクロワはここまでの話をした。それはシルヴィアが料理を作り終えて部屋へ呼びにきて、料理を食べてる時までずっと続いた。