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闘技大会



私が起きてから2日が経った。

エミリさん達には凄くお世話になり、朝起きた時も運んでくれたり、エイアちゃんは家に居る間はベッドにいる私と遊んでくれたりした。

2日目からは晩御飯も生物以外食べれるようになり、取れたての海の幸を堪能した。


そして3日目の今日、私はロープで手足を縛られて朝食の場に居る。

他のみんなは私を見て、何やったんだ?みたいな顔をしている。1人、エイアちゃんは純粋のため直で聞いてくる。


「お姉ちゃん、なんでロープで縛られてるの?」


「ちょっと筋トレをしてね……」


流石に鍛えないと思って腕立てをしたのだ。開始してからすぐにエミリさんに見つかったのだが。


「そうよ、アンナさんはまだ激しい運動は駄目なのよ。歩くとかならいいけど腕立てはまだ早いわ」


「じゃあ、なんで縛られてるんだ?」


朝ご飯を食べているサルナさんも疑問に思ったのだろう、エミリさんが溜め息をついて答える。


「そりゃ、私が注意しても辞めないから力尽くでね」


「「「えぇ……」」」


3人共私を変人のように見てくる。

仕方ないじゃん、私は昔からずっと朝起きたら筋トレしてたんだからさ。まぁ言っても無駄だから言わないが。

苦笑していたマルガさんが空気を変えようとする。


「そうだ、アンナさんは冒険者だったな。何の武器を使ってるんだい?」


「私は日本刀、刀ですね。他もある程度使えますね」


「へぇー、じゃあ今度サルナの相手して貰えば?」


マーニさんがニヤニヤしながらサルナに提案する。


「嫌だよ」


「そう?私はアンナさんが治ったら稽古して貰おうかな。いい?」


「はい、恩返しはするつもりですし出来る事なら何でもしますよ」


「やった!」


「アンナさんはあと最低3日は筋トレ駄目よ。したら今度はもっと酷い事になるわよ」


またもエミリさんに忠告されるが、今も酷いんだよなぁと思う。何故なら私の両腕は縛られている為、フォークやスプーンを持てない。だから、私はエミリさんにあーんされているのだ。シルヴィア達の知り合いならまだしも、まだ3日しか一緒に居ない人達の前でやるのはかなり恥ずかしい。


今後、こんなに恥ずかしい事になるなら言い付けは守ろうと思いながら朝食を食べ、足を鍛える為、家の中をエイアちゃんと一緒に歩いて、かなり疲れながら1日が終わる。

エミリさんの言う通り、歩くだけでもしんどいのに筋トレは辞めていて正解だったかもしれない。


それからは一日中家を歩き回って、休憩時にはマーニさんの部屋にある本を読んだりして時間を過ごして行った。



それから3日経ち、前日から調子が戻って来ていたので、今日から筋トレを始めて腕立て伏せ50回でも疲れている私に酷く落胆する。


シャワーを浴びてから朝食を食べて、前に言われていたマーニさんの稽古の相手に庭に出る。

ここは海から近い為庭に出ると磯の匂いがする。下の芝生も綺麗でふさふさしている。


庭にはすでにマーニさんが出ていて、木刀を持って待っていた。


「アンナさん、待ってたよ。これでいいんだよね?」


マーニさんが持っていた刀状の木刀を渡す。


「うん、これだよありがとう。ちょっと為し振りしてもいい?」


マーニさんが頷いて私から少し離れてくれる。木刀を両手で持ち肩幅まで足を開き、思いっきり縦に振り下ろす。

前よりかは落ちているが、戻せる範囲にある事が分かり少し安心し、ほっと一息する。

それを側で見ていたマーニさんは私に詰め寄ってくる。


「凄い!凄いよアンナさん!何今の、振る音がブンっじゃなくて、シュッだったよ!ほら、足元の芝生が少し切れてる」


尻尾を降って凄く興奮しながら、足元の芝生をが見ている。


「ありがとう、けどまだ本領じゃないんだ」


「……え、そうなの?これでも凄いと思うわ。それに本領発揮したら1ヶ月後の大会なんかにも出れそう」


「大会?」


「知らない?2年に1度の誰でも参加可能な闘技大会「マクベス」があるの。周りの国々の強者が揃うから毎回凄い試合が観れるのよ」


「へぇー出てみたいかも」


強い人とは試合してみたいし、なんとか1ヶ月後には前より強い状態にならなくちゃ。

いや、それよりも早くみんなに会わないと。


「そうそう、私の弟、サルナも今年出るらしいわ。1回戦目で落とされないといいけど難しいよねぇ…」


「頑張ってそうだから1回戦は残るんじゃないの?」


「マクベスの1回戦の落とし方は有名なのに知らない?

全選手を8グループに分けて、そのグループごとに大人数で1試合を始めるバトルロイヤル、残った1名だけが2回戦に登れるのよ」


「参加する人数は何人ぐらいなの?」


「毎年1000人は来てるわね。だから1試合目で大体120名くらいかしら。それに2回戦に上がる強者は格が違うわ。名前が上がれば響めきが立つ有名人が殆どよ」


ますます出でみたくなる。私は世界でどの辺か知れる丁度いい機会だ。

さらにマーニさんは説明を付け加える。


「あと、豪華賞品もあって、1ヶ月前だから賞品の内容は明日の新聞にでも載るかも」


「毎回凄い賞品なの?」


「凄いわよ。前回は3位が賞金1億メル、2位が宝剣「ナバルターク」、そして1位の商品が何と!秘薬「エリクサー」だったのよ」


「おぉ!エリクサーか!」


私も数本しか持っているエリクサーは万能薬で、ASOでは蘇生薬として使われていて超貴重品である。


「エリクサーを賞品に出すなんて、何処の誰が出すの?」


「それは勿論、獣国王であるラーム・カストリア様よ。本当に戦闘が好きな人で、たまに大会にも出るし、試合を観たいが為に凄い賞品を用意するのよ」


王様は戦闘狂なのだろう。それに獣王は獣人の中でも最強と言われる人がなっていると前に見た気がする。


「少し楽しみだなぁ」


「私も毎回見に行ってるくらい楽しみよって、大会の話より早く稽古しよ」


「そうだね、やろうか」


私はマーニさんが剣を構えるのを見て、自身も剣を構えるのだった。



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