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封殺するは手段①



突然の大地震によりレベラルの街は家が崩れて、瓦礫の下敷きになった人を助け出す冒険者や家事を消す者、海岸付近の街での災害、津波から逃れようと逃げ惑う人々でごった返ししていた。

そんな中、冒険者ギルドの屋根の上に1人、セッカが腰を下ろして少し曇った空の下、潮が引いていく海を見ていた。


セッカの人生の殆どが森の中での生活であり、海はアンナ達と冒険し始めてから始めてみたのだ。だからセッカは今起こっている引潮の規模の大きさが通常なのか思っており、アンナ達が戻ってくるまで見晴らしのいい場所で観察しているのだった。


それと同時に観察は別の対象にもなっていた。レベラルのダンジョンがあった場所からかなり巨大な魔力を感知したセッカは、それの跡を目で追っており沖の方で何かをしているのを見ていた。


そしてレベラルのダンジョンの奴と今起こっている引潮は関係あると考え、即戦闘が出来るよう弓を出す。

その弓はシンプルな形の木で出来きた弓だが、かなり使い古されていて所々に擦り傷がある。


巨大な魔力の奴の動向を見ていると、右耳に付けてあるピアス型のブルーサファイヤで出来た連絡機器から着信の音が鳴る。


「もしもし、アンナ?」


『いえ、違いますよ。残念ですが、ガウェインです』


「あら、ガウェインどうしたのよ?アンナは戻って来た?」


『それが1人、生徒を助けに行ってしまい行方不明に…』


「はぁ?どういう事?」


『落ち着いてください。私達の主、アンナ自身が決めた事です。いつもの事ですから気長に待ちましょう』


「…そうね、いつもの事ね。ごめんなさい、苛立っちゃって」


『いえ、私は問題ないんですが、それより貴女の周りの人は大丈夫ですか?倒れてる人とか居ません?』


「周りに人居ないから大丈夫よ。そうだ、ガウェインはダンジョン付近に居たわよね」


『ええ居ましたよ。地震の少し後にデカイ魔力が動いてましたね。アレが地震の原因でしょう』


「そうよね……それでアレはどうする?アンナに危害を与えてるから殺ってもいいわよね」


『いいとは思いますが…っと』


会話中に地面が先程より少し小さめに揺れる。

その揺れで会話に集中していて気が付かなかったが、沖の海面が不自然に高くなってるのに気が付いた。


「ガウェイン、あの海面が盛り上がってらのは何?」


『海面が盛り上がる……まさか…』


会話の向こうで走る音が聞こえて、少しすると音が止む。


『不味いです。あれは津波と言うもので、簡単に言えば波の超上位互換です』


「ってことは破壊力は凄そうね」


『軽くこの街は半壊、止まっている船は全て全壊でしょう』


「へぇー」


セッカは津波の恐ろしさを半分理解してもう一度海を見る。

この街が津波でどうなろうとセッカにとってはどうでもいい。しかし、アンナがまだダンジョン内に居るとなると話は別だ。津波で水死でもしたら気が狂うに決まっている。


そう考えるとセッカは左手に持った弓を、右手で弦を引っ張って構える。しかし、右手には肝心の弓矢を持ってはいない、玉はもう既に準備出来ている。


「さて、戦の初めは威力高の範囲攻撃よね。ティンクルスター、星の導きよ…『メテオレイン』」


セッカは引っ張った弦を離す。周りには弓の弦の音だけが響く。

何事も無くセッカは弓を降ろす。それと同時に上空、雲の上から轟音が鳴り響いてくる。


その音にレベラルの逃げ惑う人々や冒険者達が何事かと思い動かなくなる。そして雲の上から無数の赤い光が落ちて来るのが分かる。人々の中でそれが何であるのか分かる人もいて悲鳴のような声を上げる。


「う、うわぁぁあ!隕石だ!逃げろ!津波どころじゃない!逃げろ!逃げろ!」


その声で人々がパニックになってるのに気づいていないセッカは上空の隕石がちゃんと狙った場所に落ちるか目視で計算していた。


「よし、計算通りにいきそうだ」


『セッカ、まさか落としたのですか?』


まだ繋がっていたガウェインが驚きの声を上げる。


「当然、私の高火力はこれぐらいしかないし」


『はぁ…隕石でも津波は起きると思いますが…』


「え!そうなの?津波と相殺は無い?」


『最悪の場合は私がなんとかします。端の方は無理なので貴女のスターレーザーでなんとかしてください』


「分かったわ。最悪の場合にならない事を願うわ。また後で連絡するわ」


『分かりました。こちらからも連絡するかもしれないので、いつでも出れるようにしておいてください。それでは』


ガウェインから通話が切れて空を見てみると、話している間に無数の隕石が頭上にあり、数秒すると津波に直撃し、隕石の熱と海水で白い壁のように水蒸気が爆発と同時に一斉に吹き始めた。

懸念していた隕石での津波は、隕石が斜めにから落ちたことにより津波と相殺されて起きなかったようでセッカは少し安心した。


しかし、安心したのも束の間、沖から凄い速さでこちらに迫って来る。セッカはすぐに弓を構えて敵がどう動くか見極める。

そして1km先の海の底から海上に途轍もなく巨大なものが現れる。


体は蛇のように途轍もなく長く、体の周りを濃い藍色の鱗で覆われている。そして鋭い黄色の両目はセッカの方を睨みつけていた。

それを見たセッカは頭を傾げる。


「………何あれ?」


「ガラァァアア!!!」


セッカの声に反応して敵の周りの海面から無数の水柱が一斉にセッカに迫るが、あらかじめ構えていた弓の弦を放つ。


「ポイント・スターレーザー」


迫り来る水柱に上空から光の柱が振り落ち、全ての水柱を蒸発させ撃墜し、セッカは敵に右手の指を曲げる。


「ほら、全部落としてあげるから掛かってきなさい。大量にある水、無数の星々、どっちが先に尽きるか勝負しない?」


「ガラァァアアアア‼︎‼︎!!」


そして先程の倍以上の数の水柱がセッカに迫り、セッカも弓を構えたのだった。




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